現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
ゴマちゃんやタマちゃん、オカちゃんやナカちゃんの話 2006年5月19日(金)
2006年05月20日 (土) | 編集 |
ゴマちゃん

Canon EOS 10D+EF75-300mm(f4.0-5.6), f5.0, 1/800s(絞り優先)




 地上ではもそもそと腹ばいでしか動けないアザラシも、水の中ではカメラも追いつけないほどの速さで泳ぐ。プールの中をぐるぐるぐる泳いで泳いで回って回って回る〜。30周ほど見守っていたら、いい位置で浮かび上がってこっちを向いてくれた。ありがとう、ゴマちゃん。しかしその目は、こいついつまで粘ってるんだという不信感のようなものが宿っていたように見えた。鼻をふくらませてたのがその表れだったかもしれない。

 アザラシの種類を全部言える人間は、たぶん少ないだろう。世界に何種類いるか知っている人もそう多くないんじゃないだろうか。多摩川にいたタマちゃんのおかげで日本でも一般に広く知られるようにはなったものの、依然としてアザラシはさほど身近な生き物ではない。北海道に住んでる人をのぞいて。
 ゴマちゃんがあれからどうなったかは知らないけど、あれがアゴヒゲアザラシだったことは覚えている。あれから無事に海に帰り着いて今でも元気にしてるんだろうか。横浜市では西玉夫として住民登録されている。
 その後、ブームに乗ったわけではないだろうけど鴨川に現れたのが、この写真と同じゴマフアザラシのカモちゃんだ。それ以外にもナカちゃんやらウタちゃんやらいろんなのが出てきた。そしてキング・カズは調子に乗って岡田監督のことをオカちゃんと呼んで日本代表をクビになってしまった(それとこれは別だろう)。
 で、結局アザラシは何種類なんだというと、19種類もいるんだそうだ。私も今日勉強するまで知らなかった。せいぜい5、6種類だろうと思っていた。
 ハワイモンクアザラシ、チチュウカイモンクアザラシ、カリブモンクアザラシ、キタゾウアザラシ、ミナミゾウアザラシ、カニクイアザラシ、ウェッデルアザラシ、ヒョウアザラシ、ロスアザラシ、アゴヒゲアザラシ、ゼニガタアザラシ、ゴマフアザラシ、ワモンアザラシ、バイカルアザラシ、カスピカイアザラシ、タテゴトアザラシ、クラカケアザラシ、ハイイロアザラシ、ズキンアザラシ。
 北海道の海岸などでは、アゴヒゲアザラシ、ゼニガタアザラシ、ゴマフアザラシ、ワモンアザラシ、クラカケアザラシの5種が見られるらしい。それも知らなかったことだ。とはいえ、札幌育ちの人間とかまでが普通にアザラシと共に暮らしているわけでは決してないと思う。北海道人がみんな「北の国から」のような生活をしてるわけではないのと同じように。そういえば、地井武男はナカちゃんだった。

 アザラシは主に南極や北極などの寒いところで暮らしていると思われがちだけど、熱帯の海などにもいたりして、意外と広く世界の海に分布している。
 北海道では、一年中いるものと流氷に乗ってくるやつがいる。冬の到来とともにやって来て、氷の上で子供を産んで、また春になると北へ帰っていく。写真のゴマフアザラシは流氷タイプだ。普段は、ベーリング海やオホーツク海にいる。
 肉食のほ乳類で、魚やイカ、タコなどをとって食べる。かなりの大食いで、動物園ではたとえばホッケ6kgで600円ほどになるという。サラリーマンのお父さんのランチ並み。1日2食として、お父さんのおこづかいが月に3万円ではアザラシにメシを食わせていくこともできない。
 ほ乳類なので、赤ちゃんはお乳で育てる。チビの頃は真っ白のふわふわの毛並みをしている。これは流氷で姿が見つかりにくいからだろうと言われている。
 大きさは、体長1.5メートル、体重100キロくらいで、アザラシの中では小さい方だ。
 名前の由来は、見た目のごま斑から来ている。
 生息数は33万頭ほどで、寿命は30年くらい。一時はかなり乱獲されていたけど、最近は保護の方向に向かっているので、一応安定してると言っていいだろう。
 多摩川あたりに流れてきたり、動物園でも生きていけるところをみると、環境変化に対する対応力は高いのだろう。動物園では寝てばかりいるアシカと比べて、元気に泳ぎ回っていることが多い。アシカのようにやたら鳴いたりせず、おとなしい印象を受ける。

 アザラシは、アシカに負けないくらい賢いのに、動物園や水族館などで芸をしている姿はあまり見かけない。これは、手足が短く、アシカのように上手く歩いたり立ち上がったりできないからだ。前に進むときも腹ばいじゃないと進めないので、見ててなんか気の毒な感じがしてしまう。おかげで芸をやらされずにすんでいる。何が幸いするか分からない。アザラシは、芸のためなら女房も泣かす浪花節ではないのだ。
 そして今日も、黙ってプールをぐるぐるぐる泳いで泳いで回って回っているのであった。




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