現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
東築地橋から見える夕陽は個人的夕陽百選 2006年2月10日(金)
2006年02月11日 (土) | 編集 |
ガーデンふ頭の夕陽

FUJIFILM FinePix S1 Pro+TAMRON 28-200mm XR(f3.8-5.6), f8, 1/90s(絞り優先)


 うちから一番近い海は名古屋港の海だ。それでも車で1時間以上かかる。一番近い砂浜がある海は内海(うつみ)海岸で、そちらは高速を使って2時間くらい。どちらにしても海は遠い、物理的にも精神的にも。だから、ときどき海が見たくなる。海は私にとって、とても非日常的な場所だ。
 熱田神宮の横を通って、堀川沿いに南下して辿り着いたのが写真の東築地橋。見えているのは名古屋港ガーデンふ頭で、ここからの夕陽は素晴らしかった。初めて訪れたけど、いい場所を見つけたと喜んだ。しかし、ここにはひとつ大きな問題がある。駐車スペースがまったくないのだ。皆無。有料駐車場はおろか、ちょっととめておけるような路上スペースもない。片道一車線の細い道で、脇道さえほとんどない。結局少し離れた路上にとめて橋まで走った。この日、この付近でカメラを持って走っている男を見かけた人がいたら、それは間違いなく私です。
 それにしても惜しい。公園とまではいかなくても、駐車スペースが少しでもあれば、ここは間違いなく素敵な夕陽スポットとなり得る場所だ。ほぼ真西を向いていて、正面にイタリア村やポートビルが見えるという最高のロケーションなのだから。周辺は工場や企業のビルが密集してるけど、なんとかここに公園を作れないものだろうか。でも、すぐ横にある東築地小学校の生徒や先生たちは毎日この光景を見られるのだ。恵まれていると思う。見慣れたら別に普通の景色と変わらなくなってしまうかもしれないけれど、それでも時が経ったとき、教室の窓から見えるこの夕陽は記憶に残っているんじゃないだろうか。

 名古屋港というと貿易の拠点というイメージだけで、昔から観光スポットではなかった。横浜や神戸のような港に比べて、レジャー施設の開発が大きく遅れた。この地方の人は名港(めいこう)と呼ぶのだけど、おしゃれなイメージを持っている人は少ないだろう。洗練されたウォーターフロントとは似ても似つかない悲しき名古屋港。せいぜい、輸出入総額国内第1位だということを自慢するくらいしかなかった。
 それが近年少しずつ変わりつつあるようだ。名古屋市もこのままじゃいけないと気づいたのか、やっとあれこれ作って観光地にしようとやる気を出し始めた。1984年にまず港のシンボルタワーであるポートビルを建て、でもいまひとつパッとしないので1992年に名古屋港水族館を作ったものの評判がもうひとつ。そこで、遊園地のシートレインランド、ショッピングモールのJETTYなどあれこれ継ぎ足していった。そして去年突然の思いつき(?)で作ったイタリア村が大成功をおさめることになる。最初は笑い話のネタになるかと思われたが、行ってみると意外にも良くて、評判が評判を呼び連日の大賑わいとなっている。これは今後の名古屋港のイメージを一新させてくれるきっかけとなるかもしれない。

 イタリア村なんていうと、テーマパークっぽいけど、実際は全然違う。港の一角に1950年代のイタリアの街並みを再現したショッピングモールだ。目玉はベネチアの運河もどきをゴンドラに乗って写真を撮られまくりながら遊覧するというものだ。いや、別に写真に撮られたくて乗るわけじゃなくてゴンドラに乗ることが目的なんだけど、どう考えても観光客の格好の被写体になってしまうことは免れないわけで、プライバシーの侵害だとか肖像権などを主張できそうにないから、乗るときは覚悟して乗らなければならない。イタリア人(と思われる)メンズが漕いでくれてベネチア気分に浸れる(はず)。
 あとはイタリアブランドのショッピングをしたり、イタリアンレストランで本場の食事ができたりで、行ってきた人の話を聞くとこれがけっこう楽しいらしいのだ。夜までやってるし、写真を撮るにもいい。ただし、カップル率が高いのでひとりで行くと寂しいから注意が必要だ。私はまだ行ったことがない(早く行けよ)。
 どうして唐突にイタリアかというと、名古屋はイタリアのトリノ市と姉妹都市だからだそうだ。もし姉妹都市がセルビアモンテネグロだったりしたら、ここはセルビアモンテネグロ村となっていたということになる。上手くイメージが掴めないけど、もしそうなっていたらきっと流行らなかっただろう。セルビアモンテネグロの人たちには申し訳ないと思うけど。

 名古屋港というと名古屋人はこのガーデンふ頭を思い浮かべる人が多いと思う。でも実際名古屋港は広い。ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)がある金城ふ頭や、ブルーボネットがある潮見ふ頭などを総称して名古屋港だ。個人的には、ガーデンふ頭から水上バスで行くワイルドフラワーガーデン「ブルーボネット」をオススメしたい。
 遊覧船もいいらしい。1,000円で名古屋港をぐるりと一周してくれて、名古屋港のあらたな面が見られるとか。昔この船は「金鯱号」という名の金色の鯱の格好をした船で一部マニア絶賛だったんだけど、何年か前に廃止になってしまった。とても惜しいことをした。名古屋人としては一生に一度は乗っておくべきだったのに。不覚。なんとか復刻してくれないだろうか。そのときこそ、恥ずかしさを蹴散らして乗船したい。

 1601年に熱田港として始まり、1907年名古屋港になってから来年で100年を迎える。何かイベントもあるだろうし、名古屋港というものを見直していきたいと思う。去年、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線も開通して、金城ふ頭へのアクセスも便利になった。南極観測船ふじや名古屋港水族館など見どころも多い。あまり知られてないけど中部圏最大85mの大観覧車もある(あれは妙に怖かった)。海の日の大イベントみなと祭り花火大会も見てみたい。名古屋中のヤンキーカップルが集まると言われている(ホントか?)。イタリア村もあわせて全部回ろうと思ったら一日では足りないくらいだ。知らない間に名古屋港は立派な観光スポットに生まれ変わっていた。おしゃれなウォーターフロントになる日は近い!?
 いや、やっぱり遠いだろうな。でもそれでこそ名古屋っぽいと言えるから、あれはあれでいいのだ、きっと。ただ、東築地橋周辺の整備だけは考えてもらえないかなぁ、名古屋市長の松原さん。
 この日ここで見た夕陽を私はきっと忘れない。個人的夕陽百選に入った。

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