雨の長久手花火大会

  • 2011/08/23 21:00
  • Category: 花火
長久手花火-1

PENTAX K-7 + DA16-45mm F4



 土曜日は長久手の花火だった。一日小雨が降り続いていて、本当に開催するのかどうか半信半疑だった。サイトを見ると予定通りやるとあったので、行ってみることにした。
 雨降りでは晴れているときのような写真は撮れないだろうけど、どういうふうに撮れないのかを知っておくのも意味があるだろうし、自転車で30分の近場ということもあった。
 場所は長久手役場の北西で、土地勘があるところだったので、打ち上げ場所に近いところに陣取った。いや、行ってしまったというのが実際のところで、打ち上げが始まってすぐ、近すぎて失敗だったことに気づいた。もう手遅れだった。
 このあたりは一面田んぼ地帯で、向こうに町明かりがポツポツ見えているというシチュエーションだ。空だけがバックの花火写真はあまり好きではない。打ち上げ風景として撮るのが好きなので、なんとか横位置で撮りたいというのがある。しかし、横にすると高く上がった花火が入りきらない。前半は非常にまごついた。雨も降り止まない。
 花火数は2,000発と、ローカル花火大会にしたら立派な数だ。例年だと3万人程度の見物客が訪れるという。
 今年は雨ということで、観客の数はずいぶん少なかった。おかげで、前後左右に気兼ねなく撮れたのはよかった。

長久手花火-2

 どうやっても花火がはみ出してしまうので、町明かりはあきらめて、花火だけ撮ることにする。
 でも、それじゃあ、面白くない。場所を変えたいけど、雨は降ってるし、途中で場所を変えるといいことはないというのは経験的に学んだ。

長久手花火-3

 こうなったら合成しかない。やってはみたものの、これはやりすぎだった。
 少し離れた何箇所に分けて打ち上げてくれると、こんな写真も撮れるのだけど。

長久手花火-4

 打ち上げが続く中、なんだかだんだん煙が溜まりだした。雨が要因なのか、湿度の問題なのか、煙が全然流れていかない。風がなかったからだろうか。

長久手花火-5

 しまいには花火大会ではなく、煙大会みたいになってきた。煙の向こうにぼんやり花火が見えるだけになった。

長久手花火-6

 低い位置の花火はやや見えた。
 一体どうなってしまうのかと心配になる。このまま最後までいってしまうんじゃないかとも思った。

長久手花火-7

 そうこうしてたら、今度は雨が強くなってきた。レンズにタオルをかけて、傘を差しながら撮ってはいたのだけど、花火に近い分、レンズを上に向けているので、いつの間にか水滴がついてしまっていたようだった。気づかないまましばらく撮り続けていた。
 雨脚が強まったせいか、煙は消えて、花火はよく見えるようになった。

長久手花火-8

 雨はまた小降りになり、煙も消えて、空がクリアになった。
 レンズの水滴も拭きとって、ここからが本番のようなものだった。

長久手花火-9

 収まり切らないもどかしさから横位置をあきらめた。後半は縦位置で撮った。

長久手花火-10

 縦位置なら大きな花火もすっぽり収まる。
 けど、打ち上げ花火風景としての広がりはなくなる。

長久手花火-11

 終盤は落ち着いて撮れた。
 これで花火大会を10回くらいは撮ってると思うのだけど、毎回セッティングや構図が決まるまでに時間がかかる。

長久手花火-12

 前半は雨の中で失敗したかなと思った。後半になって、やっぱり来ておいてよかったと思い直した。雨の中での花火撮りを経験して、あれこれ分かることもあった。

長久手花火-13

 派手に重ねたやつも一枚。
 レイヤーについても、ようやく理解できてきた。

長久手花火-14

 違う仕上げを試みてみる。暗めにして、明瞭度を落とすと、繊細で渋い仕上がりになる。

長久手花火-15

 別仕上げをもう一枚。
 こういう表現もありだということが分かったのも、今回の収穫だった。

長久手花火-16

 最後は余韻で締めくくり。

 今年の花火大会はこれで終わりかなと思う。延期になった四日市花火にも惹かれるものがあるのだけど、その日は、どまつりがある。
 豊橋の手筒花火も、行けるかどうか。
 今年のレベルでは、花火撮りはこれくらいが精一杯なのだろう。来年までにもっと撮れるようになっていなくてはと思う。

