現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
蒸し料理に初挑戦で蒸しキングへの遠い道のりを知る 2006年5月7日(日)
2006年05月08日 (月) | 編集 |
蒸しキングへの遠い道のり

Canon EOS 10D+EF28-105mm(f3.5-4.5), f3.5, 1/13s(絞り優先)


 今日のサンデー料理の第一印象は、見た目悪いなこれ、というものだった。まったく食欲をそそらないこの色合い。どうした、私!? と自らに問いかけてみたものの、もはや修復不可能。このまま黙って受け入れるしかなかった。食堂でこの料理が出てきたら、食べることをちゅうちょしたかもしれない。
 今回は、先週の予告通り、蒸し料理に初挑戦というのテーマだった。そして、一発で蒸し料理をマスターして、蒸しキングを名乗るはずだった。しかし、蒸しは甘くなった。今までの料理の中で一番難しかったかもしれない。加減がよく分からないという点で。蒸しキングどころか、蒸し二等兵として一から出直すことになった私であった。

 蒸し料理といえば、定番は茶碗蒸し。これははずせないところだろう。溶き卵にだし汁を混ぜて、塩、みりん、酒、しょう油で味付けしたものを蒸すだけの単純なこの料理。簡単だろうと侮っていたら大きな間違いだった。成功のコツは火加減にあるのだけど、初めてということでよく分からない。何度も箸で突いて確かめていたら、しまいには穴ぼこだらけの茶碗蒸しになってしまった。カニが巣を作ってるんじゃないかって思うほど。
 結局最後まで上手く固まりきらず、汁だけがあふれてきてしまったのだった。卵の分量がどうだったのか、漉しはやっぱり必要だったのか、鍋に入れる水の分量はどうだったのか、時間は長かったのか短かったのか、いくつもの疑問が残る。ツルツル、ふわふわ感を出すには、更なる熟練が必要だ。面倒だから、もうやらないと思うけど。

 白身魚の蒸しは、この中では一番ましだった。ちょっと塩辛すぎたけど、蒸し加減はよかった。蒸しの利点は、焼いたり煮たりするのに比べて旨味が逃げず、柔らかく仕上がることだ。肉でも野菜でも、上手に蒸し料理をすれば、煮たり焼いたりするより美味しい料理ができると思う。
 ちょっと時間はかかるけど、やることは簡単。白身魚に酒と塩を振っておいて、卵、塩、しょう油、酒、みりん、マヨネーズを混ぜ、皿の上に魚、しめじ、シイタケ、すった山芋、卵とじのつゆをかけ、あとは水を入れた鍋に皿ごと入れて蒸すだけ。蒸し上がったら、だし汁、しょう油、みりん、塩、水溶き片栗粉で作ってひと煮立たせしたつゆをかければ出来上がり。
 これはけっこう自信作と言っていい。人にも出せる料理だ。

 今回の料理の印象を決定的に悪くしてしまったのが、左奥に見えている不気味な灰色の物体だ。こんなに見た目が悪い料理も珍しい。
 レンコンと山芋をすり下ろしたものを混ぜて、そこにシイタケ、エビを加え、本来ならこの時点で蒸して、味付けは別に作った汁をかけて付けるはずが、ぼぉ〜っとして、うっかりだし汁を混ぜ込んでしまったのが失敗の元だった。わー、と声をあげたときにはもう手遅れだった。今さら分離もできないし、そのまま一気に味付けまでもっていくことにする。みりん、しょう油、酒、塩、カタクリ粉を入れて味を調える。このときすでにグロテスクになりかけていた。とりあえずそのままラップにくるんでレンジで5分ほど加熱して出てきたのがこれだった。なんじゃこれー。コンニャクが溶けたみたいじゃないかー。おっかなびっくり味見をしてみると、むむ? 普通に美味しいぞ。考えてみたら、特別変なものは入れてない。山芋とレンコンを混ぜて、和風の味付けをしただけだ。見てくれさえ気にしなければ問題はない。
 でもなんでこんな灰色になってしまったんだろう? 本当はもっと白くて上品で、見た目も美味しそうな料理のはずなんだけど。

 というわけで、初の蒸し料理は失敗とは言い切れないけど成功とは言い難い微妙な感じで幕を閉じた。味としては大きな問題もなく、75点くらいはつけてもいい。家庭料理としては文句ないところだろう。でも、やっぱり蒸しは思った以上に難しかった。特に茶碗蒸しでそれを感じた。
 まだ他にも定番としてシュウマイやご飯系のものもある。次回があればそのあたりのものに挑戦しよう。焼く、煮る、揚げるに蒸すが加われば、料理のレパートリーも広がっていくだろう。
 蒸しキングへの道のりは遠い。でも、第一歩を踏み出したことは意義がある。今はまだ蒸しポーンだけど、いつの日か蒸しビショップ、蒸しナイトと出世し、やがては蒸しキング&クイーンとなって、ヒラヒラのセンスを持ってお立ち台の上で朝まで踊り明かしたいと思う。

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