現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
キセキレイを見て思うことあれこれ 2006年6月20日(火)
2006年06月21日 (水) | 編集 |
キセキレイという響き

Canon EOS 10D+EF75-300mm USM(f4-5.6), f5.6, 1/80s(絞り優先)



 キセキレイという鳥がいる。この鳥の存在を初めて知ったとき、その姿ではなく名前に魅了された。キセキとキレイがリエゾンしているその響きに。なんて贅沢な名前なんだ。漢字を当てはめるなら、たとえば輝石麗。まるで宝塚星組のトップスターみたいではないか。読み方でキに力を入れずフラットにキセキレイと読ませると、今どきのJ-POPのアーティストにそんなのがいそうだ。
 しかし実物は奇跡のように綺麗とはいかず、写真のようにまあまあきれいな野鳥だ。名前も、奇跡や綺麗やから来てるわけではなく、単に黄色いセキレイだから黄鶺鴒。分かってしまえば、なぁんだとなる。

 同じセキレイの仲間としては、セグロセキレイやハクセキレイが馴染み深い。見かける回数も圧倒的にあちらの方が多い。キセキレイはそれほど珍しい鳥というわけではないけど、生息数が少ないのでそんなにしょっちゅう見かけるわけではない。だから、見るとそれなりに嬉しい。
 大きさは20センチとセグロセキレイやハクセキレイよりやや小さい。ただ、見た目がスリムなので、印象としてはもう少し小さく感じる。
 特徴はなんといっても黄色い腹だ。写真はメスなので黄色が薄いけど、オスははっきりと黄色いのでよく目立つ。夏場のオスは、のどのところが黒いのですぐに見分けがつく。ただ、冬羽になると全体的に色味が薄くなるので、分かりづらくなる。
 背中はグレー。面白いことに、英名はGrey Wagtailと、腹の黄色ではなく背中の灰色から名前を付けている。どう見ても黄色い腹の方がこの鳥一番のポイントだと思うんだけど。

 生息地は広く、西はイギリスから東はロシアまで、ユーラシア大陸全体とアフリカでも暮らしている。日本では九州より北では留鳥で、北海道は夏鳥、南西諸島では冬鳥となる。暑すぎず寒すぎない土地が好きらしい。
 基本的には水辺にいることが多く、都会よりも郊外や山の方を好む。ハクセキレイやセグロセキレイに比べると高い山や川の上流にもいることもひとつの特徴となっている。
 繁殖期以外は単独行動で、それが広い生息域につながっているのかもしれない。群れで行動してるとどうしても制約が多くなるのは野鳥も人間も同じだ。ひとりだと気ままにあっちへ行きこっちへ行きしていても許される。実際、キセキレイは引っ越し魔とも呼ばれているほど季節によってもいろいろとすみかを変える。
 エサは、主に水辺にいる昆虫などで、飛んでいるところをフライングキャッチしたりもする。カゲロウやハエ、ときにはクモなども食べる。
 子育ての時期になるとつがいになって、オスはなわばり意識が強くなる。他のセキレイにつっかかっていったり、車のバックミラーに映る自分に攻撃したりなんてこともある。カラスにも向かっていくほど気性の荒い面も持っている。
 木の上や民家に近いところでも巣作りをして、オスメス共同で子育てをする。

 キセキレイを見ると、子供の頃飼っていたセキセイインコのことをふと思い出す。最初にバザーで買ってもらったのが黄色いセキセイインコだった。そのつがいから卵が産まれ、ヒナが育ち、やがて私は世話に飽き、父親が木の板で巣箱を作って代わりにかわいがるようになり、ますますインコは増え、時が流れたある日の朝、巣箱を見るとインコが3分の1に減っているという事件が発生した。前の日の晩にエサを交換したとき入り口を閉め忘れたのだった。それでも逃げなかったインコは偉いなぁと私は子供心に思ったけど、父親の嘆きは大きかった。
 逃げ出したインコたちはあれからどれくらい生きられただろう。当時はカゴ抜けインコたちがたくさん野生化していた時代だったから、うまく群れに入って寿命を全うできただろうか。でも、たとえ短い間だったとしても、空を自由自在に飛びまわれたことはインコたちにとって幸せだったかもしれない。少年時代の私は、そんなことも思ったのだった。
 なあ、キミもそう思うだろ? と、特別出演の彼↓に訊いてみた。
どら猫の王道
 オレは知らん! とばかりに、どら猫はあさっての方向を向いたまま。

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