 Canon EOS 10D+TAMRON SP 90mm(f2.8), f3.2, 1/200s(絞り優先)
東谷山フルーツパークのしだれ桜で今シーズンの桜は終わったはずだった。ところが森林公園にサトザクラが咲いているのを見つけてしまい、そうもいかなくなった。見なかったことにしようかとも思ったけど、これはこれできれいな桜に違いなく、無視することができなかった。 ということで、今日は桜の延長戦。サトザクラ記念とした。
サトザクラという品種の桜は存在しない。山などに咲く野生のヤマザクラに対して、里に咲く品種改良されたものを一般的にサトザクラと呼んでいるだけだ。なので、お馴染みのソメイヨシノもサトザクラに含まれる。 いつから日本人が桜を品種改良するようになったのかは、はっきり分かってない。おそらく平安時代くらいからであろうと言われている。一番盛んに行われていたのは言うまでもなく江戸時代だ。平和と暇に任せて交配をしまくった。今一般的になっている品種の多くがその頃までに作り出されている。ソメイヨシノもそうだ。江戸時代後期までには250種類くらいの桜が作り出さたそうだ。その後、減ったり増えたりしながら今は300種類とも、もっととも言われる。ただ、それは突然変異ものもや、同じものを違う呼び名で呼んでいるだけのものも含まれるので、実際現在でも流通しているものは数十種類といったところだろう。有名どころを20くらい知ってて見分けることができれば、サトザクラ博士と呼ばれる資格は充分ある。 有名なところでは、フゲンゾウ(普賢象)、カンザン(関山)、イチヨウ(一葉)などがある。その他、ミクルマガエシ(御車返し)、ジョウニオイ(上匂)、アリアケ(有明)、シロタエ(白妙)、アマノガワ(天の川)、タイハク(太白)、アサヒヤマ(旭山)、ヨウキヒ(楊貴妃)など。 森林公園にあった写真のものは、一葉か、普賢象あたりだと思うんだけど、はっきり言い切ることはできない。サトザクラ博士への道のりは遠く険しい。
 こんな薄緑色の桜もある。桜と言われなければそうは思えないかもしれないけど、これもウコンザクラ(欝金桜)というサトザクラの一種だ。東谷山フルーツパークにあった。18世紀に京都で作られたのではないかと言われている。 花色がウコンの根で染めたものに似ていることから名づけられた。最初濃い緑色だったものがだんだん白っぽくなり、次にピンク色に染まっていく。面白い桜だ。
サトザクラの一般的な認知度と関心度がどれくらいなのかはよく分からない。個人的には今年になるまでほとんど関心がなかった。桜はソメイヨシノが終わればもう終わりで、せいぜい最後のしだれ桜くらいだと思っていた。大阪の有名な桜スポットである造幣局の通り抜けにはサトザクラがたくさんあるそうだから、関西の人には馴染み深いのだろうか。北海道も、五稜郭や松前城はソメイヨシノよりサトザクラがメインだから、道産子が桜を思い浮かべるときはこちらの方かもしれない。 サトザクラを語る上で荒川堤は外せない。1885年の改修工事の際に、地元民や関係者が、78種類、3,000本以上のサトザクラを荒川堤に移植して、それを大事に育てたことで、品種が保存され、そこから日本全国のみならず世界に広がっていった。
サトザクラの見頃は4月の中頃から5月始めにかけて。まだもう少し桜延長戦が楽しめる。ソメイヨシノのようにパッと咲いてパッと散るような潔さは持ち合わせてない。ポツリ、ポツリとのんびり咲いて、人々が忘れた頃にゆっくり散っていく。そんなのんきなところを楽しみたい。 まだ日本列島の桜前線は突き抜けていない。現在の満開は山形、宮城を越えて、秋田あたりに迫ろうとしている。そう、まだ本州なのだ。北海道は開花さえしていない。ということは、もう少し桜で浮かれ気分でいていいということだ。自分のところが過ぎればもう関係ないというわけじゃない。北で暮らす人たちは、私たちが桜に浮かれていたとき一緒につき合ってくれていたのだから。私ももうしばらくサトザクラを追いかけて、桜シーズンを延長しようと思う。 でも、森林公園のこのサトザクラの下でひとり、ブルーシートを敷いてお弁当を食べながら花見をしたら、ものすごく寂しい気持ちになるだろうなと思う。通りかかった人たちの格好の被写体となってしまって、ブログとかに載せられて笑われてしまうことだろう。もし、ネットのどこかでそんな私の姿が写った写真を見かけたら、優しい気持ちで励ましてください。負けないで、と。

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