まきわら船を追いかけて終わった濃尾大花火

  • 2011/08/18 00:16
  • Category: 花火
濃尾大花火-1

PENTAX K-7 + DA16-45mm F4



 14日の日曜日に、濃尾大花火を撮りに行ってきた。
 愛知県の一宮市と、岐阜県の羽島市が共同で行っている花火大会で、木曽川に架かる濃尾大橋のたもとから打ち上げられる。
 100年以上の歴史がある花火で、1892年(明治25年)に、木曽川東岸の愛知県中島郡起村で始められたものが今に続いている。木曽川の恩恵に感謝するため、水天宮に奉納する川祭りとして始まったのだそうだ。
 起町(もとの起村)が朝日村と合併して尾西市となってからは、尾西市市民花火大会として行われていたものなので、そちらの名前に馴染みのある人の方が多いかもしれない。
 羽島市と共催になったのが1993年で、尾西市が一宮市に編入された2005年から、現在の濃尾大花火という名称になった。
 共催となってから規模が大きくなり、東海地方では珍しい20号(2尺)玉が上がる大会として知られている。

 地図を見ると、名鉄尾西線の奥町から歩いていけないことはないことを知る。それで行くことが決まった。
 一宮以北の尾西線などというものは、こんな機会でもなければ乗ることはまずない。せっかくなので、尾西線を撮るというのも目的としてみた。
 がしかし、本末転倒とはこのことで、奥町駅で降りて、終点の玉ノ井まで歩きながら尾西線風景を撮っていたら、それだけでもう8割方満足してしまった。花火大会が始まるぎりぎりまで撮っていて、花火撮りはついでのようになってしまったのだった。
 おかげで、今ひとつ気合いの入らない写真になった。現場に着いてすぐに打ち上がるようでは、花火撮りとしては大遅刻だ。いい場所など残っているはずもない。
 その分、尾西線はしっかり撮れたので、充分収穫はあった。そちらの写真も近いうちに紹介できると思う。

濃尾大花火-2

 五艘のまきわら船が川に浮かぶというのもこの大会の特徴で、ぜひそれを入れて撮りたいと思っていた。
 土手沿いに場所を探しながら歩いていたら、まきわら船がいた。ちょっと遠いけどここに決めたと、とりあえず手持ちで一枚撮影して確認した。
 それから三脚やレリーズをセットして、さて撮るかと顔を上げたら、ん? まきわら船は?
 知らない間に下流に移動してしまって、影も形もなかった。なんたることか。
 今更場所も移動できないので、しばらくここで撮ることにして、ある程度撮ったところで場所を変えることにした。
 しかし、結果的に、まきわら船にこだわったのが失敗となった。人波の中をじりじり歩いてやっとのことで船を見つけたら、そこは場所取り激戦地域で、とてもではないけど三脚を持って入り込めるような状況ではなかった。人の多さに引き返すにも引き返せず、7時半に始まって8時45分までの大会が、私にとっては8時で終わってしまった。
 奥町駅から玉ノ井駅まで沿線を行き、尾濃大橋の東から土手を南下して濃尾大橋まで移動し、東に進路をとって、三条賀交差点を北へ曲がって奥町駅まで戻るという道のりを歩くことになった。土地勘のある人なら分かると思うけど、花火大会でこんなに歩く人はいない。10キロは歩いた。明治村行きの翌々日のことだ。

