 Canon EOS 10D+EF75-300mm(f4.0-5.6), f5.0, 1/250s(絞り優先)
動物園の隠れた人気者カバさん。ライオンやゾウ、キリンなどのメジャーな動物に比べて陰に隠れがちだけど、これが意外と人気があるらしい。動物園にいる好きな動物のアンケートをとってみたら、SMAPのクサナギくんと同じくらいファンが多いことを知るだろう(たとえが微妙で伝わりづらい)。 野生のカバはものすごく凶暴だという。動物園のものはそれほどでもない。たまにシッポを振り回してフンを飛ばしたりするくらいだ。水の中で半分顔を出しながら歩いたり、水辺で昼寝したり、いたってのんきに暮らしている。表情を見ても、あまり悩みはなさそうだ。
カバには2種類しかいない。この普通のカバと、ちょっと珍しいコビトカバだけだ。地域による亜種もない。アフリカの赤道付近の川や湖沼で、数十から100頭くらいの群れで行動している。 昼間は水中や水辺で過ごし、夜になると食べ物の草を求めて草原へ出て行く。これといった天敵がいるわけではないのだけど、子供を守るため用心に越したことはない。 こんな水陸両用のカバだけど、さて、何の仲間かというと、はっきりした答えが見つからない。ウシ目カバ科に属してはいるけど、牛っぽくはない。サイとも近いようで遠い。漢字では河馬と書くから馬の仲間かといえばそうじゃない。最近の研究では、遺伝子レベルではクジラに最も近いのではないかと言われてるそうだ。それはまた意外なつながり。姿形からは想像できない。 大きさは、全長約4メートル、体重は2〜3トンと、陸上ではゾウに次いで2番目に大きい。なので大食らいだ。主に食べるのは草だけど、その量がすごい。動物園でも毎日40キロくらいの草やイモを食べて、食費は3,000円にもなる。これは東山動物園ではゾウ、コアラに続いて高額ナンバー3にあたる。食費に月9万円もかかるような動物だとは思わなかった。
カバは水陸両用なので、どちらにも適した体となっている。ズゴックみたいに。 胃や肺に空気を入れることで浮き、出すことで沈むことができるというのがまずすごく便利だ。潜水も得意で、5分以上も潜っていられる。そのときは鼻と耳を閉じて、水が入らないようになる。 更に泳ぎのために指には水かきもついている。これで水中なら自由自在に動くことが出来る。 陸上に上がってもなかなかの性能を見せるのがカバのすごいところだ。見た目から想像できないくらい足が速い。本気を出すと50キロくらい出せるというから、ママさん自転車で全力で逃げても尻に食いつかれてしまう。丈夫な歯が40本も生えてるので、食いつかれたらただではすまない。逃げるときはスクーターにしたい。 しかし、こんなカバにも弱点がある。それは極度の乾燥肌だということだ。驚くことにカバの皮膚は1.5センチから4センチもある。ゾウやサイでも1センチくらいというから、その厚さは並みじゃない。汗腺がないので、皮膚はすぐに乾燥してしまい、あまり長く陸上にいるとカラカラに干からびてしまう。それを防ぐために、ピンク色の粘液を出して保護している。昔はこれを血の汗をかいてると言ってたそうだけど、血ではないので大丈夫。 皮膚を触った感じは思ったよりも柔らかくてゴムみたいだそうだ。ちょっと触ってみたい気もする。
カバがこんなにもスーパーな動物だとはまったく知らなかった。ちょっとカバを甘く見ていたことを反省したい。これからは見る目が変わるだろう。きみ、一日3,000円も食べてるのか、と(そこかよ)。親子3頭で9,000円。月に27万円かぁ。生活も楽じゃないなぁ(私は関係ないだろう)。 東山動物園とカバとの縁は深い。今年の春、能美市のいしかわ動物園にいるデカが54歳になる前までは、東山動物園にいた重吉が53歳で最長寿だった。1954年にドイツからやって来た福子との間に19頭の子供が生まれ(日本記録)、今日本の動物園にいる53頭のうち約30頭は重吉と福子の子孫だそうだ。 カバの寿命は30年から40年くらいの中、重吉、福子は長生きしてたくさんの子孫を残した。日本のカバを語るとき、重吉と福子夫妻のことを抜きには語れない。 写真のカバは、もちろん重吉でも福子でもない。ただ、この名前は引き継がれ、2代目、3代目と名づけられてるからそのうちのどちらかか、もしくはメキシコの動物園から来たメイだろうか。
カバの飼育員さんによると、カバというのはとても臆病な生き物なんだそうだ。ちょっとした物音にも驚いたり、知らない人を恐れたりするんだとか。野生のカバが持つ凶暴さも、きっと臆病の裏返しなのだろう。彼らは私たちが思う以上に繊細な動物なのかもしれない。 悩みがなさそうな顔だなんて言って申し訳なかったです、カバさん。重吉と福子みたいに長生きしてくださいね。また会いに行きますから。

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