 Canon EOS D30+EF75-300mm(f4-5.6), f5.6, 1/180s(絞り優先)
河原のコンクリート土手を散歩中のハクセキレイ。よろめくように早足で駆けていく。じっとしてるのが苦手で、いつもチョコマカ動いている。通知票に必ず「落ち着きがありません」などと書かれてしまうタイプだ。休むことなくエサを探して歩き回り、ピョンピョン跳ね、飛び、鳴いている。これじゃあ50分授業は受けられまい。カゴの中で飼われたらストレスで生きていけないだろう。オレって、ホントにインコに生まれなくてよかったな、と思ってるかもしれない。
ごくありふれた野鳥で、街中のいろんなところにいる。河原を歩けばたぶんどこででも見られるだろう。特にこの時期は多い。 よく見かけるといえば、これによく似たセグロセキレイがいる。これよりもっと黒いから区別はつきやすい。と思っていたら、私、どうも見分け方を間違っていたようだ。セグロは名前の通り背中が黒くて、ハクセキレイは灰色だと単純に思っていたら違った。ハクセキレイも夏場は黒くなるから、見分けるには顔を見ないといけないのだった。白い顔に黒いアイラインが入っていたらハクセキレイで、黒い顔に白いまゆげがあったらセグロセキレイだ。慣れれば、オセロの中島と松嶋を見分けるくらい簡単に見分けられるようになる。最近の私と言えば、鳥やら野草やらを見分けることに慣れてきたせいか、マナカナの区別さえつくようになった。すごいぞ、私。この調子でいくと、ヒヨコのメスとオスを見分ける達人にさえなれそうな気がする。 もうひとつの区別の仕方としては、セグロは水辺にしかいなくて、ハクセキレイは水のない街でも公園でも田んぼでもいるという点だ。鳴き声も、ハクセキレイがチュンチュンとかチチッという澄んだ声に対し、セグロはジジジッとやや濁る。歌い声は鳥羽一郎と山川豊の兄弟くらい違う(この区別は私もよく分かってない)。 名古屋では冬場になるとよく見かけるから冬鳥かと思ったら、むしろ夏鳥だという。1950年代は青森県や岩手県あたりでしか繁殖していなかったのが、だんだん南下してきて1960年代には山形県あたり、1970年代には神奈川県などの関東、1980年代には兵庫、広島あたりまで広がって繁殖するようになったんだそうだ。ただ、依然として西日本では冬鳥のイメージが強そうな気はする。名古屋あたりは微妙なところだ。ある程度はここらでも繁殖してるんだろうけど、一年中いつでも見られるという感じはしない。 世界的にみると、ユーラシア大陸の広い地域に分布している。一方セグロセキレイは日本の固有種だ。この2種類はテリトリーが少し重なるから、そこでは小競り合いが起こっているらしいけど、ハクセキレイはどちらかというと都会派なので、それほど大きな問題ではなさそうだ。おすぎとピーコのように年中いがみ合ってるわけではない。 日が暮れるとみんなねぐらに集まってきて、集団で夜を過ごす。門限には厳しい鳥たちだ。最近では街の街路樹だけでなく、繁華街の建物を寝床にしてる連中もいるという。なかなかたくましい。
野鳥に興味を持ち始めてしょっちゅう見るようになると写真を撮ることさえしなくなるけど、たまに、ホオジロハクセキレイやタイワンハクセキレイなどの亜種もいるそうだから、気をつけておくといいかもしれない。他にも、シベリアハクセキレイ、ネパールハクセキレイなどがいるらしい。 オス、メスの区別は難しい。オスに比べると背中の色が薄くて灰色っぽいらしいんだけど、冬場はどちらも灰色になるので、ますます分かりにくい。分かる人には分かるんだろうけど、そこまで分かってしまったら自分は野鳥の会の人ではないと言い張るのは難しくなる。それくらい常識だって、ははは、と笑って誤魔化そうとしてもダメだ。 若いときは体全体が灰色っぽくて、顔が黄色かったりする。初デートのときなどは、あれは第1回冬羽だな、などというつぶやきを相手に聞かれないように注意する必要があるだろう。 飛び方に特徴があって、パタパタっとはばたいて少し休み、またパタパタっとはばたいて休むという飛び方をする。波状飛行というそうだ。川の上なんかをそんな飛び方をしながら器用に飛んでいる虫を捕まえたりする。 エサは基本的に昆虫などの生き物だ。歩いたり地面をつついたりしてメシを探し回っていることが多い。雑食性じゃないから、人間が餌付けするのはたぶん無理だろう。小さい虫をいっぱい飼ってる人ならできるかもしれないが(それってどんな人だろう?)。
春から初夏にかけてが繁殖の時期だ。一夫一婦で4、5個の卵を産んで、オスメスで温めてヒナを育てる。都会では建物の中や軒下の狭い場所なんかでも巣を作ることがあるらしい。子育てのシーンも見てみたいところだけど、あまりそんな話は聞かない。関東から北の人たちにとってはけっこう見かけるものだったりするんだろうか。 北海道や沖縄と本州とでは生態系に違いがあるのは分かるけど、本州でも東日本と西日本と中部とでは微妙に違ったりすることを最近になって初めて知った。電気のヘルツが違うだけじゃない。日本列島が細長いことを知るのは桜前線だけじゃないのだった。
今年はどうも冬鳥にあまり会わない気がする。散策を怠けてるせいかもしれないけど、去年は普通に出会ったジョウビタキやツグミでさえ見かけない。今年の寒さが影響してるんだろうか。 ♪私の心が水ならば〜 必ず北から鳥が来る〜 鳥よ 鳥よ 鳥たちよ〜 鳥よ 鳥よ〜 鳥の〜詩〜♪ きっと今年冬鳥が少ないのは、杉田かおるが離婚したからだ。そういうことにしておこう。 寒い中、鳥を撮るためにじっと待っていると、「鳥の詩」と「池中玄太80キロ」を思い出す。私にもあの肉があれば、もっと暖かいんだろうか、と。でもあれは北海道の丹頂鶴仕様のボディーだとすると、内地ではこれくらいの肉でも我慢しなければいけないのだろう。そもそも、Tシャツ、セーター、ジャケットという格好が薄着過ぎるんじゃないのか? と、今一度自分に問いかけてみるところから始めたい。 鳥はあんなに薄着なのになんで平気なんだろう? 鳥肌が立っているところをみると、やっぱり寒いのかな?

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