
OLYMPUS E-10+C-PL, f2.4, 1/10s(絞り優先)
借りてる月極駐車場の片隅に出現した天然のコケ庭。天龍寺の庭をつくった夢窓国師もびっくり。 するかどうかはともかく、私を感心させるには充分だった。こりゃいいや。秋のタンポポが彩りを添え、チョロチョロ生えてる小さな草と、シュシュッと縦に伸びてる猫草みたいなやつがアクセントをつけている。アスファルトの上に天然に出来たコケ庭としては上出来だろう。
去年、野草に関心を持つようになって、その流れでコケが私の中で静かなブームとなった。にわかコケ野郎となった私は、あちこちでコケ写真を撮り、それだけでは満足できず、コケ玉を買い、あげくは外に生えてるコケを引っぱがして持ち帰るという所行にまで及んだ。 しかしながら、コケは思った以上にデリケートな生き物だった。こちらの情熱とは裏腹に、蘭付きのコケ玉は早々に枯れて茶色になり、外からはがして持ち帰った自然のコケは小さな虫がうごめいてきて慌てて返しに行く始末。悲しい片思いのまま、にわか苔ブームは冬と共に去ったのだった。
知識もなく、勉強もしないでコケを育てるのは難しいらしい。あまり陽の当たらない湿ったところがいいんだろうと思い風呂場に置いておいたら、どうもそれでは風通しが悪すぎてダメなようだったし、かといってベランダは西日が当たるし寒いしでこれもよくない。部屋の中は見てるとこっちがじめっとしてきそうでイヤだった。 置き場所に困って台所に置いておいたのだけど、いっこうに元気になる様子もなく、ついに枯れ果ててしまったのだった。コケの気持ちが最後まで掴めずじまいな私。 しかし、コケがすくすく元気に育つ家ってのも、考えたらちょっとイヤかも。どんな環境だよ、それ、と思う。まるで万年床からキノコが生えてきた6畳一間のアパートみたいだ。そんなにうちは湿ってないぞ。
そんなわけで、コケ育成はあれ以来きっぱりあきらめて、コケは外で見るものだと思うことにした。この駐車場や森なんかで。 今後もあちこちで見る機会があるだろうから、また写真も撮っていきたい。コケの緑は心和むものがあって好きだ。熱帯魚水槽に付くコケは嫌いだけど。 探してみると意外と身近にあったりするから気をつけておくといいと思う。わざわざ京都の天龍寺や祗王寺あたりまで出かけていかなくても近所で見つかるだろう。 もし、どこかの街の日陰で、しゃがんで嬉しそうにコケを撮っている男がいたら、それは私である確率がかなり高いです。でも、そんな姿を見かけても、おい、そこのコケ野郎、などとヤジを飛ばしてコケにするのはやめてくださいね。 ん? 苔にする? 違う、違う、それを言うなら虚仮にするだろう。 虚仮って何だ?

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