現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
野草の知略に学ぶことは多く、学習に終わりはない 2006年7月21日(金)
2006年07月22日 (土) | 編集 |
夏だけどアキノタムラソウ

Canon EOS 10D+TAMRON SP 90mm(f2.8), f4.5, 1/500s(絞り優先)



 梅雨もまだ明けないのに咲き始めたアキノタムラソウ。夏に咲くのにアキノタムラソウ。一本でもニンジン、二足でもサンダル。けど、アキノタムラソウが咲き始めるのは7月なので、アキノタムラソウとしては間違ってない。名前を付けた人間の問題だ。花期が長くて11月まで咲いてるから、秋口に見つけてそう名づけたのだろうか。
 この野草、誰がいつどんな理由で命名したのかよく分かってないのだという。何故、田村草なのか。どうして秋のなのか。アザミによく似たタムラソウ(田村草)というのがあって、あちらも同じようによく分かってないらしい。更に、ナツノタムラソウ、ハルノタムラソウというのもあるからややこしい。あまりつつかずにそっとしておいた方がよさそうだ。
 ナツノタムラソウとアキノタムラソウはよく似ている。ナツノの方が色が濃くて、雄しべと雌しべが花からぴよ〜んと飛び出していることを知っていれば見分けはつく。ハルノタムラソウは、山地の谷間などに咲く珍しいやつなのであまり気にしなくていいと思う。
 シソ科のサルビア属ということで、花壇で咲くサルビアの仲間だ。ずいぶん印象は違うけど、花の様子は似てる。学名のSalvia japonicaはそのまま、日本のサルビア。ジャポニカ学習帳って、日本の学習帳って意味だったのか。今さらながら知った。

 アキノタムラソウは、本州、四国、九州に咲く普通種だ。北海道に咲いてないということは、寒さには弱いらしい。国外では朝鮮半島から中国あたりに分布しているらしい。
 街中ではあまり見かけないかもしれない。田んぼのあぜ道などでよく見かける。
 花期が4ヶ月というのはかなり長い。野草写真を撮るために追いかけていると、野草の花が咲く時期は本当に短いことを知る。1週間だったり2週間だったりするものがかなり多く、海上の森なども、ひと月ぶりに行くとがらりと顔ぶれが変わっていて驚く。先月まであんなに咲いていたのに影も形もなくなってしまって、次の花に場所を譲り渡している。自然の知恵というのはすごいものだ。

何アザミだろう

 これはタムラソウじゃなくアザミだと思う。アザミかと思って見るとタムラソウということはよくあるのだけど、いざタムラソウを探そうと思うとどこにあるかよく知らないことに気づく。
 タムラソウとアザミの見分け方は、トゲのあるなしだ。葉っぱがトゲトゲで痛そうだったらアザミで、トゲがなくて普通っぽかったらタムラソウ。花だけを見て区別するのは難しいくらいよく似ているので、前はよくだまされた。タムラソウの方が花先がもじゃもじゃしてるっていうんだけど、確かにくせ毛っぽい感じはするかもしれない。
 それはそうと、「アザミ」という花はない。「スミレ」という名前のスミレはあるけど、アザミはない。一般的に私たちがアザミと呼んでいるのはノアザミだ。北海道以外で見かけるやつはこれが多い。それ以外にもたくさんの種類のアザミがある。私は区別を放棄してしまったのでよく分からない。
 ノハラアザミ、タイアザミ、アズマヤマアザミ、ヒメアザミ モリアザミ、キセルアザミなどなど。ただし、アザミのつぼみみたいなキツネアザミだけは分かる。あれはアザミのニセモノだから。というか、別の種類の花だから。それでキツネ呼ばわりされてしまっている。
 アザミは日本に30種類以上自生してるそうだ。いつか全部区別がつくようになる日は来るだろうか。

ハンゲショウはやっぱり半化粧

 これを初めて見たとき、誰かが白いペンキでイタズラしたかと思った。同じようなことを考えた人は多いんじゃないだろうか。しかし、これが不思議な習性を持つハンゲショウ本来の姿だ。誰かがいじめたわけではない。
 それにしてもこいつは面白い植物だ。夏至を過ぎる頃に花を咲かせ始め、そのときになると一部の葉っぱだけをこのように半分白くさせる。葉っぱの全部ではなく、上の方の2、3枚だけ。そして、花が終わるとだんだん元の緑色に戻っていくのだ。花が地味すぎて虫を呼び寄せるために葉っぱを目立つ白色に染めるのだというのが一般的な説だ。
 花は、茎の先にもじゃもじゃっとついてる小さなやつ。確かにこれでは目立たない。飾り花(苞)を目立たせるという戦略は、そういえばミズバショウやドクダミなんかもそうだ。と思ったら、ハンゲショウとドクダミはお仲間だった。花の咲く時期だけ白くなるというのは変わってるにしても、戦略としてはさほど特別なものじゃないのか。
 漢字で書くと半夏生。夏至から11日目をそう呼び、その季節に花を咲かせるからその名が付いたようだ。あるいは、半夏生が先にあって、そこから時節の名になったという話もある。
 しかし、この花を見て、ハンゲショウと聞けば、「半化粧」という文字がパッと思い浮かぶ。まるで白粉を塗っている途中みたいだから。別名としては、カタシログサ(片白草)というのもある。

 野草たちの知恵や戦略というのは面白くもあり、なんてうまくできているんだと感心もする。人はそこから多くのことを学ぶことができる。花たちは、ただきれいな姿を見せているわけではない。生き延びるための非常にしたたかな知略も持ち合わせている。
 すべては興味を持つことから始まる。そして知ることだ。学ぶべきことに終わりはない。私も生涯学習のユーキャンで空手でも学ぼうと思う(ユーキャンに空手ってあったかな?)。




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