現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
ヒドリガモの壁を越えるとそこはカモ中級者だった 2006年2月18日(土)
2006年02月19日 (日) | 編集 |
牧野ヶ池のヒドリガモ

FUJIFILM FinePix S1 Pro+Nikon 70-300mm (f4-5.6D), f5.6, 1/220s(絞り優先)


 遠くから肉眼で見るとオナガガモに見えて、望遠レンズでのぞくとホシハジロかと思い、家に帰ってPCで見てみるとヒドリガモだった。そんなことがけっこうある。このときもそうだった。念のために撮っておくもんだ。一応撮っておいた一枚があとになって役に立つことがある。それももデジのいいところだ。フィルムでは無駄打ちできないから、意外性の面白さというのがあまりない。
 それはともかく、オナガガモとホシハジロとヒドリガモを見分けられるようになれば、カモ初心者卒業と言えるだろう。そんなの卒業したくないって? せっかく耳元で、♪卒業式で泣かないと〜冷たい人と言われそう〜♪ と、斉藤由貴の歌を歌ってあげようと思ったのに。え? それはもっといらないって? でももっと〜哀しい瞬間に〜涙はとっておきたいの〜♪
 ……なつかしすぎて違う意味で泣けてきた。

 今日はヒドリガモについて勉強してみた。
 漢字で書くと緋鳥鴨。これは写真のようにオスの頭が赤栗色してるところからきているという説が一般的だ。赤頭(あかがしら)と呼ばれることもある。それ以外に、ヒドリは「日取り」で、お日様の明るさを取ったみたいな額の色をしてるからという説もあるらしい。写真には写ってないけど、額はクリーム色をしている。モヒカンスタイルで、日焼けした女の子の水着あとみたいに。いずれにしても、目印は赤茶色の頭と白いラインだ。同じ頭が赤いホシハジロは目も赤いのでそこを見ると区別がつく。
 クチバシは鉛色で短い。これは好物の水草をちぎって食べるのに適している。首も他のカモに比べると短くて、首をすっこめたように見える。
 体は全体的に灰色で、腹は白い。足は灰黒色。
 メスは他のカモ同様、いたって地味だ。全体に褐色で、やや赤っぽいのが特徴といえば特徴だ。いろんなカモのメスだけが集まっている集団がいたとして、どれくらい見分けられるかはまったく自信がない。カモ脱初心者への道のりは遠くて険しい。

 大きさは45〜50センチくらいで、コガモとマガモの中間くらい。遠目にはよく似てるオナガガモはもっと大きいので一緒にいれば分かる。
 鳴き声は、ピュー、ピューというホイッスルのような音で、仲間に警戒するときにそういう声を出すという。しかし、メスは何故かガーガーとしか鳴けない。姿は違っても鳴き声くらい同じでもよさそうなのに。
 繁殖地はユーラシア大陸北部で、寒くなるとユーラシア大陸の南やアフリカ大陸などに渡って越冬する。どちらかというと寒いより暖かい方が好きなようで、秋口の9月中頃には日本にやってきて、5月くらいまでぐずぐずしてることが多い。12ヶ月のうち9ヶ月くらいいるから、年中いるような印象を持ってる人もいるかもしれない。たまにめんどくさくなってそのまま日本に残ってしまうやつもいるとか。
 個人的な印象としては、名古屋市内にはそれほど多くないような気がする。オナガガモと同じくらいポピュラーだというんだけど、近所でヒドリガモはそんなに見かけない。ただし、牧野ヶ池にはたくさんいた。
 エサは主に水草で、潜ることができないので、浅瀬に逆立ちで顔を突っ込んで底に生えてるやつをちぎったりこすったりして食べている。あまりエサ取りは得意じゃないようで、よく他のカモや鳥が取ったエサを横取りしたりする。ハクチョウが残したアマモのおこぼれをちょうだいしたり、水面に浮いてるものを拾い食いしたり。あと、海苔が好きらしく、しばしば海まで出張していって、海外の岩場についた青海苔なんかも食べる。更にそれで足りないときは養殖の海苔も食べてしまうので、養殖をしてる人に叱られて追い払われる。
 じゃあずる賢いカモなのかというとそうでもなく、むしろ鈍くさいところがあって、飛ぶときもコガモのように水面から直接飛び立つことはできず、かなり助走をつけないと飛べなかったりする。不器用ですから……高倉健、みたいな。
 不器用と関係あるのかないのか、アメリカヒドリという他のカモとよく交雑してしまうというのも特徴のひとつだ。目の後ろあたりが緑色をしてるやつがそれだ。いろんな意味で大らかな性格をしてると言っていいのかもしれない。人に対する警戒心は場所によるようで、よく慣れるという人もいるし、野生を保ってるという人もいる。オナガガモほどなれなれしくないとは思うけど。

 今さら人に聞けないカモ・シリーズ(そんな名前が付いていたのか)も回を重ねて、ある程度基本的な種類を網羅できてきた。コガモ、カルガモ、マガモ、オナガガモ。近いところではミコアイサ、バン、カワウなど。でもまだまだ他にもカモはたくさんいる。あ、オレ、オレ、オレだけど。それは古いタイプのサギだ。そうじゃなくて、ハシビロガモ、ヨシガモ、キンクロハジロ、スズガモなど、書きたいカモがいる。でも写真を撮らないことには書けないので、なんとかこの冬一枚でも多く撮りたいと思っている。海にも行かないといけないだろう。私にはこれを読んでくれている人をひとりでも多く日本野鳥の会へ送り込むという崇高な使命があるのだ。私? 私は入ってないけど。
 もし入会したら、どんな様子なのか教えてくださいね。

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