濃尾大花火-3

 打ち上げ花火も、ずっと撮っていると飽きてくる。単調で変化がなく、レリーズを5秒前後で機械的に押す作業になるから。
 場所とセッティングさえ決まってしまえば、30分でも長いと感じるくらいだ。
 今回も実験的に撮ることはしなかった。ずっとまきわら船のことが気になっていた。

濃尾大花火-4

 やや退屈を感じつつも、ぼぉーっと花火を見ているのはやはりいいもので、なんとなく時間や場所の感覚が麻痺してくる。それがまたいいところだ。

濃尾大花火-5

 20号玉は、8時に1発、15分に1発、30分に1発で、最後の45分に3発打ち上げられるというプログラムだった。
 そんなことは知らないものだから、完全に立ち後れた。
 想像以上の高さと大きさに、画面から大きくはみ出してしまい、あわててズームを引いて撮ったときには名残しか写らなかった。
 それでも、通常サイズの花火と比べてその大きさが分かると思う。普通のものがミニサイズの花火みたいに見える。
 2発目以降は、移動している最中で、目では見たけど撮ることはできなかった。
 最後の方のスターマインも、ナイアガラも撮れず。

濃尾大花火-6

 こんなふうに地味で繊細な仕上げの花火写真も好きだ。

濃尾大花火-7

 すごく基本的なことなのだけど、打ち上がっていく軌跡を撮らなければいけないということに、あらためて気づいた。今までその部分をあまり意識していなかった。
 打ち上がる直前からシャッターを開けて、花開いたら早めに閉じるくらいでいい。状況によってはオーバー露出になるから、絞りもf8からf14くらいまで、状況に合わせて変えていく必要がある。

濃尾大花火-8

 もう少し川面の反射がよく入るところで撮りたかった。川岸の木なのか、手前の障害物が多くて、視界が完全に開けている場所は少ない。何度も撮りにいっている人はそのあたりのことも分かっている。

濃尾大花火-9

 最後は重ねまくりの一枚で締めくくりとしたい。
 大きな花火大会は、これが今年最後になりそうだ。もっと撮れたはずなのにという心残りもありつつ、また来年の楽しみとしよう。
 去年、今年といくつかの花火大会を回って、ある程度状況は掴めた。それを次回に活かしたい。
 最高の場所さえ与えられたら最高の写真を撮ってみせるのに、と思っている人は多いはずだ。けど、その最高の場所を取るのが難しいんだよなぁ。

うろうろ豊田おいでんまつり花火大会

  • 2011/08/03 23:47
  • Category: 花火
豊田おいでん-1

PENTAX K-7 + FA 50mm f1.4 / TAMRON 10-24mm



 日曜日に、豊田おいでんまつりの花火大会へ行ってきた。
 東海地方最大級の花火大会ということで、さすがに大混雑していて、ちょっと大変だった。毎年30万人を超える見物客が訪れるということなので、楽ではないと覚悟はしていた。行き帰りの列車も、なかなか厳しいものがあった。
 打ち上げ数が1万発を超える花火大会はこの地方ではあまりなく(今年は1万2000発)、全国的に知られる花火師の良作がたくさん打ち上げられるということで、花火好きの間で評判がいい大会だそうだ。
 5号から10号といった大玉も多く、日本煙火芸術協会作品も打ち上げられる。
 プログラムの後半は、メロディ花火あり、ワイドスターマインありで、フィナーレはナイアガラ大瀑布で締めくくられる。 
 とまあ、そんな花火大会なので、私としては楽しみ半分、半分は及び腰だった。いいところは前日の朝6時から場所取りが始まり、それはそれは熾烈を極めるという話を聞いていて、それだけでももうダメだと思ってしまった。有料席は、一番安い椅子席でも4,000円ということで、そこまではちょっとと思ってしまう。
 今回が初めての参戦だったので、とりあえず様子見という気持ちもあった。

