
Canon EOS650(フィルム)+EF35-135mm(f3.5-4.5)
はるか大昔からある(ような気がする)町のジーンズショップ。ずっと以前、気まぐれに2度か3度入ったことがあるような記憶があるけど、たぶん買ったことはない。 少し前通りかかったとき、店内を見ると一家総出で黄色い紙に何か書いてるような様子があったので気になっていた。どうやらこれを一所懸命書いていたようだ。
閉店セール。それが派手であればあるほど、そのやけっぱちめいた威勢のよさがかえってもの悲しさを誘う。 車で通るとき、よく頑張って続けてるなと感心しつつ安堵していたのだけど、とうとうこの日が来てしまったか。 「店じまいセール」、「売り尽くし」、「80%OFF」などの文字が躍り、やる気充分という感じだ。遠くからパッと見た感じは。しかし、よくよく見てみると、張り切りすぎて若干気合いが空回りしてることに気づく。 「ジャジー 1,000円」 「レデイスコール天 2,000円」 惜しいっ。 「上下 5,000円」は何の上下なのかよく見えないのだけど、何にしてもちょっと高くないだろうか? そんなことない? 売り尽くしたいお店側の気持ちとは裏腹に、このゆるい感じが買う側の脱力感を誘う。 全部売れたらいいなと思うけど、昔からのよしみで何かひとつ買っていっておくれよと頼まれたら困ってしまう。スタジャンみたいなの900円で買っても着られないし。中学生のときなら嬉しかったかもしれないけど。
うちの近所でもここ10年くらいで個人経営の店がずいぶん姿を消した。わりと大手のチェーン店などもなくなって、最近やけに不便になったと感じている。本屋、古本屋、ホームセンター、レンタル店、ディスカウントショップ、ほかほか弁当など、歩いて行ける距離にあったのがなくなってしまったのが痛いところだ。 洋服関係の個人店は相当厳しいだろう。かつては大型店に客を奪われ(このあたりではトリイとか)、今はそれに加えてユニクロなどの安売り店、アウトレット、ネットショップ、個人売買のオークションなどが更に追い打ちをかけている。ブランドものを扱ってるところはまだいいとしても、この写真のようなお店はどうにも将来が見えない状況だ。いっそのこと高齢者層にターゲットを絞った方がよくないだろうか、などとと紅白歌合戦にするようなアドバイスを送りたくなってしまったりもする。 などということを、信号待ちの2分くらいの間に考えたのだった。写真を撮りつつ。 あまり長くとどまっていると切なくなりそうだったので、信号が青に変わったところで気持ちを切り替えて店の前を後にした。100円ショップに向かうために(ダメじゃん)。
あなたがもしこの店の前を通りかかったなら、ぜひ何か買ってみてください。私からもお願いします。ジャジー1,000円などいかがですか? メンズコール天もありますよ。 この冬はウォームビズということで、下はコール天のラッパズボン、上はとっくりセーターとチョッキにジャンパー、仕上げはオーバーに首巻きというナウでヤングなファッションで決めてみてはどうだろう? インナーにはらくだの股引も忘れずに!
でもこの店、案外このまま何年もずっと閉店セールを続けることになるのかもしれない。そんな店もけっこうある。売り尽くしセールなんだから、売り尽くすまでやって欲しいというのが個人的な願いだ。

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