現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
アヒルとマガモとアイガモとガチョウの関係 2006年5月17日(水)
2006年05月18日 (木) | 編集 |
アオクビアヒル

FUJIFILM FinePix S1 Pro+NIKKOR 70-300mm(f4-5.6D), f6.7, 1/350s(絞り優先)



 あれ? いつまでマガモいるんだ? などととぼけたことを言っていたのは、去年までの私だ。今の私はもう、これがアオクビアヒルだということを知っている。
 アヒルといえば白いと決まっているわけではなく、実はたくさんの種類がいる。代表的なのが白いペキンアヒルと、写真のようなアオクビアヒルだ。ペキンアヒルは中国が原産で、アオクビアヒルは日本原産だと言われている。関東はアオクビが一般的らしいけど、名古屋は公園などでは白が多く、池などではアオクビが多い印象を受ける。
 首が緑色でカラーリングもマガモに似てるので間違われやすいけど、大きさがアオクビアヒルの方が一回り大きいので慣れれば間違えることはない。去年まで見分けがつかなかったくせに偉そうなことを言う私。
 その他のアヒルとしては、アオクビとペキンを掛け合わせて作られた大阪アヒル、ナキアヒル、オランダうあイギリスで多く飼われているカーキ色のカーキーキャンベル、南米の野生のものを飼い慣らしたバリケン、マレーシアやインドネシアのインデアン・ランナー、ジャワのテイゲール、フランスのルーアン、イギリスのエイルスベノーなどがいる。世界中にこんなにもたくさんの種類のアヒルがいるとは知らなかった。

 もともとアヒルというのは、3,000年ほど前に中国でマガモを飼い慣らしたのが始まりとされている。それが日本やヨーロッパに伝わり、さまざまに品種改良されて今に至っている。目的は卵もあるけど、主に肉だ。
 日本では平安時代あたりによく飼育されていた形跡が残っているそうだ。豊臣秀吉が水田にアヒルを放し飼いさせていたというエピソードは有名だ。徳川吉宗の頃の記録にも残っていて、本格的に導入されたのは明治になってからだという。
 少し前に流行ったアイガモ農法のアイガモは、マガモとアオクビアヒルを交配して作られたものだ。雑草や虫を食べてもらって無農薬で米作りをしようというのだけど、アイガモは飛べるから人の思惑通りに働いてくれるのかどうか不安が残る。
 アヒルに似ているガチョウは、ガン(雁)を家畜化したもので別の種類になる。見分け方は、クチバシのふくらみと首の長さ。ガチョウは動物園くらいにしかいないから、見分けるも何もないのだけど。
 ガーガー鳴くからガチョウ。アヒルは、足が広いところから足ヒロ、アヒロ、アヒルになったとか。
 北京ダックはアヒルで、フォアグラはガチョウの肝臓。ドナルドダックもアフラックも白いアヒルだ。みにくいアヒルの子はハクチョウ。
 けっこうややこしいといえばややこしい。お風呂に浮かべるアヒルのおもちゃにはラバーダッキーという名前がある。

 アヒルの体重は3キロから4キロ。体長は60センチから70センチくらいだろうか。
 水上生活に適した体になっていて、尾っぽから脂を出して羽にこすりつけたりして沈みにくい工夫をしたり、足に水かきがついていてうまく泳げるようになっている。その分陸上生活はやや苦手で、長い時間陸にいると足に負担がかかって痛めてしまうらしい。
 飛べないイメージがあるけど、その気になれば高さ2メートル、距離10メートルくらいは飛べるそうだ。よほど差し迫った状況じゃなければ飛ぶことはないと思うけど。
 食べ物は草や虫などの雑食で、飼うときはニワトリのエサなどでいいらしい。
 夜も目が見えて、卵は夜産む。アヒルはかなりの多産で、飼育下では年間150から200個も卵を産むという。野生のものがそんなに生んだら大変なことになってしまうけど。
 寿命は最高20年くらいで、平均すると10年くらいだそうだ。
 オスとメスの区別は、鳴き声でつく。ガァガァ鳴くのがメスで、クェクェっと鳴くのがオスだ。だから、ドナルドダックはメスということになる。

 アオクビアヒルを見て、なんだマガモのニセモノかよ、なんて思っていたら、意外とアヒルの世界も奥が深いものだった。これからは見方を改めなくてはと思った。
 マガモたちはもう子育てをするために北へ帰っていった。長い渡りの旅は危険がいっぱいで、無事帰りつける保証はない。前シーズン日本に渡ってきたマガモたちの全員がまた秋に渡ってくることはない。残されたアヒルたちは、そんなことに思いを馳せたりすることはがあるのだろうか。やっぱり空を飛んで渡りたいという願望がどこかにあるんじゃないか。遠い遺伝子の記憶として。
 遠くまで飛べないアヒルとは違い、飛べるのに渡らないことを選択したのがカルガモだ。アヒルとカルガモ、この時期居残り組の彼らはどんな会話を交わしてるのだろう。
 6月になれば、またカルガモがたくさんのチビたちを引き連れて歩く光景を見ることができるだろう。アヒルは一般的に卵を温めないと言われている。だから野生で増えることはないのだろう。
 せめて、池や川のアイドルとして、みんなにかわいがられる一生をアヒルには送って欲しいと思う。




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