現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
去年と同じ12月5日に再び訪れた浄源寺で出会えた一枚
2007年12月06日 (木) | 編集 |
岩屋堂1-1

PENTAX K100D+SIGMA 17-35mm f2.8-4 / TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 岩屋堂の入り口にある浄源寺の門をくぐったとき、やったと思った。なぜなら、この日、この時間が完璧とも言えるタイミングだったから。見た瞬間にこれはもらったと確信した。そうだ、撮りたかったのはこれだったんだと。お寺の奥さんらしき人がちょうどほうきで落ち葉を掃き出すタイミングも、まるで私を待ってくれていたかのようだった。こんな幸運はめったにあるものではない。
 思い返せば一年前の今日、12月5日、私は同じこの場所に立っている。東京行きを3日後に控えて、2006年の紅葉シーズン最後の締めくくりのつもりでここを訪れた。しかし、ブログにも書いたように3日遅かった。紅葉の葉は大部分が落ちて、積もった枯れ葉もまばらな様子で、あと一歩出遅れたことを悔やんだのだった。来年こそジャストタイミングで再訪しようと誓ったあの日からちょうど一年後の今日、自分との約束を果たすために行って、それを守ることができたのが嬉しい。日付は同じでも今年は暖かい日が続いて紅葉が遅れ気味だったからちょうどいい日になった。誰に感謝していいのかよく分からないけど、とりあえず感謝したい。いい日に呼んでくれてありがとうと浄源寺にお礼を言うべきか。
 岩屋堂は紅葉名所としてはマイナーで魅力としても弱いところなのだけど、このタイミングの浄源寺だけは香嵐渓の香積寺よりもはるかに素晴らしい。有名になって大勢が訪れたら落ち葉が踏み荒らされてあっという間に駄目になってしまうだろうから、今くらいマイナーでいいのかもしれない。この風情はちょっと得難いものがある。掃除してしまうのはもったいない。
 最初にここの写真を撮って、もうすっかり満足してしまったのだけど、せっかく来たんだからということで、岩屋堂の紅葉も少し撮っていくことにした。ただ、肝心のモミジはほぼ終わっていて見所は少なかった。こちらは一週間くらい出遅れという感じで、こりゃいけないと思う。香嵐渓よりもずっと早い。さすが、瀬戸の冷蔵庫と呼ばれるだけのことはある。今日も空気が冷たかった。

岩屋堂1-2

 別の角度から撮るとこんなふうになる。ちょっと舞台裏という感じだ。
 浄源寺のいい場所は門までの短い参道と、三蔵門の周辺に限られている。本堂の方は紅葉もなく、まったく普通のお寺さんだ。絵になる部分も限られていて、一枚目の写真のあの角度くらいしかない。ちょっとずれるだけでなんとなくしっくりこない。今年も去年と同じ場所から撮ったのだけど、あれこれ別のところから撮ってもいいポイントは見つけられなかった。
 よかったら去年のブログの12月6日か、または「浄源寺」でブログ内検索をして見比べてみてください。

岩屋堂1-3

 三蔵門をくぐって進んだ先から振り返って撮った一枚。
 ここをきれいに撮りたければもっと早い時期に行く必要がある。モミジの絨毯は落ちてすぐはいいのだけど、時間が経つと赤茶けて汚くなる。イチョウの黄色とモミジの赤が上手く両立するといいのだけど。

岩屋堂1-4

 岩屋堂の名前の由来となった洞窟の裏手にある暁明ヶ滝(ぎょうみょうがたき)。
 ここを訪れるのは久しぶりだ。以前に一度見たっきりで、いつも飛ばしていたから3年ぶりくらいだろうか。
 妙に水量が少なかったのは季節柄なのか、雨不足のせいなのか。高さは13メートルあるものの、まったくの迫力に欠けた。春から夏にかけてはもっと勢いがあるのだと思う。

