 Canon EOS 10D+EF50mm(f1.8), f2.8, 1/30s(絞り優先)
グーテン・ターク。マイン・ナーメ・イスト・オータ。イッヒ・リーベ・ディッヒ。アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク。大学の第二外国語で習ったドイツ語を思い出しながら作ったドイツ料理。しかし、ドイツはやはり遠かった。どこまで行ってもドイッチュランドには辿り着けず、リリー・マルレーンの悲しげな調べが頭の中で流れた。 ドイツ料理とは何か? そんなストレートな質問を投げかけられると戸惑う。そんなものはない、というのが答えなのかもしれない。少なくとも、フランス料理やイタリア料理、中華料理やトルコ料理と同列上にドイツ料理は存在していない。ゲルマン魂は料理などという軟弱なことにうつつを抜かすのは恥ずかしいことだくらいに思っていたのかもしれない。フランスやイタリアなんかと一緒にしてくれるなと。 そんなことを言うとドイツ人は反論するだろう。ドイツにも美味しい料理はたくさんあるし、ドイツ人だって食べることに無関心なわけではない、と。しかし、ドイツには食通という概念がないという話を聞いたことがある。本当だろうか。ドイツには、どっちの料理ショーも、愛のエプロンも、金子信雄の楽しい夕食もないのだろうか? 猿でも作れるオリバー・カーンの男の料理、なんて番組なら観たい気もするが。 ドイツといえばまず思い浮かぶのがビールとソーセージだ。ドイツ人は毎日昼からビールを飲み、毎夕食にソーセージをかじっている。たぶん、そうじゃないかと思う。ドイツへ行ったこともないし、ドイツ人の友人もいないけど、きっとうそうだ。あとはジャガイモでも食べてるんじゃないだろうか。 ドイツ人は実際、毎日何を食べてるか? 答えは簡単。ドイツ料理を食べている。正確にはドイツの家庭料理を食べている。これといった特徴と確固としたスタイルがないだけだ。各地方でとれる特産物を伝統的な方法で調理しているという噂だ。調味料は少なく、基本的にシンプルな味付けらしい。ドイツの基本的な調味料は、塩とコショウとパセリなんだそうだ。フランス料理のようにソースに凝ったりしないし、イタリア人みたいに無闇やたらにパスタばかり食べているわけでもない。ご飯の代わりにパンを食べ、白ワインをよく飲むという。 それにしても、ドイツ人がここまで食へのこだわりを見せない理由がよく分からない。地理的にはフランス、イタリアが近くで海にも面しているし、土地が特別やせてるわけでもないだろうに。やはり民族的な気質ということなのだろうか。イギリスに近いようにも思える。
というわけで、ドイツ料理を作ろうとすると、まずはそのメニュー作りが難しい。代表的な食材もなく、ドイツらしさを前面に出そうにも格となるものがない。いろいろネットでも調べたけど、これでいこうという方向性も見つからないまま、ドイツ料理レシピをアレンジしたオリジナルのレシピとなった。 左手前は、ソーセージとジャガイモでドイツらしさを少しだけ出してみた。作り方はいたってシンプル。オリーブオイルとバターで、ソーセージ、ジャガイモ、マッシュルーム、タマネギ、トマトを炒めて、白ワインと塩、コショウ、パセリで味付けしただけだ。これはきっと、ドイツの家庭でも同じようなものが作られてると思う。単純な味付けだけどトマトが効いている。 左奥は、クリームシチューのようなもの。鶏肉、タマネギ、アスパラ、ジャガイモ、ニンジン、ネギをバターで炒めて、白ワインと水で少し煮込んだあと、チキンブイヨンで味付けして、手作りホワイトソースを混ぜて出来上がり。ドイツでもこういうホワイトシチューのようなものが食べられてるそうだ。 右のは、ドイツでは一応代表的な料理のひとつとなってるマウルタッシェンを自分風に作り替えたものだ。パスタ生地の中に具を入れて煮たり焼いたりする料理で、ドイツのギョウザかワンタンと思えば遠くない。本来はひき肉を使うそうだけど、私はシーフードにした。 生地は久々に手作りした。小麦粉と卵黄、水を混ぜてこねくって、こねくって、こねくって、伸ばして、伸ばして、伸ばして、包み込む。中身は、白身魚、エビ、ほうれん草、タマネギ、ベーコン。ソースは、お湯に溶かしたコンソメの素にバターを加えたバターソース。パセリもかなり入っている。これは作るのが面倒だけど、あっさり味で美味しいのでオススメしたい。
ドイツ度は判定不能。基本となるドイツ料理が分からないし、想像もできないので比較のしようがない。味としては、無難な75点といったところ。失敗はなかったけど、大きな成功とも言えない。 家庭料理としてのレベルでいえば、ここ最近はかなり安定してきている。波も小さくなったし、時間と量のコントロールもうまくできるようになった。次のステップは、アレンジからオリジナルへのジャンプということになるだろう。ただ、まったく何も見ずに食材だけでオリジナルの料理を作るところまではまだまだいっていない。食材的なチャレンジも今後の課題となる。 こうして第二回ドイツ料理は幕を閉じた。イタリアの優勝で。 あ、そうそう、何故今回ドイツ料理だっかといえば、言うまでもなくドイツのワールドカップ記念に他ならない。ここでドイツ料理を作らなければいつ作るって話だ。しかし、依然としてドイツ料理の正体はシュヴァルツヴァルトの向こう側にあって見ることができない。私のドイツ料理にシュトルム・ウント・ドランクの波が押し寄せる日は果たして来るのだろうか?
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