 Canon EOS 10D+Super Takumar 50mm(f1.4), f5.6, 1/500s(絞り優先)
今年が戌年だということを覚えている日本人は全体の何パーセントくらいなんだろう。ふいに問いかけられて即答できるのは半分くらいだろうか。覚えていても意識しながら生活している人は少ないだろう。朝目が覚めて、今年は戌年だったよな忘れないようにしなくちゃと思う人はまずいない。 伊奴神社フィーバーから早8ヶ月。一度行っておかなくてはなと思いつつそれだけの時が流れた。庄内緑地へ行った帰りに寄ってみたら、当たり前だけど普通の神社に戻っていた。正月三が日は、普段の年の5倍の10万人がこのマイナーな神社に初詣に訪れたという。
伊奴神社、これは「いぬじんじゃ」と読む。「いぬ」という字が入っている日本で唯一の神社だと言われている。そんなマスコミの宣伝によって、12年前からにわかに脚光を浴びるようになり、今年は更に大変な賑わいになった。戌年だから伊奴(いぬ)神社というのは無理なこじつけじゃないかと思うかもしれないけど、実はここ、犬を前面に押し出した神社なのだ。狛犬も普通の犬だし。 元々は、伊奴姫神(いぬひめのかみ)を祀っていたところから神社の名前となった。そして、こんな伝説が残されている。 かつてこのあたりは稲作が盛んなところだったのだけど、近くを流れる庄内川がたびたび氾濫して困っていた。そこへある日、ひとりの山伏が旅の途中で立ち寄り、泊めてくれたお礼にと御幣(ごへい)を立てお祈りをしてくれたらピタリと洪水が収まった。何が書いてあるんだろうと御幣を開けたところ、そこには犬の絵と「犬の王」という文字が書かれていたという。しかしそれは開けてはならないと言われていたものだったため、次の年はまた洪水となってしまった。そこで村人は謝ってもう一度山伏に頼んだら、御幣を埋めて社を建てて祀りなさいと言われたのでそうした、というのが伊奴神社の始まりと言われている。
伊奴姫神は、素盞鳴尊(すさのおのみこと)の子供である大年神(おおとしのかみ)の娘ということで、この三神がこの神社の主神となっている。子授け、安産、夫婦円満、家内安全などの御利益があるとされる伊奴姫神と、お産が軽い犬が祀られていることから、安産祈願が得意な神社と言っていいだろう。 伝説とは別に、実際のところいつここが建てられたかといえば、天武天皇の673年というからかなり古い。この地方では熱田神宮の次だと言われている。この地で収穫された稲を皇室に献上した際に社殿が建てられたことが始まりのようだ。 中に入ってみると、拝殿などはさほど古いものではないものの、鬱蒼と生い茂った古木たちが長い歴史を確かに感じさせる。御神木となっている白蛇がすんでいたという樹齢800年の椎の木や、天狗がすんでいたという大杉などに圧倒される。 もっと小さな神社を想像していたのに思った以上に立派なところでちょっと驚いた。ちゃんと社務所もあって、神主さんや巫女さんが常駐しているようだ。
 こちらはお稲荷さん。朱色が目にも鮮やかだ。玉主稲荷社で、五穀豊穣、商売繁盛の神様とされる。 ここを訪れると一気にいろいろな御利益がありそうだ。安産だけでなく、素戔嗚尊や大年神に厄除けなどを祈りつつ、御神木に触って病気祈願に長寿の願い、金運まで願い、名物となっている縦2メートル横3メートルの巨大な犬の絵馬にペットの健康を祈り、ついでに合格祈願までしてしまえる。七五三詣でや車のお祓いもしてくれるし、名古屋場所のときに訪れると、元横綱旭富士の安治川部屋が境内で相撲の稽古をしてるのを見ることもできる。 中でもやはり犬の神社ということで、犬連れの参拝者が多いようだ。にもかかわらず、看板の注意書きには「犬や猫の散歩は禁止」と書かれているのは何事だ!? 犬を神様として祀ってあるのに犬の出入り禁止なんてあり得ないだろう。犬連れのお参りはいいけど散歩コースとして利用するなということだろうか。実際、犬を連れてみんな中に入っているし、巨大絵馬の前に犬を坐らせて記念撮影をするのがなわらしとなっている。 それと、猫の散歩禁止ってどういうことだ。猫の首にヒモをつけて散歩させてる人なんて見たことないぞ。猫が境内を歩くのを禁止したいなら猫に分かるように書かないと。飼い猫を神社に連れて行って放してる人ってのもそうはいないし。
明日から9月で、今年の残りもあと4ヶ月となった。初詣をまだ済ませてない人は、ここ伊奴神社をオススメしたい。せっかくの12年に一度の戌年だし、今年を逃すと次はずっと先になってしまう。今更遅いだろうなどと言わず、まだ4ヶ月もあるんだから、その間にいいことは充分起こり得る。御犬様の力にあやかろう。 神社の場所はけっこう奥まったところにあるので説明が難しい。名古屋城の北、庄内緑地の南東の西区稲生町にある。公共交通機関だと「庄内通」駅から歩いて15分くらいだろうか。車で行くと、細い道を入っていって、ぐるぐる回っていればそのうち見つかると思う(なんていい加減な説明なんだ)。駐車場は10台分くらいある。 犬の絵が描かれたものや犬の形をしたもの、犬の足形などの珍しいお守りを売ってるので、名古屋近辺の愛犬家の方はぜひ一度訪れてみてください。安産祈願をすれば、犬のように五つ子、六つ子が授かるかも! 追いつけ追い越せ、堀ちえみと橋下弁護士。
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