岩屋堂1-5

 岩屋堂の紅葉ポイントは一応、島原川沿いということになる。このあたりもピーク時はきれいなところなのだけど、現在はこの通り。紅葉の葉っぱもあらかた落ちきってしまって、一足早い冬景色となっていた。岩屋堂自体の紅葉シーズンはすでに完全に終了している。今から行ってももう遅い。出だしは遅れていたのに、後半は冷え込んで駆け足になったようだ。
 今日は紅葉の他に鳥撮りも期待していったのだけど、残念ながら収穫はなかった。前にカワセミも見てるし、少なくともキセキレイくらいはいると思ったのに、ハクセキレイさえいなかった。ヤマセミやルリビタキなんてホントにいるのだろうか。いるんだろうなぁ、早朝なら。

岩屋堂1-6

 相変わらずの昭和枯れススキ風な元観光地風情。笑うところじゃないんだけど、毎回笑えてしまう。アゴをさすりながら、うーん、マンダムと言ってしまいそうだ。
 昭和の荒れ果てた観光地の名残と紅葉の枯れ葉がなんともマッチしてしまうのも悲しみを誘う。

岩屋堂1-7

 日没までもう少し時間があったので、久々に奥まで歩いてみることにした。その途中で鳥観察のおじさんと出会った。おおー、と思う。私も仲間に入れて欲しかったけど、マンツーマンだったのでお互いに照れて駄目だった。デジスコではなく観察だけだったので声を掛けづらかったというのもある。デジスコをしてたら、少しのぞかせてもらって話を聞きたかった。
 おじさんは何を見ていたのだろう。さかんに鳥の声はすれども姿は見えずだった。あらためて思い知るけど、デジスコ撮影以前の段階として、鳴き声から姿を見つけ出すという訓練をするのが先だ。いくら道具を揃えても、鳥の姿を見つけ出さないことには撮影も何もあったもんじゃない。肉眼や双眼鏡で見つけたとしても、それをスコープの中に捉えるのがまた困難を極める。考えている以上にデジスコへの道のりは遠い。ツレを伴って鳥発見のための訓練合宿をしないといけないかもしれない。迷彩のテントに入って自然と一体化して鳥を見つけるのだ。そして素早くスコープで捉えるという特訓をしなければなるまい。

岩屋堂1-8

 この日望遠レンズで唯一捉えることができたのは一羽のシジュウカラだけだった。写真中央に写ってるシルエットがそうだ。日没後で影しか写らなかった。距離にして50メートルくらいだったろうか。デジイチの1.5倍換算で450mmでもこの程度しか届かない。デジスコなら2000mmオーバーだから世界が違う。この距離のシジュウカラでも画面の半分くらいの大きさには捉えられるだろう。
 そんなことを想像してるとやっぱり買ってみたくなる。紅葉が終われば撮るものも少なくなるし、冬場になれば葉も落ちて鳥も撮りやすくなる。やっぱり時代はデジスコか!?

岩屋堂1-9

 奥にある瀬戸大滝のところまでやって来たら、いきなり桜が現れて驚いた。この時期にここまで来たことがなかったので、こんなものがあるとは知らなかった。一本だけ、ほぼ満開にきれいに咲いていた。冬桜か十月桜か、誰か人の手で植えられたものだろうか。
 里山に一本の冬桜というのはハッとさせる魅力がある。

岩屋堂1-10

 これが瀬戸大滝だ、って、ええ〜? こんなチョロチョロ? 締まりが悪くなった水道の蛇口から水が漏れるような水量しか落ちてきていない。ザァーっていうのではなく、ジョボジョボジョボって感じだ。前に見たときは9月だったけど、あのときはもっと勢いよく落ちてきていた。こんなに少ないとは何事だろう。水源の水量が極端に少なくなっているのだろうか。
 この秋の名古屋はとにかく雨が少なかった。秋の長雨なんて言葉も聞かないまま冬に入っってしまった。降水量は例年に比べて1割とか2割とかのようだから、その影響もありそうだ。もう少し迫力のある滝の写真を撮れると思っていたのに、これでは大滝とはとても言えない。高さは17メートルあって、勢いがあるときはなかなかいい滝なのだけど。

