現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
暖かい日本の冬にようこそ、コガモくんたち 2005年11月25日(金)
2005年11月26日 (土) | 編集 |
流れの前のコガモ

Canon EOS D30+EF75-300mm(f4-5.6), f5.6, 1/20s(絞り優先)


 季節は冬。近所の矢田川にもたくさん渡り鳥の姿が見られるようになった。
 これはコガモのカップル。手前がオスで、奥がメス。
 ん? でもなんか衣装が違うような?
 頭の茶色と深緑のツートンからしてコガモであることは間違いないと思うんだけど、体はこんな色と模様だったかな。灰色で黒と白の横線が入ってるのがコガモの正装のはずだ。こいつは茶色のまだらで線が見あたらない。もしかして亜種か何かだろうかと調べてみたけど、アメリカコガモでもなさそうだ。縦線も入ってないから。
 考えられるのは、まだ羽が夏羽から冬羽に変わりきってないということだ(エクリプス)。コガモくん、着替えの最中でしたか? 渡ってきたときはオスもメスに近い姿をしてるらしい。正装になる前の普段着はこうなのだろう(ということにしておこう)。

 コガモは一夫一妻制なんだそうだ。ということはこれも夫婦の可能性が高い。子育てを終えて、冬を越すために一緒に渡ってきたんだろうか。子供を置いて?
 彼らはユーラシア大陸や北アメリカ大陸中・北部で繁殖して、冬になると寒さを逃れるために両大陸の南部に渡って過ごす。日本にいるやつはシベリアあたりから来るのが多いという。
 シベリア……。なんて遠いところから。数千キロはあるだろうに。日本では川や池にいることが多く、いたってのんびり過ごしてるように見える。危険な長旅をしてきた旅のツワモノには見えない。

 何故あえて危険を冒してまだ渡るのかといえば、実際のところは分かってないらしいけど、現実的な問題としてエサと子育てが主な理由だろうということだ。人間が子育てと物価を考えて都心から遠い郊外に引っ越したりするのと同じかもしれない(それはちょっと違う)。
 コガモの場合なら、夏場はシベリアの広大で肥沃な大地で子供を産んで育てた方が都合がよくて、冬は凍てついてエサが少なくなるあちらよりも日本の方が過ごしやすいということになる。なんでこんな寒い季節にわざわざこっちに来るんだと思ったりもするけど、彼らにしたら日本の冬は暖かいと感じているのだろう。
 その逆に夏だけ日本に渡ってくるツバメやカッコウみたいなのもいる。暑いのが好きなのもいるし、寒いのが好きなのもいる。カルガモやスズメみたいに四季に適応したやつもいる。

 カモと一口に言ってもいろんなやつがいるわけで、このコガモはカモの中で一番小さくて人間に慣れないやつだ。よく街中の池などで喜んで人にエサをもらってるのは、オナガガモやマガモやカルガモたちで、こいつらはそんなところにはめったに入ってこない。警戒心が強くて、人が近づくだけでも飛んだり泳いだりして逃げていく。
 かわいげがないと言えばそうなんだけど、野性味溢れるところがいいというコガモ・ファンも多いようだ。
 エサは水面に浮いている種子とか水面近くの水草なんかを食べてるらしい。カモというとみんな魚をとって食べてるようなイメージがあるけどそうでもない。
 カモなんて色と模様がちょっと違うだけでほとんど同じなんだろう、と去年まで私も思っていたけど、いろいろ個性や特徴があるもんだ。

 この冬は水辺でカモ・ウォッチがオススメです。カウンターを忘れずに持ってお出かけください。カモを見ながら手の中でカチャカチャとボタンを押していれば、100パーセント野鳥の会の会員と思われるでしょう!
 ただし、双眼鏡を首からぶらさげた本物の会員に話しかけられる恐れがあるのでご注意を!

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