現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
深い夜霧に包まれて迷子になった文章 2006年2月1日(水)
2006年02月02日 (木) | 編集 |
霧の中

FUJIFILM FinePix S1 Pro+TAMRON 28-200mmXR(f3.8-5.6), f3.8, 1/10s(絞り優先)


 昨日の深夜、ふと窓の外を見ると、見慣れた街並みは白の中に沈み込んでいた。デジのレンズが曇っていたわけでも、私のメガネ曇って食うもんなし! だったわけでもない。ものすごい霧だ。一体どうした? こんな光景初めて見たぞ。名古屋の郊外で、盆地でもなく川べりでもないこの街がこれほど深い霧に包まれてしまうなんてとても珍しいことだ。どういう理由だったんだろう。
 疑問に思ったことはその場で調べるに限る。そうしないと記憶力に難のある私の脳は、疑問そのものをすぐに忘れてしまうから。えーと、昨日の晩ご飯のおかずは何だったかな。ばあさん、朝飯はまだかい?

 まず驚いたのは、霧は雲だということだ。めったくの別人だと思ったら同一人物だった。状態の違いではなく、いる場所によって違う名前で呼ばれているだけで、同じものだというのだ。銀行の窓口にいる木下香織さん(仮名)は、夜のお店にいるときはレイナちゃんと呼ばれている、みたいな。だから、高い山に登ってる人が霧の中にいると思っていても、それを地上から見てる人は雲に見えるということになる。まさか、あの木下さんが……。いや、実際そんな人は知らないんだけど。
 霧にもいろいろ種類があるようだ。
 冬の晴れた日に地表から熱が放射されて発生する「放射霧」、暖かい湿った空気が低い温度の水や地面の上を流れることで生まれる「移流霧」、暖かくて湿った空気が冷たい空気とぶつかってできる「蒸気霧」、温暖前線の近くで雨が降って飽和状態になったところで発生する「前線霧」、山の谷を湿った空気が上昇して凍ることで生まれる「上昇霧」、内田裕也の奥さんでモッくんの義理の母親でもある樹木希林など(最後のは違う)。
 霧と靄(もや)の違いというのも今回初めて知った。1km先のものが見えたら靄で、1km先が見えなければ霧となるんだそうだ。

 ついでに霧と霞(かすみ)の違いも勉強しておくことにしよう。
 霧というのは水蒸気の固まりを意味するのに対して、霞は水滴やチリやホコリなどが原因で遠くがぼんやりしている様子を指すので、根本的に意味が違う。霧は自然現象で、霞は状態を表す言葉だ。
「遠くがかすんで見える」などというけど、霞というのは元々動詞の霞むから来ている。そして、もうひとつ知らなかったこととしては、霧も「霧る(きる)」という動詞が変化した名詞だということだ。霧が出てる状態を「霧っている」というように昔は使っていたらしい。
 季語としては、霧は秋の季語で、春の霧を霞と呼んで春の季語とし、夜の霞は朧(おぼろ)と呼ぶ。
 うっ、なんか受験勉強を思い出してきた。眠くなりそう。こんなときは仲根かすみの写真集でも見て気分転換だ。しかし何故か、もやいまさこの笑顔が頭に浮かぶ。おいおい、それを言うなら、もたいまさこだろう。ついに集中力は雲散霧消となり、思考は五里霧中。霧隠才蔵やゲームICO、霧の街ロンドンに霧の摩周湖などのイメージが浮かんでは消え、消えては浮かび、夜霧よ今夜も有難う。

 こんなふうに頭が混乱したときは海へ行こう。夜の港がいい。そして、埠頭の先で船をつなぐアレ(なんて名前なんだろう)に片足を乗せて肘をついたポーズで海を眺めよう。もしあなたが浅丘ルリ子に似ていたなら、そんな私に会いに来てください。目印はトレンチコートにソフト帽です。なるべく早くお願いします。やってもらうと分かると思うんだけど、あの姿勢、かなり疲れるんで長くは持ちませんので。オレは待ってるぜ。
 ♪そっと云うのさ〜 夜霧よ〜 今夜も〜 有難〜う〜♪
 霧笛が俺を呼んでいる。

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