 Canon EOS 10D+EF75-300mm(f4.0-5.6), f5.0, 1/200s(絞り優先)
私にとっては珍しいチンパンジーも、チンパンジーからしたらもう人間なんてほとほと見飽きてるのだろう。そんな気持ちがカメラ目線に表れているように思えたのは、私の思い込みだろうか。 人間に最も近いと言われるチンパンジー。賢さゆえに動物園暮らしは厳しいものがあると想像される。大人になった私たちが小学校や中学校に通うみたいに。 それでもチンパンジーに救いがあるのは、彼らは群れで生活し、家族の絆がとても強いということだ。そのへんがオランウータンとの大きな違いだろう。動物園では家族でいるところが多いだろうし、東山動物園でも写真のように親子が仲良く寄り添っていた。他にもあと5頭いるはずだし、家もオリじゃなく運動場だ。
チンパンジーは、アフリカの赤道付近、タンザニア、コンゴ、中央アフリカ、カメルーンなどの暑い熱帯雨林に生息している。適応力は高く、密林から木の少ない林まで、いろいろな場所で暮らしている。 そこでは、十数頭から百頭くらいの群れを作っていて、少ないグループで行動しているようだ。オスも一頭だけでなく複数いる。リーダー(アルファメイル)を頂点としたピラミッドではなく、もう少し緩やかな上下関係で成り立っているらしい。 4つの亜種に分けられ、現在は数万〜15万頭ほどいるのではないかと言われている。あまりはっきりした数は分からないそうだけど、数が激減してることだけは確かで、100年前は100万頭いたというから、今後は絶滅が危惧されている。多くの生き物にとって、20世紀というのは大変な時代だった。 かつてチンパンジーは人間の遺伝子と98パーセントから99パーセント同じだと言われていた。そんな雑学を披露されたという経験を持つ人も多いんじゃないだろうか。ただ、最近のDNA研究でかなりの違いが見つかって、95パーセントくらいではないかということなっている。それでもこれだけ近ければ、行動パターンやしぐさなんかが似てくるのは当然だ。道具なんかもとても上手に使いこなす。知能レベルは人間の4〜5歳くらいというけど、実際はもっと上のような気もする。賢いことで有名なアイなんかを見てると、とても幼稚園児くらいとは思えない。
体長は60〜90センチくらい、体重は30〜60キロくらいで、メスはオスより少し小さい。 顔や手のひらに毛がないのは、やはり暑いところで暮らしているからだろう。赤道直下で毛むくじゃらはつらい。 見た目以上に力持ちで、リンゴくらいは軽く握りつぶすことができる。電話帳を渡したらたぶん楽々破いてみせるだろう。TVジョッキーで白いギターがもらえる。 けっこう凶暴だったりもするので、赤道直下のジャングルに入った際はうかつに近づかない方がいいだろう(誰がそんなところに入るんだよ)。動物園でも、何か投げてきたりすることがあるので油断してはいけない。 食事は雑食性。基本的には果物や植物だけど、ときには虫や鳥、小動物を食べたりすることもある。動物園でもいろいろなものをあげてるようで、好みもチンパンジーによってずいぶん違うらしい。あげてみれば意外なものも食べるんじゃないだろうか。名古屋のチンパンジーなら、味噌カツくらいは食べて欲しいところだ(それは無理だ)。 寿命は40〜50年くらい。親離れするまで3年から5年くらい、出産間隔も4年から6年と、このあたりはオランウータンに近い。
チンパンジーと人間が進化の過程で枝分かれしたのは、約500万年前あたりだろうと推測されている。猿はいつになったら人間になるんだろうと子供心に思ったものだけど、チンパンジーはあと数百万年したら人間になるんだろうかなどと今でも考えたりする。ホモ・サピエンスは次にどんな方向に進化するのだろう。 天才チンパンジーのアイにはアユムという息子がいる。現在子育て中で、この4月で6歳になった。この春から独り立ちを始めることになったそうだ。まだまだ母親に甘えてはいるものの、天才ぶりは早くも親のアイを超えるという。アイが人間に教えてもらったことをアユムはアイから教わったのだろう。かなりの言葉も理解して、数字も認識するし、パソコンだって使えるそうだ。このまま進歩していったらどこまで賢くなるのだろう。 ただそれは、なんとなく悲劇の予感もはらんでいるようにも思える。『アルジャーノンに花束を』のチャーリーのように。そんなことにならないことを願いたい。 アイとアユムは、犬山のモンキーパークにある京都大学霊長類研究所で暮らしている。もしかして見られるのかと思ったら、やっぱり無理だった。一般公開はしていない。どうしても見たければ、とりあえず京大に入ることから始めなくてはならない。 そういえば、うちの猫はアイで同じ名前ではないか。天才とは言えないけど。 ところで、チンパンジーのアイの名前の由来は、コミック「愛と誠」の早乙女愛から付けられたということを今回初めて知ったのだった。

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