| サヨウナラ、20世紀の家電たち 2006年2月21日(火) |
 Canon EOS 650+SIGMA28-200mm(f3.5-5.6)+Kodak GOLD100/ D2400UF
使命を終えて電気屋の裏で捨てられるのを待つ電化製品たち。テレビ、洗濯機、ガス湯沸かし器、冷蔵庫、ガスコンロ。20世紀の夢の残骸を見ながら、頭の中で下川みくにの「サヨウナラ! 20世紀の僕たち」が流れる。
♪サヨウナラ 20世紀の僕たちはいつも 後悔ばかりで サヨウナラ ため息ついていた毎日 夢と現実離れすぎていて 悔しい思い続いてた サヨウナラ 足りないものを欲しがって みんな同じ人を追いかけ 寂しさ紛らわしていた♪
下川みくにって誰だ? と思ったあなた、心配しなくても大丈夫。知ってなければ人に笑われるとかそういう人じゃないですから(それとも意外と有名?)。 これは「山部山麓デパート」だろう! と思った人は、今度「北の国から」の話をゆっくりしましょう。その代わり、話し始めると長くなりますので要注意。 山部山麓デパートってどこにあるんだ、場所を教えて欲しい、と私にメールで問い合わせても答えられません。シークレットとかそういうことじゃなくて、実際にはないものなので(いや、あるのかな?)。
20世紀は戦争の世紀だったとか、飽食の時代だったとか、激動の100年だったとか、いろいろな言い方をされる。20世紀は家電の時代だったという言い方もできるだろう。特に高度経済成長期に生きた人間にとって、家電にはいろいろ思い出あるんじゃないだろうか。家電大好きの私としては生まれるのが遅かったなと残念ではあるけど、20世紀の最後30年間を思い返してみると、ずいぶん変わったものだなと感じている。 最初の家電らしい家電は意外にも電気アイロンだった。国産初のアイロンが発売されたのが1915年だから、ラジオの1924年よりも10年近く前ということになる。それまで寝押し(ふとんの下に敷いて寝る)くらいしかなかったわけだから、当時の人にとってアイロンというのは画期的なものだったろう。 電気洗濯機は1930年、続いて電気掃除機が1931年、以後続々と電化製品は発売されることになる。面白いのはすべて頭に電気が付く点だ。そう、電気というのは魔法のような響きを持っていた言葉だったのだ。しかし、値段の高さから一般庶民が買えるようになるのは戦後ずっとあとになってからのことだ。 戦後一発目のヒットは1947年のトースター。それまでパンなどほとんど食べなかったであろう日本人なのに、戦争に負けてすぐ相手国のパンが美味しいからみんなで食べようと思ってしまうあたりに日本人のお人好しさがよく表れている。 1953年にテレビ放送開始。そしてもうひとつこの年大物が登場した。噴流式洗濯機だ。今でこそ洗濯機など安いもので当たり前に持っているけど、これがなかった頃は、たらいで手荒いしていたわけで、冬場はもう大変だった。洗濯機ほど主婦の人たちにとってありがたかったものはなかっただろう。 2年後には電気釜が登場して、これで家事は一気に楽になった。次の年の目玉は電気冷蔵庫。この頃になると庶民でも少しずつ電化製品を買えるようになる。白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機は三種の神器と呼ばれ、庶民の憧れだった。その後「3C」と呼ばれるカラーテレビ、クーラー、カーに変わったのは覚えてる人もいるかもしれない。
個人的に思い出深い家電というと、やはり高校生の時のビデオだろう。テレビを録画できるってことはそれまでにないことで、あれでずいぶん生活が変わったような気がする。レンタルビデオ屋が初めてできたのもその頃だ。 レコードがCDになったり、ビデオがDVDになったなんてことは大したことじゃなかった。ゼロから100になったわけではなく、それまであったものがグレードアップしただけだから。 パソコンを初めて買ったのは中学生のときで、これは友達の中では一番早かった。当時はマイコンと呼ばれていて、それはくら〜いやつしかやらないものという偏見が充ち満ちていたのだった。いや、私は暗くなかったんだけど。 ファミコンの登場が大学生のとき。PSは大学を卒業してから。ゲーム機とのつき合いも長いけど、子供の頃ファミコンがなくてよかったなと思う。あんな楽しいものがあったら外で遊ばなかっただろうし、そうだったら外で遊ぶ楽しさを知らずに大きくなってしまったから。 最近でいえばインターネットに携帯電話、デジタルカメラあたりだろう。それらなしに生活は成り立たなくなっているけど、ワクワク、ドキドキするようなトキメキを感じてはいない。親の世代が感じたであろうテレビの登場したときの驚きと熱狂みたいなものを体験してないといのは寂しい。私たちは物心ついた頃から電化製品に囲まれて育ってきたから、そういう部分では感覚が鈍くなっているのだろう。自分では今さらどうすることもできないけど、少し残念に思う。
これからはオール電化の時代だ。だって、そういう時代でしょ、とCMで酒井法子も言っていた(中部電力のCMだから、こっちの人しか見たことない?)。のりぴーでさえそんなことを言う時代になったのか、とあれを見ると感慨深いものがある。のりぴー語はどうした? あと10年もしたら、これからは太陽電気の時代ですよね、などとゆうこりんがクールに言い放つCMを私たちは見ることになるのだろうか? コリン星には安全なエネルギーはないのか。 新三種の神器は、液晶(プラズマ)テレビ、DVDレコーダー、デジカメなんだそうだ。わっ、3つのうち2つも持ってない! ダメじゃん、私。21世紀に乗り遅れてるー。 ようやくリサイクルということが言われ始めてはいるけど、今後も大量生産、大量消費の流れは続いていくのだろう。そして家電は目には触れない場所で捨てられていく。20世紀の家電には夢があったけど、21世紀の家電にはそれさえもなく。 たとえば50年後、捨てられて積み重ねられた家電はどんな姿をしてるんだろう? 私たちがこれから初めて触れる最新の電化製品たちなのだろうか。その光景を今はまだ想像することができない。 もし20年後の未来にタイムマシンで行くことができたなら、私は家電捨て場に行こう。そして見たこともないような最新型の壊れた家電をいっぱい持って帰るのだ。そんなものを持って帰れませんと止められても強引に持って帰ってくる。もしかしたら「ザ・フライ」でハエと合体してしまったあの男のようになってしまうのだろうか。家電と合体した私。口からDVDを出したり入れたり、目にはデジタル放送のテレビが映ってしまったり。脳がPentium10くらいになってたら嬉しいかもしれない。全身ユビキタス状態。 しかし、壊れて捨てられた家電との合体だから誤作動だらけ。口からDVDのトレイが出たり引っ込んだりを繰り返し、目はちかちかとまばたきし続け、そして、突然のフリーズ。そんな私を見かけたら、とりあえずカラオケマシンとしてでも使ってやってください。懐メロの「リンゴの唄」とか歌い出すでしょう。

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