 Canon EOS 10D+TAMRON 28-300mm XR(f3.5-6.3), f7.1, 1/320s(絞り優先)
いいものが目白押しでどれにするか迷ってしまうなぁ、というのはこのメジロから来ている。鳥好きの間では常識だけど、一般常識と言えるかどうか微妙なところだ。メジロは知っていても目白押しの語源を知らない人は案外多いんじゃないだろうか。メジロがみんなで枝の上にとまるとき互いにぴったりくっついて並ぶので、その様子がまるで押し合いでもしてるようだということから来ている。 メジロとウグイスで混乱している非鳥人もけっこういそうだ。鶯色(うぐいすいろ)という言葉がその原因となっている。実際のウグイスはやや緑がかった灰色をしていて、いわゆる鶯色はこのメジロの色を指すことが多い。だから、うぐいすパンは、本当はメジロパンと名前を変えないといけないのだ。みんなでヤマザキに投書しよう。 春先、梅が咲くとすぐにやって来るのがこのメジロで、梅に鶯という言葉からメジロのことをウグイスと思い込んでいる人もけっこういるようだ。ウグイスはとても用心深い鳥なので、人前に姿を見せることはめったにない。いつも木々が生い茂っている中の方でさえずっている。私もまだしっかり見たことがない。いつか写真を撮りたいと思いつつ、すぐ近くでホーホケキョ、ホーホケキョという声を聞くばかりだ。 目白といえば、東京には目白がある。昔はメジロがたくさんいるところだったから目白となったという話だけど、実際のところはよく知らない。目黒というのもあるけど、あっちはどうなんだろう。実はメグロという鳥もいる。小笠原にしかいない珍しい天然記念物の鳥なので見たことがある人は少ないと思う。でも考えたらあれも東京だ。 メジロといえば、メジロマックィーンやメジロライアンなどを思い出す競馬ファンも多いかもしれない。オグリキャップが勝った有馬記念、ゴール手前で横から思わず口をついて出た大川慶次郎の「ライアン! ライアン!」は忘れがたい。
メジロは特別珍しい鳥ではなく、留鳥として一年中その姿を見ることができる。公園から山まで、生息域も広い。ただ、葉が生い茂る内側にいることが多いので、はっきりと姿を見る機会はあまり多くない。体も小さく、ちょこまかと落ち着きがないせいもあって、写真には撮りづらい鳥だ。今回、初めて全身を撮ることができて嬉しかった。 日本以外にも中国、朝鮮半島、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなどにもいるそうだ。地域による亜種も多い(日本だけでもシマメジロ、リュウキュウメジロ、ダイトウメジロ、シチトウメジロ、イオウジマメジなどがいる)。 体長は12センチほどとスズメよりも小さく、体重は1円玉10枚分の10グラムしかない。日本ではかなり小さい部類に入る。 オスメス同色で、特徴は黄緑色の体と、名前の由来となった目の周りの白いふちどりだ(アイリング)。でも、目玉は普通に黒いのだから、考えたら目白というのはおかしい。英名も、Japanese White eyeとなっている。 繁殖期は5月から7月。一夫一婦で卵を産む回数は1回から3回くらい。林の中の木の上なので、子供の姿を見ることはあまりないんじゃないかと思う。 子育ての時期以外は、シジュウカラやエナガなんかと混成チームで行動してることが多い。群れで移動しながらエサを探している。 メジロは甘党としても知られている。桜や梅、椿などでよく蜜を吸う。なので、庭に半分に切ったミカンなどを置いておくと、やって来ることがある。砂糖水にもつられるというから、相当な甘いもの好きだ。特に冬場などは花が少なくなるので、メジロを呼び寄せるチャンスだ。その前にヒヨドリがやって来るだろうけど。
メジロはなかなかにかわいいやつなのでオススメしたい野鳥だ。見るのも撮るのも嬉しい。撮るのはちょっと難しいけど見るのはそれほど難しくはない。 メジロくらいは知っていても一般人から逸脱しないので安心だ。さりげなくメジロとウグイスの違いなども語ってみるといいだろう。そういえば50円切手のデザインってメジロだったよね、というところまでは大丈夫だ。ただし、へぇー、よく知ってるね、なんて誉められて調子に乗ってしまい、70円はシジュウカラで、80円はヤマセミ、90円がカルガモで、100円が銀鶴、110円がコチドリ、120円がモズ、130円がウソ、140円がイカル、160円はカケスなんだよね、知ってた? なんてつい口走ってしまうと、鳥の人ということがバレてしまうので気をつけたい。同時に、切手収集が趣味と思われてしまう可能性さえある。シャラポワだって切手集めが趣味なんだよと言い訳してももう手遅れだ。 メジロは意外な危険をはらんだ鳥だった。
|