岩屋堂1-11

 滝の下の流れもかなり水量が少ない。ここも水が多いときはゴーゴーと音を立てて流れている。冬場は毎年こんなものなんだろうか。
 滝を見に行くならやっぱり5月とか梅雨の合間とかだろう。今の時期に行ってもがっかりしてしまう。

岩屋堂1-12

 今日は新しく買った軽量コンパクトの望遠ズームTAMRON 70-300mm f4-5.6 Diの試し撮りも兼ねていたのに、出番は少なかった。遠くのシジュウカラを撮っただけで終わりそうだったので、最後にマクロも試してみた。
 1:2の望遠マクロはなかなか使えそうだ。背景もきれいにぼける。ただ、暗いシーンでシャッタースピードが上がらないと、K100Dの手ぶれ補正を持ってしても望遠レンズは止まらない。上の写真は1/50秒くらいだったと思うけど、180mmだったので少しブレた。f値5.6は暗くて厳しい。

 今日の収穫はなんといっても浄源寺の三蔵門前の一枚だ。他はオマケみたいなもので、あの一枚が撮れたのは大収穫だった。それでよしとする。
 あと少し他の写真もあるので、もう一回岩屋堂編のつづきを書くつもりでいる。岩屋堂の魅力をもっと広く世間にお伝えしなければならない。昭和の観光地ブームを再び起こすために。
 岩屋堂自体の紅葉は終わったけど、浄源寺だけはあと数日チャンスがあると思うので、近くの方は明日、あさってにでもぜひ撮りに行ってみてください。タイミング次第ではわぁーという光景に出会えると思う。


紅葉写真で見た目と写真の違いを思う <香嵐渓紅葉その4>
2007年12月04日 (火) | 編集 |
香嵐渓番外編-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D / SIGMA 17-35mm f2.8-4



 香嵐渓の紅葉シリーズは今日が最終回、番外編として紅葉以外の写真などもまじえつつ締めくくりとしたい。
 上の写真は特に狙いもなく漠然と撮ったものだけど、帰ってきて写真を見たら意外によかった。一面を覆った枯れ葉が山里の風情を感じさせる。赤でも黄色でもない枯れ葉色も、こう見ると悪くない。
 右の赤い橋は吊り橋の香嵐橋だ。歩くとぐわんぐわん揺れて手持ちで写真が撮れない。渡りきったあと普通の地面も揺れてるように感じる。
 一般の観光客はあまりこちらまで来ないようだけど、この吊り橋付近にもきれいな紅葉があるので見逃すのはもったいない。私は奥の落部駐車場近くに車をとめたから、こちらから歩くことになった。
 駐車場は普段500円なのにこの時期は紅葉価格ということで1,000円に跳ね上がる。言い値なので言われた通り払うしかない。悔しいので個人宅で呼び込みをしているところを探して、700円のところにとめさせてもらった。落部をすぎて川の反対岸の臨時駐車場は500円だった。歩く距離は変わらないから次はあちらにとめよう。

香嵐渓番外編-2

 冬桜か十月桜かが満開で、紅葉と競演していた。
 小原村の四季桜で見慣れた光景とはいえ、突然この時期に満開の桜を見るとちょっとびっくりする。知らない人は暖冬で狂い咲きしたかと思うかもしれない。
 今年は小原村は休みになりそうだ。去年ある程度しっかり撮ったから、今年もう一度行っても同じそうな写真になってしまいそうで気が乗らない。あそこは撮るのが難しい場所だから、もう一段自分がレベルアップしたと思ったら行くことにしよう。ブログ検索で今日の様子などを見てしまうと行きたくなるのだけど。

香嵐渓番外編-3

 紅葉バックのススキは心なしかピンクに染まる。
 逆光の光があればもっときれいだったのに。

香嵐渓番外編-4

 紅葉の時期になると撮る花もなくなって、こういう赤い実を見つけるとありがたがって撮ってしまう。
 赤い実は判別を最初から放棄している。

香嵐渓番外編-5

 考えてみると紅葉というのは日本の風景の中でしか似合わないものなのかもしれない。ヨーロッパの宮廷の庭に咲いてたらおかしいし、アメリカの郊外にもマッチしない。アフリカ、中近東、北欧、南米。どの国のどんな風景を考えても違和感がある。冬になればどの国の木も紅葉はするのだろうけど。
 中国は日本とよく似た紅葉風景がありそうだ。ただ、中国の場合は山の紅葉というイメージで生活圏の中というのはどうなんだろう。日本と同じように紅葉が似合う国があるとすれば、それは台湾くらいかもしれない。韓国も少し違う気がする。
 四季折々の花を愛でる日本人のメンタリティーというのは、本当に特別なものだ。