豊田おいでん-2

 駅を降りて東へ向かう人波に逆らい、西へ向かった。
 目指したのは事前調べで目をつけていた穴場スポット、毘森公園だった。
 しかし、こちらもよく知られた場所らしく、公園前の道路や病院の玄関前など、しっかりみなさん座って準備を完了していた。それでも、混雑しているほどではなかったので、そこからでも撮れたのだろうけど、思っていたよりも距離があって、空が狭かった。下の部分の街並みも良いロケーションとは思えなかったので、そこはやめにした。
 もう一度駅まで戻り、やはり東へ向かうことにした。
 花火開始時間は7時10分とあったのだけど、最初に数発試し打ちをして、その後沈黙してしまった。どうやらプログラムの開始は7時半からだったようだ。

豊田おいでん-3

 中心部はさすがに混んでいて入り込む余地はないだろうということで、進路を北にとった。
 歩いている途中で、本番が始まった。
 ビルのガラスに映った花火を撮る。

豊田おいでん-4

 手持ちで撮りながら、どこか良い場所はないかと探し歩いた。
 黒漆に金粉を振ったような夜空だ。
 和の渋い美を見た。
 手持ちでも花火はけっこう撮れるもので、手ぶれ補正があればシャッタースピードを1/4とか1/10くらいでも面白い写真になる。最初から最後まで三脚に立ててバルブ撮影すると、全部似たような写真になるから、どこかで手持ちで撮ってみると変化が出ていいと思う。

豊田おいでん-5

 花火を見るだけなら、街中でも、道路脇でも、どこからでも見えるから、場所を選ばない。ただ、花火を撮るとなると、適当な場所は限られる。ビルで遮られたくないはないし、電線が邪魔をする。
 8時前になって少し焦った。列車の都合で8時半には会場をあとにすると決めていたから。

豊田おいでん-6

 歩き歩いて流れ着いたのが、高橋のたもとの土手だった。かなり人が集まっていて、視界も開けていたので、もうここしかないといったんは三脚を立てて撮り始めた。
 けど、どうも面白くない。街明かりも見えないし、風景に変化がなさすぎる。
 すぐにその場所を立って、更に移動することにした。

豊田おいでん-7

 最終的に腰を落ち着けたのは、高橋の上だった。
 ずらりと人が並んではいたものの、ところどころにスペースが空いていて、すんなり入ることができた。
 豊田スタジアムと豊田大橋が見えて、矢作川に花火の色が映り込む。ここはいいではないか。気に入った。
 ちょっと問題だったのは、橋を人が歩いたり、大型車が通ったりすると、微妙に振動するところだ。まあしかし、贅沢は言っていられない。何しろもう、残り時間は30分を切っていた。

豊田おいでん-8

 個人的な失敗としては、超広角を持っていってしまったことだ。広角ズームと迷って、超広角にしたのが裏目に出た。思ったよりも距離があって届かなかった。50mmでは狭すぎて、その中間の25mmから35mmくらいが欲しかった。
 コンディション的な問題としては、雨の予報を覆して降らなかったのはよかったのだけど、途中で風がやんでしまい、煙が流れなかったことだ。風が強いと花火が流れてしまうし、風がないと煙がたまってしまう。微風くらいが一番いいのだけど、こればかりは自然のことなのでどうしようもない。

豊田おいでん-9

 打ち上げ花火の30分など、すぐに過ぎてしまう。今回は露光間ズーミングやピントずらしなどを試そうと思っていたのに、そんな余裕はまったくなかった。早くも撤収時間となってしまい、この場所をあとにして、駅へ向かって歩き出した。

豊田おいでん-10

 現場ではあれこれ試せなかったので、帰ってきてからレイヤー重ねに初挑戦してみた。
 レイヤーは今までやらなかったというよりやれなかった。今ひとつ理解できていなかった。勉強をして、やってみたら、意外と簡単だった。
 一番上の写真は、レイヤーで10枚重ねている。ちょっとやりすぎだけど、実際に見る花火の感動に比べたら、こでもまだまだ全然足りない。
 ホタルと花火は重ねてなんぼという気もする。
 レイヤー重ね前提の撮り方もなんとなく分かったし、次のチャンスがあれば、もう少し上手くできると思う。

