 PENTAX K100D+SMC Takumar 50mm f1.4 他
オリンピック期間中だから、それを記念してギリシャ料理もどきを作った。でも、実際は、ギリシャについてちょっと勉強してみようというのが先にあって、そのことについてここで書くためにギリシャ料理をサンデーにしたというのが正しい。だから今日は、ギリシャとギリシャ料理について書きたい。 古代オリンピックは、エーリス地方のオリュンピアで4年に一度行われていた競技大会だ。年代でいうと紀元前9世紀から紀元後4世紀にかけてで、これはちょうど日本の弥生時代と重なる。日本にまだ国家という概念はなく、ようやく稲作を知って質素な家に定住するようになった時代、ギリシャではすでに巨大な神殿を築いて、スポーツの祭典などが行われていたのだ。日本でも石投げ競争や稲の早植え競争くらいはあったかもしれない。 その後、古代オリンピックは金と権力が支配する腐敗した大会となり、393年の第293回をもって終わりとなる。 それから1400年以上、オリンピックは開催されないまま歳月が流れた。1859年から1889年にかけてギリシャ国内で開かれたものの、盛り上がることなく自然消滅のようになってしまう。 しかし、このあとすぐ近代オリンピックが開催されることになるから、ギリシャのオリンピック復活は無駄ではなかった。フランスのクーベルタン男爵によって近代オリンピックは提唱され、第一回大会がギリシャのアテネで開催された。1896年のことだ。前回2004年は、108年ぶり2度目のアテネ開催となった。
ギリシャといえば、このようにオリンピックであり、古代ギリシャの文明であり、ギリシャ神話といったところが一般的なイメージだろう。けど、私たちはギリシャについて意外と知らないと思わないだろうか。近代ギリシャがどんな歴史を辿ったのかとか、ギリシャ人は何を食べてどんな暮らしをしているのかとか、今のギリシャ人は何を考えて、どこを向いているのかなど、知らないことだらけだ。 紀元前3000年から5000年もの歴史を持ち、日本にも馴染みのある国なのに、そのわりには知らないことが多すぎる。日本と直接的な関わりが少ないとはいえ、もう少し私たちは近代ギリシャに関して興味を持つべきなんじゃないだろうか。 紀元前3000年、早くもギリシャに文明が生まれる。クレタ島を中心としたミノア文明と呼ばれるものだ。発掘されたクノッソス宮殿などから当時の様子が分かった。 紀元前2000年頃、現在のギリシャ人の祖先がやって来て、新しいギリシャに生まれ変わる。アカイア人と呼ばれる人々は独自のミケーネ文明を生み出した。シュリーマンによって発掘されたアガメムノンの黄金の仮面などが有名だ。 しかし、その後ギリシャは長い苦難の歴史を歩むことになる。マケドニア王国に支配され、古代ローマに征服され、オスマン帝国がそれに取って代わった。 独立の気運が高まり、独立戦争が始まったのは1800年代に入ってからのことだ。1830年、380年ぶりにギリシャは国としての独立を取り戻すことになる。日本でいうと江戸時代の後期だ。 それでも国は落ち着かず、希土戦争やバルカン戦争などを繰り返し、第二次大戦ではイタリアとドイツに占領されてしまう。さらには共産主義も絡んでの内戦は続き、1950年代に入ると今度はトルコとの対立が激化する。 ギリシャがようやく落ち着きを取り戻したのは、ここ30年くらいのことだ。経済的な成長も遂げ、EUにも加盟した。いろいろと問題はあるにしても、ようやく訪れた平和にギリシャ人は安堵していることだろう。 基本的なデータとしては、国土は日本の3分の1くらい(13万平方キロ)で、人口は1090万人。この中の半分はアテネ周辺に集中している。エーゲ海に浮かぶ島々は国土の20パーセントを占める。 地中海性気候で、温暖で過ごしやすいという。夏と冬はわりとはっきりしていて、雨は少ない。 ほとんどがギリシャ人で、一部トルコ人やマケドニア人が住んでいる。95パーセントがギリシャ正教徒でもある。
ギリシャ人は、自分たちを食通だと自認しているらしい。日本からするとそういうイメージはない。 朝はあまり食べず、コーヒーだけで済ます人が多いという。その代わり、昼ご飯をしっかり食べる。食べたらシエスタで昼寝の時間になる。このあたりにギリシャ人ののんびりしたところが伺える。 夕飯は遅く、9時くらいから2時間ほどかけて食べるのが一般的とされる。食べて、飲んで、しゃべって、場合によっては深夜の2時とかまでそんなことをしてるらしい。食通というか、食べるという行為とそれにまつわることが好きなのだろう。酒もワインやビールなどをよく飲む。 海の近くだから新鮮な魚介類には事欠かない。陸や山の食材もあるから、けっこうバラエティに富んでいる。一つ特徴的なのは、ヨーロッパでは珍しくタコやイカを好んで食べることだ。 イタリアや南フランスの地中海料理との共通点を持ちつつ独自の料理が発展したのは、ギリシャが被征服地だったことが大きな要因となっている。特にトルコやレバノンなどの影響が強い。 ギリシャといえば、オリーブオイルだ。消費量は世界一で、生産量も世界三位につけている。何かにつけてオリーブオイルを使う。料理の際に使うだけではなく食材に直接オリーブオイルをかけたりもする。 ヤギや羊のミルクから作ったフェタチーズも有名だ。これもギリシャ料理には欠かせない。 トマトの消費量も世界一だそうだ。トマトソースだけでなく、トマトをそのまま食べる機会も多いらしい。オリーブオイルの油に対抗するためにトマトを使っているというのもあるのだろう。 こんなことを踏まえつつ、そろそろギリシャもどきサンデー料理へと話を移していきたいと思う。ギリシャについての勉強がこの程度でいいとは思ってないけど、久々に学校の世界史を思い出した。ビザンチン帝国とかミケーネ文明とか、こんな単語は久しく思い出すこともなかった。
