 Canon EOS 10D+TAMRON SP 90mm(f2.8), f4.0, 1/125s(絞り優先)
あ、キビタキ。心の中で小さく叫んだ。 もちろん、今シーズン初遭遇。冬場は東南アジアに渡って過ごしてきた彼らが、春になってまた日本へと戻ってきた。おかえりなさい。無事に帰ってきて何よりでした。秋までゆっくり日本で過ごしてくださいね。そして、いい歌声を聞かせてください。 気がつけば夏鳥のシーズンが始まっていた。季節はとどまることなくどんどん先へ進んでいく。待ったなし。野草も、木々の花も、虫も、鳥たちも。ぼんやりしてると季節に置いてけぼりを食ってしまう。こちらも足取りを早めなければ。
暖かくなって、木々の緑が濃くなると、鳥の姿を見つけるはとても難しくなる。声はすれども姿は見えず、これからはそういうことが多くなる。このキビタキを撮ったときは、運良く見える位置に止まったのだけど、レンズがタムロン90mmマクロ(トリミング有り)ということで、小さくぼんやりした写真になってしまった。撮れたのはこの一枚だけで、すぐにどこかへ飛び去った。渡ってきたばかりは特に人に慣れてないので、近づくのが難しい。 キビタキはやっぱりいい鳥だなと思う。メスは緑がかった褐色で地味なのだけど、オスは写真のように鮮やかな黄オレンジ色をしている。鳴き声がまた美しくて、野鳥好きの中にもこの鳥のファンは多い。それほど珍しい鳥というわけでもないのだけど、人を惹きつけるものがある。 大きさは13センチくらいと、スズメより少し小さめ。漢字は黄鶲。黄色いビタキとそのままでひねりはない。目の上の黄色いまゆ毛もチャームポイントだ。森の緑の中では目立つようだけど、木漏れ日の中では保護色になって、かえって見つけにくい。見つけるには鳴き声が頼りとなる。ただ、いろんな鳴き方をする上に他の鳥の鳴き真似をしたりするので、そう簡単でもない。地方によっても鳴き方が違うんだとか。
エサは主に虫で、たまに木の実を食べる。飛んでいる虫を空中で捕まえて食べることから、フライキャッチャーというのがキビタキ類の英名となっている。 それができるのは、羽ばたきのスピードが速くて、飛ぶ速度も高速だからだ。こいつの飛んでいるところを流し撮りするのは相当難しい(林の中ではほとんど無理)。双眼鏡でも追いつけないくらいだから。 春先は平地の林の中で過ごし、夏が近づくともう少し高度の高い高原や、北の方に移動していく。 一夫一夫で、産卵は5月から8月、卵は4、5個。さかんにさえずっているのは、メスを呼び寄せるためと、縄張りを主張するためだ。キビタキの恋の季節はもう始まっている。 メスが卵を温めて、オスは巣の見張りをする。エサ運びはオスとメス共同で行う。 子育てが終わって、秋風が深まる11月頃になると、だんだん寒さがイヤになってきて、マレー半島やインドシナ半島などの暖かい東南アジアに渡っていく。 こんな小さい体で1年に2度、何百キロも海を渡って旅をするんだから、それはもう大変なことだ。偉大なる旅人として敬意を払いたい。
これからの季節、木々の葉が鳥の姿を隠して写真に撮るのが難しくなる。望遠レンズも300mm程度では役に立たないことが多い。それでも、少しでも撮りたい。運を味方につけて。 今年の目標は、なんといってもオオルリだ。去年は撮る以前に姿さえ見ることができなかった。今年こそなんとか撮ってみたい。本当は早朝にフィールドへ出向いていくべきなんだろうけど、私にそんな根性を求めるのは間違いだ。ホンモノじゃないんだから。寝ぼすけのオオルリが、ぼんやりした頭のまま私の前にフラッと出てきてくれることを、ひたすら期待しよう。キビタキももう一度近くからちゃんと撮りたい。 ついては、視力が異常にいい助手を募集します。視力両目とも3.0あるぞ、とかいう方、私と一緒に森を歩いて鳥ちゃんを見つけてもらえませんか? 付随条件として、首が丈夫であることも必要です。何しろずっと見上げてることになるので、普通の人間だと首がすぐに痛くなるんですよ。F1レーサーの卵でも雇うか!? 我こそはという方、海上の森の入り口に集合です。合い言葉は、片方がこまどり? と言ったら、もう一方は、姉妹? です。ただし、三味線を持参する必要はありません。

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