 場所探しに時間がかかって、撮影があまり満足にできなかったのは少し残念だったけど、まずは行けたことでよしとしたい。別の花火大会や、来年の豊田おいでんまつりにもつながる。
 来週は岡崎の花火だけど、これは去年行ったから今年は行かない。犬山の日本ライン夏まつりは行けたら行きたい。近場の長久手は自転車で行けるからたぶん行くと思う。
 今年中に、もう少し撮れるようになりたい。

岡崎花火大会の消極的な楽しみ方 <後編>

  • 2010/08/09 03:20
  • Category: 花火
岡崎花火2-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 / PENTAX-M 50mm f1.4



 岡崎の花火会場に到着したのは、始まって少し経った7時15分頃だった。
 すでに見物客はスタンバイを完了していたものの、やはりここは人が少ない。穴場情報は本当だった。
 岡崎の花火は、乙川河畔と矢作川と、2ヶ所で同時に打ち上がる。メインの会場は乙川の方で、あちらはものすごく大混雑をするという話を聞いて尻込みした。以前、戸田橋花火でえらい目にあったことがあって、もう一度あんな体験をするのは避けたかった。混雑は行きよりもむしろ帰りが強烈で、怒声が飛び交う殺伐とした雰囲気に包まれるのがなんとも嫌だ。せっかくなら花火を近くで撮りたいけど、なるべく平和に見たいという気持ちの方が強かった。
 矢作川河畔は、比較的空いていて、両方の花火が見えつつ、ゆったりしているというので、そちらで見ると決めていた。
 右岸でも左岸でも見えるということだったけど、帰りのことを考えて左岸にした。地図で見ると川の右側だ。
 できるだけ混雑を避けることを優先して、行きの電車は名鉄の矢作橋で降りた。東岡崎の混雑は猛烈らしいので、あそこだけはやめた方がいい。特に帰りが危険だ。
 矢作橋から見物ポイントまでは2キロくらいあって、少し時間がかかった。私が見たのは、町名でいうと八帖南町1の土手だった。もっと南まで行くと、矢作川の打ち上げポイントに近くなるけど、たぶん、近づくほどに混んでいるのだと思う。
 帰りは花火大会が終わる20分前に腰を上げた。終わった直後に帰ろうとすると、人の渋滞と電車に乗るための待ちですごく時間がかかる。とにかく名鉄は混雑がひどいので、中岡崎駅から愛知環状鉄道に乗って岡崎まで行き、岡崎からJRに乗り換えて名古屋に帰った。それでも、愛知環状鉄道は朝のラッシュ並みのすし詰めだった。JRまで出てしまえば、普段と変わらない。
 岡崎の花火は8月の第一土曜日の一日限りで、今年はもう終わってしまったけど、来年以降の参考にしてもらえればと思う。こんな消極的な楽しみ方もあるということで。

岡崎花火2-2

 まだ空に明るさが少し残っている頃の花火。撮るにはやはり空が暗くならないとよくない。
 岡崎の花火は、夕方の6時50分から9時までの2時間10分、ほぼ休みなしに淡々と打ち上がる。ナレーションや音楽などの演出が増える中、昔ながらのスタイルを守っている。
 打ち上げの数は、今年は未公開だった。毎年のように見ている人の話では、昔の方がもっとすごくて、最近はだいぶおとなしくなったとのことだ。打ち上げ花火も景気に左右されるものだ。

