現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
魅惑の「パルティせと」があなたを呼んでいる 2006年2月9日(木)
2006年02月10日 (金) | 編集 |
S1pro的パルティせと

FUJIFILM FinePix S1 Pro+TAMRON 28-200mm XR(f3.8-5.6), f3.8, 1/30s(絞り優先)


 瀬戸電の始発駅、尾張瀬戸駅の隣にでんと大きく構える駅ビル「パルティせと」。昼間も目立つけど、夕暮れどきになるとその目立ち度は更に増す。キャンパスのアイドルが夜の街へ繰り出す前みたいに(そのたとえはどうなんだろう)。
 それにしてもS1proのこの画質、すごいことになってるな。実物はこれほどまで派手じゃない。狙ってこんなふうに撮ったわけでも、レタッチソフトで大きく加工したわけでもないんだけど、S1proで撮るとこんなことになってしまう。面白いからこのままにしておこう。
 不夜城、そんな言葉が頭に浮かぶけど、瀬戸はそんな街では全然ないので、間違えないでくださいね。歴史のある瀬戸物の静かな街なんです。

 なんでこんなところにこんなものが建ってしまったかといえば、それはもう愛・地球博のせいに他ならない。瀬戸会場の玄関口として尾張瀬戸駅周辺は大きく様変わりした。道路が整備され、街は小綺麗になり、いくつかの新しい建物が建った。その中でも象徴的な存在が、この「パルティせと」と「瀬戸蔵」だ(瀬戸蔵の方はまた別の機会に紹介したい)。
 完成が2005年2月19日だから、できてからそろそろ一年になる。私はまだ入ったことがない(ないのかよ)。地上6階、地下2階のこのビルは当初、13階建ての高層ビルステーションになる予定だった。ホテルも誘致すると張り切っていたが、それを幻とさせたのはオオタカだった。
 という説明では地元民以外には分かりにくいから簡単に説明すると、愛知万博は最初、瀬戸市の海上の森(かいしょのもり)を会場に開催される予定だったのが、森には絶滅のおそれがあるオオタカが棲んでいるのが見つかって、会場は長久手町の青少年公園へと移ってしまったのだ。あーれー、と瀬戸の人々は思ったに違いない。名古屋オリンピックが直前でソウルオリンピックになってしまったみたいに。もし、愛・地球博が瀬戸で行われていたら、このビルは13階になっていた、というわけだ。

 ここに至るまでにはそんな事情もあって、あちこちに中途半端な感じが見え隠れする。万博は確かに必要だった。ここから瀬戸会場へのシャトルバスなども出ていたし、訪れた県外の人や外国人に対しても見栄えはよかっただろう。ただ、万博が終わってしまった今となっては、これはむしろ贅沢すぎる建物となってしまっているんじゃないだろうか。市民交流の場としての位置づけであるけど、今後それほど活用されるのかは怪しいし、入ってるテナントが何かを物語る。
 3階から上は市民プラザ、会議室、アリーナ、フィットネスなどで、それはいい。今後も市民の交流や活動の拠点となるだろう。問題は店だ。カフェ、コンビニ、旅行代理店までは納得のラインナップとしても、フルーツジュース専門店にパソコンスクール、花屋、美容院あたりでアレレ? と感じ始め、それに続くのが、うどん屋、たこ焼き専門店、台湾ラーメンとくると、おいおい、それでよかったのか、と他人事なら心配になる。
 2階には、居酒屋、英会話、学習塾、歯医者、和風レストラン、カフェ&レストランという顔ぶれ。何かが足りないような、どこかが違うような、私を不思議な感覚へと導く魅惑のラインナップ。そして、この外観とのギャップ。ファッションビルではないことだけは確かなようだ。
 どうやらこの原因のひとつに、テナント料が高すぎるというのがあるようだ。周辺に比べて倍くらいするという話で、当初なかなか借り手が見つからなかったらしい。それで、第3セクターに買い取らせたりなんかしたもんだから、ややこしいことになってしまった。なのに、なんでたこ焼き屋さんや台湾ラーメンが入ってるのかが不思議ではある。

 パルティせとのパルティとは、「出発する」という意味のフランス語パルティール(Partir)やイタリア語のパルティーレ(partire)から来ている言葉で、全国公募で選ばれたそうだ。せと、いきまーす! と勢いよく空に飛び出していく仕掛けになっていたらもっと楽しかったのに(それは無理)。
 最上階に登って、レストランで食事でもしながら瀬戸の街並みを見下ろしてみれば、そこには1万ドルくらいの夜景が広がって……。
 って、6階はカイロプラクティックかよ! 骨をバキバキやられてアー! ウー! ヒー! などと叫びながら瀬戸の街並みを眺めるのもこれまた一興。
 いろんな意味で魅力満載のパルティせと、ぜひ私も一度は訪れたいものだ。地下駐車場が1時間無料で、その後も1時間100円というのが素敵だ。中で軽くうどんで腹ごしらえをして、そのまま周辺の瀬戸を散策するのがオススメのコースだ。瀬戸焼の店を見て回ったり、散策コースもある。ビルの中ではフィットネスも一回200円と、市民プールのような値段で楽しめるし、それでまたおなかが減ったら台湾ラーメンを食べるとよいでしょう。半日たっぷり遊んでも1,500円くらいで済みそうだ。
 あなたもだんだん行きたくなーる、行きたくなーる、パルティせと。ただし、この写真のイメージを持っていくと、実物との差がありすぎて見つからない可能性があるので注意が必要です。

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