香嵐渓番外編-6

 香積寺の参道と紅葉の様子。
 一応紅葉のトンネルにはなっているのだけど、ちょっと中途半端。もう少し秋の見栄え重視で整備したらどうだろう。せっかく大勢が訪れるのにもったいない。庭師を呼んで全面的に造り直してもいいくらいだ。

香嵐渓番外編-7

 飯盛山は紅葉の時期は人気がないようで、登っている人はまばらだった。
 カタクリの時期は、この散策路が鈴なりの人になって、高級レンズと三脚がずらりと並ぶ。斜面は一面のカタクリが咲いて、見渡す限りの薄紫になる。
 紅葉は日本全国どこででも見られるけど、大規模なカタクリの群生を見られるところはなかなかないから、私としては春の香嵐渓こそオススメしたい。

香嵐渓番外編-8

 落部駐車場の山も赤に染まる。ここは角度的に西日が当たるときがきれいそうだ。
 落部駐車場は秋の紅葉シーズン以外は無料なので、香嵐渓に遊びに行くときはとめどころだ。香積寺や飯盛山へ行くには少し歩くけど、巴川をプラプラ散歩しながら行けばそれほど気にならないだろう。
 鳥スポットとしても一部では有名で、ヤマセミやカワガラスも見られるという。私もヤマセミはぜひ一度は見てみたい鳥だ。

香嵐渓番外編-9

 待月橋もこれだけ人がまばらでは雰囲気が出ない。香嵐渓名物は細い待月橋にあふれるほどの人が乗ってる光景だったのに、新しい橋は広すぎて失敗だ。渡るにはいいけど、面白くない。この日は特に人が少なくていけなかった。
 コンクリート剥きだしのようなデザインも残念なところだ。無粋な護岸工事といい、香嵐渓もだんだん風情がなくなる。

香嵐渓番外編-10

 もう少し普通の紅葉写真も載せてみる。
 この場所を見つけたときはいい写真になりそうだと思ったのに、できあがりを見てみたらそうでもなかった。こんなこともあるし、その逆もある。人の見た目と写真が写すものとは別物だ。ときにそれは大きな違いとして表れる。

香嵐渓番外編-11

 日暮れが近づいて家の中で灯った明かりが窓越しに漏れて、それを紅葉が彩った。屋根に降り積もった紅葉も秋の終わりの風景だ。

 これで今年の香嵐渓紅葉写真はおしまいとなる。自分の中でも完結した。
 気持ちはもう次の紅葉へ向かっている。この週末は鎌倉の紅葉を見に行く予定でいる。その前に東京もある。神宮外苑一周年記念のイチョウ並木も楽しみだ。まだ落ち葉の絨毯になってないようだけど、今週いっぱいでどこまで進んでくれるか。
 週末の前にもう一日地元で紅葉を撮りに行きたいと思っている。行けてもたぶん一ヶ所だから、一番行きたいところを選ぼう。できれば犬山の寂光院だけど、近場で岩屋堂あたりになってしまうか。
 紅葉シーズンも残りわずかとなった。もう少し楽しんでおきたい。紅葉が終われば、来年の春まで撮るものは鳥だけになってしまう。だからデジスコ?