岡崎花火2-3

 今どきは、たまや〜、かぎや〜、などとかけ声をかける人はいない。カップルがふざけて言うくらいだ。
 玉屋の方がよく知られているけど、本家は鍵屋だった。江戸時代の初期、奈良県吉野出身の初代鍵屋が江戸に出て成功して、江戸の花火を一手に担った。玉屋はのれん分けをしてもらった番頭の清七が名乗ったもので、たちまち人気が出て、鍵屋を追い抜いてしまった。隅田川の上流と下流で、それぞれが競うように打ち上げ花火を上げて、見物人たちはひいきの方の名前を叫んだ。たまや〜、かぎや〜、と。
 玉屋も鍵屋も、直系は途絶えてしまったものの、両方とものれん分けで現在まで続いているそうだ。
 花火は鉄砲などの火薬が発展したもので、最初に花火見学をしたのは徳川家康と言われている。当初は単純に吹き出し花火で、その名残が手筒花火として三河地方に今でも伝わっている。岡崎は家康の出身地で、三河花火の本場だ。
 岡崎の花火大会は、戦後まもない昭和23年に始まって、今年で62回目を迎えた。
 日本最古の花火大会は、言うまでもなく両国の花火(隅田川花火大会)だ。今年も相変わらずの大人気だったことだろう。一度見てみたいけど、岡崎の45万人に対して倍以上の95万人と聞くと、それだけで気力が萎えそうだ。

岡崎花火2-4

 こちらは矢作川河畔から見る乙川の花火。建物が邪魔で街明かりも写り込んでしまうから撮影向きではないけど、見るだけなら充分見られる。
 すぐ横を名鉄本線が走っているから、電車も一緒に写し込みたかった。長時間露光で光の線になってしまったけど、工夫次第では電車と花火の両立はできるかもしれない。

岡崎花火2-5

 乙川の方が色遣いが多彩で、凝った花火が多い。花火重視なら、やはり乙川近くに陣取るべきだろう。

岡崎花火2-6

 連続する花火を長時間露光で撮ると、露出オーバーで光が単色の白になってしまう。
 今回でいろいろ掴んだ部分もあったから、これを次回にいかしたい。

岡崎花火2-7

 露光時間は必要最低限で短い方がいい。そのために絞りを調節する必要がある。基本はF8くらいでも、固定していていいわけではない。花火によって開放に近いくらいにした方がいい場合もある。
 露光時間が短い方が暗闇の部分の黒が締まる。街明かりも少なくなる。

岡崎花火2-8

 花火撮りは通常、横位置で撮るものだけど、花火だけを撮る場合、縦位置の方が向いていることに気づいた。花火は丸いという思い込みは必ずしも正しいものではなくて、打ち上がる軌跡も入れると縦長になる。そうなると、横位置では左右に無駄なスペースができる。縦位置の方が無駄がない。

岡崎花火2-9

 縦位置に気づくのがやや遅かったものの、気づいたのは収穫だった。これも次にいかせそうだ。

岡崎花火2-10

 花火は当然、煙が出る。煙も味といえばそうなのだけど、どういう条件が良い条件なのだろう。風はある程度強い方がいいのか、まったく無風の方がいいのか。
 ときどき、煙が光に照らされて、オーロラのようにきれいだった。

岡崎花火2-11

 朧の花火。
 余裕が出てきたら、わざとアウトフォーカスにするとか、いろんな表現方法を試すのもいい。
 花火撮影はわりと単調でだんだん飽きてくるから、いろいろアイディアを持っている方が楽しめる。
 黒い紙で覆う多重露光のやり方も、今後の課題として残った。

岡崎花火2-12

 写真として成立するぎりぎりの暗さ。絞り染めの模様のようだ。

岡崎花火2-13

 そろそろ切り上げる時間になった。名残惜しい気持ちを残しつつ、会場をあとにした。

岡崎花火2-14

 帰り道に手持ちで撮った一枚。
 近所の人たちは家の前に椅子を並べて、家族や友達たちと花火見物をしていた。そういう光景も含めて、日本の夏を感じた花火大会だった。
 ちょっと大変だったけど、面白かった。また行きたいという気持ちになった。この夏にもう一度くらいどこかへ撮りに行きたいと考えている。

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