 FUJIFILM FinePix S1 Pro+NIKKOR 70-300mm (f4-5.6D), f5.6, 1/350s(絞り優先)
最近川や池でカラスじゃない黒くて大きな鳥を見るけどあれはなんだろう、と思っている人がいるかもしれない。鳥に少しでも興味ある人にとっては知ってて当たり前だけどそうじゃない人は案外知らない鳥がいる。カワウ(川鵜)はその代表なんじゃないだろうか。そして鵜だと知ると、ああ、あれがそうなんだと納得するというのがありがちなパターンだと思う。ただ、鵜飼いで使ってるのはウミウ(海鵜)を飼い慣らしたもので、このカワウとは別の種類なのだけど。 冬の牧野ヶ池は水鳥のタコ部屋のようにいろんな種類のやつらが集まっていて、寄り合い所帯のようににぎやかだ。マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、コガモ、コサギ、アオサギ、アヒル、アイガモ、などなど。ミコアイサのオスもいた。写真のように別の種類の鳥がニアミスなんてこともしょっちゅう起こっている。コサギの思いがけない急接近に驚くカワウたち。ケンカしたらカワウの方が強そうだけど、ケンカはしない。他のカモたちともけっこう仲良くやっているようだ。
ウミウは実物を見たことがないからよく分からない。カワウととてもよく似ているらしい。ウミウは光に当たると体が緑色っぽくて、カワウは茶色っぽいとか、目の下の黄色い部分が三角形に尖っていたらウミウだというんだけど、並べてみないとよく分からない(私には)。海にいるからウミウというわけでもなく、カワウも海にいるからややこしい。長良川の鵜飼いを見れば分かるようになるかもしれないけど、あれは夜だからどうなんだろう。どうして鵜飼いはウミウを使うかというと、あちらの方が体が大きくて潜水能力が高いからだそうだ。 オスとメスの見分けも難しくて、基本的には同色で、オスの方が少し大きいというのだけど、区別はつかない。 体はカラスのように真っ黒のようでいて、よくよく見るとウロコっぽい模様がある。クチバシは白っぽいグレーで、根元はオレンジ、目は光が当たると緑色だと気づく。明るいときに顔をアップで撮ると意外ときれいな鳥だと見直す。婚姻色になると頭が白髪みたいに白っぽくなって、その姿もなかなかお洒落さんだ。
ウミウは水陸両用に体が作られている。足は木の上にもとまれるように四本の足指を持ちつつ水もよくかけるように水かきが付いていて、羽や体は潜水しやすいように脂肪を余り付けないようにしている。だから、洗車を怠けがちな私のインテグラのように水弾きがとても悪く、飛ぶときはまず羽を乾かしてからじゃないと飛べない。よく羽を広げたポーズを見かけるけど、あれは羽を広げて乾燥させているのだ。威嚇してるわけじゃない。 素早く飛ぶことを諦めた代わりに潜水は得意だ。水深1メーターくらいのところから深いところでは9メートルも潜るそうだ。1分以上も潜っていられるというから、鈴木大地のバサロ泳法にも対抗できるかもしれない。とりあえず飲める魚は全部飲むというスタンスで好き嫌いは言わない。鵜呑みというくらいだから丸飲みしてしまう。ただし、水中で飲み込むことはなく、必ず水面に顔を出してから飲むという習性があるため、鵜飼いに採用されてしまった。水中で飲んでおけばいいのに、と今更アドバイスしても遅い。 水に浮いてる姿はカモの仲間っぽいけど、実はペリカンの仲間だ。だから図体も大きい。大きいやつは全長1メートル、羽を広げると1メートル60センチくらいになる。ナイナイの岡村より大きい。
世界の分布は広く、ユーラシア大陸、オーストラリア、アフリカ大陸、北アメリカ大陸北東部あたりまでいるそうだ。日本では沖縄と北海道をのぞく全域にいる言われていたけど、近年は気候の変化もあってか、北海道や沖縄でも見られるようになったらしい。 今ではこんなにありふれた鳥になったカワウも、かつて日本が高度経済成長期だった1970年代に激減して、全国で3,000羽程度まで減ってしまったことがあった。そのままいけばトキのような運命を辿ると思われたカワウだったが、何を思ったかそこから急激に巻き返して激増した。今では5万から6万羽くらいになってしまった。すごいリバウンドだ。でも、数が増えたことで今度はいろいろ問題が出てきた。フンで貴重な木々を枯らしてしまったり、食用旺盛すぎて魚を食べ過ぎたりで、困っているところもたくさんある。琵琶湖なんかでは漁師さんより漁獲量が多いらしい。食いしん坊は一日400g以上も魚を食ってしまうとか。どんだけ食うねん、ってツッコミが入っている(実際はけっこう深刻)。 数が激減して大事にされていた方がよかったのか、増えすぎてやっかいもの扱いされてもたくさんいる方がいいのかは難しいところだ。でも絶滅しなかったことだけは喜びたい。
そんな一般人には見向きもされず、鳥好きの間でもファンが少なく、漁師さんには好かれていないカワウだけど、今後ともたくましく生きていって欲しいと思う。たくさんのカワウが生きていけるということは、それだけ日本の水場が豊かだという証でもある。そのことを喜びたい。 これを読んだあなたは、カワウに関する知識を鵜呑みにして、川沿いを散歩している途中で見知らぬおばさまが指差してあれはなんて鳥ですかと訊いてきたら、飲み込んだ知識を丸ごとはき出してあげてくださいね。

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