人入り写真が好きだから<香嵐渓紅葉その3>
2007年12月03日 (月) | 編集 |
人入り香嵐渓-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D / SIGMA 17-35mm f2.8-4



 人が入った写真が好きで、そういう写真こそが自分らしい写真だと思っている。だから香嵐渓第三回目は人入り紅葉写真編でいってみよう。
 どんな場面でも人が入ってる写真の方がいいだと思っているわけではない。ただ、個人的な趣味として、私は人がいる光景の写真が好きだ。その方が自然に思えるから。特に観光地や季節の花名所などは、人がいない方が不自然だ。人がいなくなるのを待って撮るなんてもったいない。人が風景に彩りを添えてくれる。
 というわけで、人がいる香嵐渓の紅葉写真を集めて並べてみることにする。
 まずはおばさま二人組から。この組み合わせも観光地ではよく見かける。大人になってもこういうところへ一緒に行ける友達がいることは幸せなことだ。男同士だとこうはいかない。男二人であちこち旅行して回ってるのは、みうらじゅんといとうせいこうくらいだ。

人入り香嵐渓-2

 一眼の彼と見守る彼女。二人ともリュックスタイルでさわやかカップルだ。夫婦さんかもしれない。
 私はリュックはちょっときつい。リュックサックを最後に背負ったのはたぶん小学6年生で、それ以来背負ってないはずだ。そんな私が今更リュック再デビューは厳しい。自分自身、どう考えても似合いそうな気がしない。
 もっと年を食ってじじいになって腕の力が衰えたらリュックもいいかもしれない。その頃には照れくさいとかそんな感覚もなくなっていることだろう。

人入り香嵐渓-3

 どんなに混雑しているところでも、ふとした瞬間に人波が途絶えて自分たちがポツリと取り残されたようになることがある。
 このときもベビーカーを押した若い夫婦と私だけになった。写真も撮らず静かに紅葉を見上げる二人と赤ん坊。子供の記憶に残らなくても、家族の大切な思い出となっただろう。そんなシーンをそっと撮らせてもらった。

人入り香嵐渓-4

 こういうのは嬉しくなって、一人なのに微笑んでしまう。お母さんの前であわせた手がかわいらしい。
 一緒に歳を取るということが実はとてもいいものなのだということをこの場面が教えてくれる。

人入り香嵐渓-5

 スーツにマフラーを巻いたおじさんがときどき妙にカッコよく見えることがある。
 おそらく夫婦さんだろう。若い頃とは違って、つかず離れずの距離感が素敵だ。
 私は一人で紅葉を撮りに行って何を撮ってるんだか。見知らぬ人ばかり撮って。でもついつい、人の方に目がいってしまいがちな私なのであった。

人入り香嵐渓-6

 目の前に白髪頭が二つ現れて、これはチャンスと焦って撮ったら失敗した。向こうの紅葉にピントがあって、頭がボケてしまった。残念。もったいないことをした。紅葉の赤と白髪頭の白のコントラストがよかったのに。
 でもせっかくなので載せておこう。二人は友達なのか身内なのか。兄弟だったらいいなと勝手に思った。

人入り香嵐渓-7

 ここは橋向こう。食べ物屋などが並んでいる。
 紅葉の時期以外にこちらの店が開いてるとは思えないのだけど、このときは大変な賑わいを見せていた。
「すずめ焼き」と書かれた紙が貼ってあってぎょっとする。本当にスズメを焼いてるのだろうか。焼き鳥だって残酷といえば残酷だけど、すずめを焼いてはいけないだろうと思う。だいたいスズメは野鳥だから勝手に捕獲してはいけないはずだ。
 見なかったことにして通り過ぎた。

人入り香嵐渓-8

 落ち穂拾いのおばさまたち。
 地元の人なのか、関係者なのか。ご苦労様ですと頭が下がる。考えてみると、誰かが拾わなければどんどん落ち葉は降り積もっていって収拾がつかなくなる。落ち葉も風情というのも程度問題で、山盛りの落ち葉はちょっとまずい。
 観光地を守るためには、人知れずいろんなところで裏方さんが活躍しているに違いない。

人入り香嵐渓-9

 紅葉と人影シルエットその1。
 紅葉と人を撮る場合、シルエットで撮るというのもひとつの方法だ。帰ってきて写真を現像しているときに気づいた。ちょっと遅かった。
 これからはシルエットシーンも意識しながら撮っていくことにしたい。暗い場面でも積極的に撮っていこう。

