
OLYMPUS E-10+C-PL, f2.2, 0.5s(絞り優先/三脚)
銀塩を買った。 といっても、銀色をした塩を買ったわけではない。銀塩カメラだ。えーと、つまりデジタルじゃないフィルムのやつ。
何故今になってデジタルではなく銀塩なのかといえば、そこには深い理由があるようでない。気の迷いかもしれない。単に安かったからというのが主な理由だったりもする。 レンズ交換式デジタル一眼だと一番安いものでもオークション相場で3万5,000円はする。レンズも必要だから全部で約4万。それに対して銀塩だと、レンズセットで3,000円くらいから買える。安っ! もちろん、フィルム代とか現像代とかを考えるとランニングコストがかかりすぎて経済的ではないのだけど、ちょっとだけ銀塩の一眼というものを使ってみたかった。そこにはそれなりの理由がある。
デジカメで撮っているとどうしても一枚が軽くなる。失敗してもいいように何枚もおさえのショットを撮るクセがついてるし、露出やホワイトバランスはRAWで撮ってあとからレタッチで現像すればいくらでも修正がきく。そういう気持の甘さが結果的に写真としても甘いものになってしまっているように思えたから。最近、特に。 そこで銀塩を使ってみて、もう一度基本に返るというか、一枚をもっと大事にしようと思ったわけだ。
買ったのはEOS650。なんとこれ、EOSの初号機ですぜ、ダンナ。イカすでしょ? と、何故か口調が古めかしくなる私。昭和っぽい。 それもそのはず、このEOS650の発売は1987年、昭和62年なのでげすよ。 ……。 口調を戻そう。 我ながらよくぞそこまでさかのぼったと思うけど、これも縁とタイミングで、欲しいと思ったときにたまたまそこにあったからこれになっただけで、特にこいつに思い入れがあるわけではない。EOS kissへと至る系譜の原型を知っておくのもいいかなという思いも少しはあったけど。 レンズが付いて3.700円。EF35-135mm F3.5-4.5のレンズが3,000円で本体が700円って感じだろうか。それにしても安いな。中学生のひと月のおこづかいでも買えてしまう。
早速これを持って、街に出てみた。 そしてパシャパシャ撮ったかというとそうではない。何しろフィルム24枚撮りだから、1枚が重いのだ。重すぎる。現像とCD-R焼き付けで1,000円ってことは、シャッター1回につき40円かかることになる。高けっ! そう考えるとうかつに押せなくなる。ファインダーをのぞいて、シャッターボタンに置いた人差し指が凍り付く私であった。ああ、貧乏性。 高いというだけでなく、つまらないものを撮ってる場合じゃないとか、失敗できないという重圧がかかり、ホントに撮れなくなってしまったのだった。結局、名古屋城や中心街を車で走って撮ったのは、たったの5枚というていたらくだった。少なっ! デジカメなら何も考えず50枚は撮ってただろう。 こんなちびってるようではいつになったら24枚フィルムが終わるか分かったもんじゃない。もう少し頑張ってシャッター押そうよ私、と自らを励まして銀塩一日目は終わった。
ああ、銀の塩、どうしてあなたは銀の塩なの? 早くも銀塩を卒業したくなってしまった私に銀塩が微笑んでくれる日は来るのだろうか? 明日に向かって撮れ。
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