現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
24時間働き続けるビジネスマン、もう5時から男とは言わない 2005年11月29日(火)
2005年11月30日 (水) | 編集 |
太陽のお尻

Canon EOS D30+EF75-300mm(f4-5.6), f5.6, 1/500s(絞り優先)


 今日こそ5時から男の太陽を捕まえてやろうと思ったのに、おい、ちょっと待っ---と声をかけたときには、ドアを出る背中がわずかに見えただけだった、みたいな。やられた、今日も捕まえ損なった。
 けど、やつは怠けたり遊んだりするために急いで帰ってるわけじゃない。すぐに反対側の世界で朝陽として仕事を始めなくちゃいけないのだから、責めるわけにもいくまい。この時期、向こうでは長い時間働かなくてはいけないのだ。24時間戦〜えますか? という懐かしいCMソングが頭の中でよみがえった。
 太陽は24時間働くスーパー・ビジネスマンだ。もしも叶うなら、リゲインの一本でも差し入れしたい。

 毎日のように見てる太陽だけど、私たちは太陽について意外に知らないんじゃないだろうか。あまりつき合いのない同僚やクラスメイトみたいに。たとえばその大きさとか年齢とか距離とかをとっさに質問されて答えられる人は少ないと思う。私もいつも行っているドラッグストアの推定身長175cmのレジ係の女の子についてよく知らないのと同じくらい太陽については知らないことが多い。いい機会だから、ちょっと勉強してみた。

 年齢は約46億才。地球も46億才で、太陽の方がちょっとだけアニキだけどそんなに違わない。寿命はあと50億年ほどで、人間で言うと40才くらいにあたる。まだまだ働き盛りだ。
 表面温度は6,000度くらいでたいしたことないなと思うと、中心は16,000度もあるからさすがに熱い。猛烈な核融合が起こっていて、それがエネルギーとなって地球に降り注いでいる。
 その働きっぷりはものすごく、これまで人類が消費してきた全エネルギーを1秒間に生み出してるほどだ。
 直径は約140万キロ。地球の109倍だから、やはり大きい。
 重さが地球の33万倍で、25日で一周回ってる。
 地球はそのまわりを365日で回ってるわけだけど、そのスピードは時速12万キロ。よく私たちは振り落とされないものだ。
 地球からの距離は約1億5,000万キロ。とにかく遠い。光の速さでも8分かかる。一番速い新幹線で60年、ジェット機で17年、自転車でいったら570年もかかってしまうからその間尻の皮がむけて大変だ。徒歩でいくと2,000年。そんなに長い距離は伊能忠敬でも歩けない。

 とにかくやたらにでかくて遠い太陽。
 しかしその実態はガスの集まりだったりする。ガスがなんでそんなに重いのかよく分からないけど、ほとんどが水素(92パーセント)で、残りはヘリウム(7パーセント)とか、少しの炭素、酸素、鉄で構成されている。
 最後はどうなるかというと、今よりも数百倍の赤くて大きな星になって、その後穴が開いた風船のようにプシューとガスを吹き出し、最後は縮んで白色わい星と呼ばれる小さな星となって一生を終える。燃え尽きて真っ白な灰になったジョーのように。
 その間に地球はすっかり飲み込まれて焼き尽くされ、ああ、あわれ一巻の終わりでありました、となる。もちろん、誰一人生き残ることはできない。

 少し太陽に興味が出てたでしょうか。だったら、明日、じっくり太陽を見つめてみてくださいね。
 って、ダメダメ、そんなことしたら目がいかれてしまう。サングラスも役に立たない。いいのは現像済み白黒フィルムだそうだ(カラーは不可)。
 ネガを目の高さで巻いて一周させ、後ろをセロテープでとめた手製の太陽メガネを作ることから始めたい。それをかけて太陽を見上げながら街中を歩くといいでしょう。きっと、道行く人が左右に割れて道を空けてくれることでしょう!

 キミはボクの太陽さ。
 まぶしくて見つめていられないよ。でもキミなしには生きていけないボクなんだ。
 そんな彼女もいましたっけね。
 あの子も、30年後には違う意味で直視できない。
 そんなときはさりげなく小さな声でこう言ってみよう。キミはボクの白色わい星さ。
 たぶん、伝わらないと思うけど。

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