人入り香嵐渓-10

 紅葉と人影シルエットその2。
 同じような写真が続いて、そろそろ私も飽きてきた。バリエーションとしては出尽くしたか。

人入り香嵐渓-11

 シルエットその3。
 いいシーンになり得たのにタイミング合わず残念。撮る直前に彼氏の方が動いてしまった。
 演出が許されるなら、彼女にもう少し左へずれてもらって、彼氏に寄り添ってもらえれば言うことなしだ。そういう演出写真は今まで撮ったことはないけど、撮りたいという思いはある。モデル撮影というのもやってみると難しさと面白さがあるのだろう。

 そんなこんなで人入り写真もそろそろネタ切れとなった。あと少し香嵐渓の写真があるから、番外編としてもう一回だけ続けたいと思っている。
 どうして人が入った写真が好きなのかとか、それが是か非かなんてことは置いておいて、本当にいい写真というのは説明の必要がないものだ。それをバシッと出せるものなら出せばいい。
 今回の香嵐渓写真は、実はあまり手応えがなかった。撮った瞬間にこれはいけたというのがほとんどなくて、たくさんシャッターは切ったのに、紅葉撮りの難しさと自分の力のなさばかりを感じることとなった。
 まだまだ勉強しながらたくさん撮っていく段階だ。いっちょまえになったつもりでいたら大間違い。確信を持ってシャッターを切れるようになって初めて中級者だ。道は遠いね。


人がいない写真はただきれいなだけ <香嵐渓紅葉その2>
2007年12月02日 (日) | 編集 |
香嵐渓2-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D / SIGMA 17-35mm f2.8-4



 昨日の香嵐渓第一弾は現地の状況説明的な写真が多かったから、今日の第二弾は紅葉そのものを撮った写真を集めてみた。
 こういう写真は面白くないように感じてあまり好きではないのだけど、せっかくだから一応撮っておかなければ気が済まないようなところもある。好きじゃないというよりも苦手意識が強いと言った方がいいのかもしれない。私は人がいる風景の写真が好きだ。もしくは、撮った場所が分かる写真がいい。たとえば紅葉なら、モミジそのものを撮るために香嵐渓まで行く必要はない。近所の公園でも撮れる。それでは面白くないと思ってしまう。香嵐渓で撮るなら香嵐渓でしか撮れない写真を撮りたい。
 まあそれはともかくとして、今日並べた写真を見てくれた人が自分も撮りに行きたいっと思ってくれたらいいと思う。写真は与え手と受け手の一方通行で完結するものではなく、伝達であり、共有であり、双方向のものだ。その先には大いなる広がりもある。自分のための写真が誰かのためになることがあれば、それはどちらにとっても幸せなことだ。

香嵐渓2-2

 賑やかな紅葉シーン。落ち着きや統一感はないけど、秋の山が歌っているようで楽しい。木々にしてみれば、寒くてつらい冬を前にして、半ばやけっぱちの宴会みたいなものかもしれない。そうでもなければ、こんなに派手に騒ぐ必要もなかろう。

香嵐渓2-3

 香嵐渓の面白さの一つに、紅葉の道が立体構造をしているという点がある。メインの道が上中下段と3本あって、通常の視点の他に、下から見上げる視点と、上から見下ろす視点がある。その分、見ていても飽きないし、写真に撮るときも変化が生まれる。更にその下には川が流れていて河原からの視点もある。整備された紅葉スポットでこれだけ変化があるところは珍しいんじゃないだろうか。
 このときは上から撮っていたらちょうど郵便配達の赤い車が走ってきて、こりゃいただきと思って撮った一枚だ。ちょっとタイミングが早く、次のショットは遅かった。S2 proののんびりした連写機能では動きものは難しい。でもこのシーンはよかった。紅葉の赤に郵便局カラーの赤が彩りを添えた。

香嵐渓2-4

 紅葉トンネルを低い位置から撮ると、モコモコ感が強調されて、実際以上に豪華に見える。これは桜並木でも使える撮り方だ。
 人がたくさん歩いている香嵐渓などでは道の真ん中でしゃがむのはためらわれるけど、川の方へ降りていく階段の途中にいい場所がある。ここは香積寺(こうじゃくじ)へ続く階段の少し手前(または奥)のところだ。