料理の写真が上の方になってしまったから、スクロールしないと見えないと思うけど、左手前から紹介していきたい。 これはギリシャ料理を代表する一品「ムサカ」というものだ。見た目は本式のものとはずいぶん違っているけど、作り方は大きく違ってないはずだ。 これはやたら面倒なのだけど、すごく美味しかったから、私ももう一度作りたいし、オススメしたい。 まずジャガイモの皮をむいて、薄くスライスする。それを耐熱容器に入れて、レンジで加熱する。5分くらい。白ワインを振ってもいい。 取りだしたら、塩、コショウを軽くして、クッキングペーパーを敷いた上に並べる。これが土台となる。 次にトマトソースまたはミートソースを作る。トマトベースにタマネギ、鶏肉などを使い、コンソメの素、塩、コショウあたりで味付けする。それをジャガイモにたっぷり塗る。 今度はナスの皮をむいて薄くスライスする。オリーブオイルを塗ってレンジで加熱するか、フライパンで焼く。これをジャガイモの上に重ねて並べる。 まだこれで半分。刻んだタマネギとひき肉を炒め、塩、コショウで味付けをする。これをナスの上に乗せる。 まだまだ続く。ホワイトソースを作らないといけない。バター、牛乳、小麦粉を使って鍋で作るか、レンジで作る。塩、コショウで味付けする。こいつを上に塗るように置いていく。 あとは200度のオーブンで20分から30分焼いて、最後にとろけるチーズを乗せて、余熱でとかせば完成だ。 面倒だし、やたら時間がかかるのが難点だけど、これはギリシャ人、美味しいものを考えた。ホワイトソースとトマトソースのダブルソースがよく合うのだ。イタリアのラザニアとはまた違う。
右のコロッケみたいなのは、ケフテダキャと呼ばれる揚げミートボールをアレンジしたものだ。 通常はひき肉を使うところを、白身魚を使っている。 白身魚を砕いて、刻んだタマネギ、たっぷりのパン粉、塩、コショウ、コンソメの素を加えて、冷蔵庫で1時間寝かす。 それを丸めて小麦粉をまぶして、オリーブオイルで揚げ焼きにしたものだ。 本場のものはけっこうスパイスとハーブを効かせるらしい。お弁当の定番おかずでもあるんだとか。
左奥は、魚介類のピリ辛トマトソース煮になっている。 これはギリシャ料理でなんと呼ばれているものなのか知らない。タコとイカとトマトをたくさん食べる人たちだから、この料理は必ずあるはずだ。 ムサカを作ったときに使ったトマトソースを流用して、それに豆板醤で辛く味付けをして、イカ、タコ、エビを煮込んだ。タバスコを使おうと思ったら持ってなかった。
その他の代表的な料理としては、炭火焼きした肉の串焼き「スーヴラキ」、揚げたイカにレモンをかけて食べる「カラマラキア」、たらこなどにマッシュポテトやオリーブオイルを混ぜ込んだ「タラモサラタ」、キャベツなどの葉で肉や米などを包んで蒸した「ドルマデス」などがある。基本的には日本人の味覚にも合う料理が多いという。サラダもよく食べるようだけど、ドレッシングがあまり発達していないようで、そのあたりは物足りないという人が多いみたいだ。
今回、ギリシャ料理もどきを作って、ギリシャについて勉強したことで、これまで近いようで遠かったギリシャという国に少し近づけた気がする。ギリシャ人というと、過去の栄光を忘れられずに哲学者のように難しい顔をした国民といったイメージがあったけど、どうやらそれは間違っていたようだ。苦労を重ねた歴史の中でも独自性を失わなかったのは、天性の楽天的な性格ゆえなんじゃないか。考えてみると、地中海の気候でロシア人のような気質になるはずもない。ギリシャ人は意外にもイタリア人に近いらしい。ヨーロッパにおけるギリシャ人の一般的な位置づけは、素朴で真面目、というものなんだとか。食べることが好きな国民性というのも、今回初めて知った。 その国を知るには、その国の人が何を食べているかを知るというアプローチ方法もある。イギリス人が面白くなさそうな顔をしているのは、美味しいものを食べてないからだ、なんて言ったらイギリス人は怒るだろうか。フランス料理の趣味性とフランス人の享楽的な部分は共通するものがあるし、人生を楽しもうとするイタリア人が作る料理には食べることを楽しもうというメッセージがある。和食の繊細さは日本人気質そのものだ。 来週の日曜日は、北京オリンピックの最終日だ。ここはやはり中華だろう。それも北京料理にこだわってみるのもいい。北京料理の特徴とは何かも勉強する必要がある。北京ダックだけは家庭では無理だけど、それ以外で何か作ってみることにしよう。
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