香嵐渓2-5

 多目的広場では出店が出たり、猿のショーが行われたりしていた。
 この奥には昭和の農家の生活を再現した三州足助屋敷がある。農村の建物が建っていたり、いろいろな手工業を体験することができる。入るのに500円かかるから私はまだ入ったことがない。そのうち機会があれば一度くらいは入ってみよう。

香嵐渓2-6

 香積寺の参道や境内も紅葉があって、こちらも人気スポットとなっている。もともとはここのお寺の住職がモミジを植えたことから香嵐渓が紅葉の名所になったという歴史もある。
 ただ、境内の紅葉はややとりとめがなく、まとまりに欠ける印象がある。参道だけでももう少しきっちりとしたモミジのトンネルにした方が見栄えはよさそうだ。

香嵐渓2-7

 モミジの赤にも木によって個体差が大きくて、ときどき燃えるように真っ赤に染まるやつがある。それがその木の特徴なのか、年によって違うのか、時期的なものなのかは分からないけど、確かに飛び抜けて赤いやつがいる。この木などがそうだった。光が当たっていたら更に赤色が増しただろう。
 紅葉の赤は木の幹の褐色とのコントラストでより強調される。S2 proが持つ色表現能力と、Nikkor 35mm f2Dの色乗りのよさが相まってこの色になったということもある。SIGMA 17-35mm f2.8-4も悪いレンズじゃないけど、解像度もコントラストも色も単焦点には勝てない。

香嵐渓2-8

 レッド・オン・レッドも紅葉撮影ではよく使われる手法だ。あまり自分らしい写真とは思わないけど、たまにはこんなふうにも撮ってみる。
 70mmの広角側でシャッタースピードが上がらずにちょっとブレた。ボディにもレンズにも手ぶれ補正がないとやっぱり厳しい。手ぶれ補正ばかり使っていると写真が下手になりそうだ。帰ってから思いついたけど、手ぶれ補正のVR 24-120mmを持っていけばよかったのだ。広角を確保することばかり考えていて、すっかりその存在を忘れていた。

香嵐渓2-9

 巴川と紅葉風景。
 ここの河原は大きな丸っこい石がゴロゴロしていて、すごく歩きづらい。遊び心でヒールを履いた女の子を河原に誘って歩こうなどとしてはいけない。自分自身がすっころんでしまいそうになるから。

香嵐渓2-10

 山の中なので日暮れは早い。平野では4時40分くらいが日の入りのこの時期でも、4時過ぎには太陽が山の向こうに沈んで暗くなり始める。
 でも、ここからが香嵐渓のもう一つの顔の始まりだ。ライトアップも香嵐渓名物となっている。日没前から夜紅葉見物だけに訪れる人も多い。私は少しだけ粘ってみることにした。それまでに2時間半も歩いて、写真を撮って、一人だし、もう帰りたかったんだけど。

香嵐渓2-11

 今年のライトアップは例年とは少し違うようだ。ネットなどの写真を見ると青白くこうこうと照らされている感じなのに、黄色というかオレンジ一色だった。このあともう一段ライトアップ度が増すのかと思ったけど、これで終わりだったみたいだ。ちょっと物足りなかった。せっかく5時半まで待ったのに。それとも、私が帰ったあとにもっと賑やかしくなったんだろうか。
 とにもかくにも、ライトアップも撮ったし、いい加減帰ることにした。枚数もずいぶん撮ったし、紅葉はもうおなかいっぱいだ。

 香嵐渓の紅葉シリーズはあと1回。人入り紅葉編を予定している。更にもう1回、番外編があるかもしれない。総括は最後でいいか。
 香嵐渓の見頃は今週末までだと思う。ライトアップも日曜までなので、明日行ける方はぜひ。行ったら、私が撮った場所もたぶん分かると思う。ああ、撮っていたのはこの場所だな、と。そう、その場所に確かに私は立って写真を撮ったのでした。




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