現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
駆け回るリスを撮るつもりが撮れたのは食事中だけ 2006年9月15日(金)
2006年09月16日 (土) | 編集 |
東山のニホンリス

OLYMPUS E-1+Super Takumar 200mm(f4), f4.0, 1/50s(絞り優先)



 ふいにリスが見たくなった。ふとしたはずみにラーメンが食べたくなるみたいに。リスを見なければ気になって夜も寝られなくなってしまいそうだったので(そんな大げさな)、東山動物園へ行ってきた。それは、「小鳥とリスの森」の中にいた。入っていってすぐに足もとをピャーと駆け抜けていったので、ネズ公か!? と思ったらリスだった。まさか、放し飼いだと思ってなかったので驚く。わっ、頭の上を何か鳥が猛スピードで飛んでいった! よく見るとヤマガラだ。ヤマガラさんまでこんなところに? 藪の中でがさごそ音がするので見てみると、何やら見慣れない鳩のようなやつがいる。コジュケイ? 水たまりの中にはオシドリがいて暴れている。なんだかちょっとしたジャングルに踏み込んでしまったみたいだ。
 小屋の中は200坪くらいだろうか。高さは15メートルくらいで、金網に囲われている。動物を外から観察するのではなく、人間がお邪魔するスタイルだ。これはいい。その中でリスをはじめ、小鳥やら中鳥やらが放し飼いになっていて、すぐそばで観察したりエサをあげたりできるようになっている。木々が植えられ、エサ台もたくさん用意されていて、リスたちにとってはなかなか住み心地がよさそうだ。
 どれどれ、早速リスの野郎を激写してやろうか、と思いきや、ややや! 速いなっ……とシャアのようにつぶやく私。リスの速さときたら、ネズ公の速さを凌駕するほどで、不慣れなデジタル一眼とマニュアルレンズではちょっとやそっとのことではとてもじゃなけど撮れそうな気がしない。小屋の中は薄暗いのでシャッタースピードも上がらない。飛び跳ねてるリスの生き生きした様子を写す予定は、撮影開始3分で大きな方向転換を余儀なくされたのであった。跳ねてる瞬間の空中に浮かんでいるところを撮りたかった。
 基本的にここのリスは人に慣れていない。というか、勝手気ままに人間を無視して行動していると言った方がいいかもしれない。人の足もとをすり抜け、木に駆け上がり、木から木へと渡り、金網を登って屋根の向こうに消えたり、神出鬼没。ここで動いてるリスを撮れる人はよっぽど上手いか運がいい人かのどちらかだろう。エサをあげると近づいてはくるものの、触ることはできず、手乗りなど夢のまた夢といった感じだった。
 狙いを食事中のリスに切り替えることにした。そのときばかりはやつらも油断して動きを止めるので撮ることができる。後ろからこっそり近づいて、遠くから撮ったのがこの写真だ。何食べてんだ? もしかしてトマト? リスってトマトなんか食べるのかな。雑食だから、こんなものも気まぐれに食べたりするのかもしれない。それともリンゴか?
 なんとか一枚は撮れて気が済んだ。これで一枚も撮れずに終わったら、ラーメンを食べようと思ったら買い置きが切れていて、買いに行くのも面倒で次の日まで待とうかやっぱり買いに行こうか迷いながら寝付かれない夜、みたいになっていたところだ。それでも、空中のリスはいつか撮りたい。

 世界には250種類以上のリスがいる。木の上で過ごすリスと、地面で暮らすリスに大きく分けられ、樹上性のものが木の実やキノコを食べるのに対して、地リスは草などを食べる。樹上性は主に南アジアで、地リスは北アメリカを中心に生息している。プレーリードッグなどがそうだ。オーストラリアにはリスがいないというのはちょっと意外だった。
 日本にいるリスとしては、北海道のエゾリスとエゾシマリス、本州、四国、九州にいるニホンリス(ホンドリス)が主だったところだ。写真の東山にいたやつはニホンリスで、シマリスも飼育室の中にいた(混血にならないように)。中国地方や九州では近年、ニホンリスが激減してるようで、九州では絶滅したのではないかとも言われている。ニホンリスは日本の固有種だ。
 最近ではペットとして入ってきたタイワンリスやチョウセンシマリスが逃げ出したり野生化して数を増やしているという。
 それから、モモンガとムササビもリスの仲間なんだそうだ。あいつら飛んでるじゃないかと思いきや、あれは滑空してるだけで飛んでないし基本構造はリスなんだそうだ。なんとなく納得できないけど。

 ニホンリスの大きさは、20センチ前後。走ってる姿を見ると小柄な印象を受けるけど、至近距離で見ると意外と大きい。しっぽがふさふさで15センチくらいある。体重は250グラム前後くらい。
 昼行性で、夜は寝てる。昼は基本的に単独で走り回ったりエサを食べたり、食べ物を隠したりして過ごす。エサを隠すのは冬場を乗り切るためだ。エサがなくなる冬のために貯蓄しておかなくてはいけない。頬の内側にエサを詰め込む頬袋を持っていて、ここにエサを詰め込んで頬がふくらんでいるリスはかわいい。昔の宍戸錠みたい。
 寒いところにいるやつも冬眠はしない(地リスは冬眠する)。だから、エサを隠しておくのは本能というよりもっと強い強迫観念みたいなものかもしれない。ペットとして飼われているリスでも一生この習性から逃れることはできない(よく知らないけどたぶん)。
 夏と冬では衣装が違う。衣替えするのだ。夏場は写真のように赤茶色をしていて、冬場は灰色になって、耳にも毛がふさふさになる。
 エサは、ヒマワリの種やクルミ、ドングリなどが中心で、もらえるのなら果物類なども食べる。鳥のエサだって横取りしてしまう。日本で固いオニグルミを割って食べられる生き物は、このニホンリスとアカネズミだけだと言われている。そんなことはない、オレだってできるぞといって挑戦して前歯を折っても私は知りません。
 小枝や樹皮などを集めて小鳥のように樹上に巣を作り、年に一、二度、一回に数匹の子供を産む。ネズミのようにやたら増えたりはしない。
 個人的な好みとしては、ニホンリスよりもシマリスが好きだ。あっちの方がかわいく見えるから。でも、ニホンリスもこれはこれで悪くない。動物園やリス園などで機会があったらぜひ見てみてください。そして、走り回っているリス撮りにもチャレンジして欲しい。難しくて翻弄されるけど面白いですよ。まだまだ日本各地で野生のニホンリスもいるというから、今度はぜひ自然の中で出会いたいと思う。そのとき撮れたら感激もずっと大きいだろう。

 ところでこのブログ、今日で一周年を迎えたのでした。特にイベントもなく、さりげなく過ぎてしまったけど、一年間一日も休まずに書き続けた自分に驚く。どんだけ暇なんだ! と一応自ら突っ込んでおこう。
 まだまだ全然終わる予定はないので、当分続きます。そんなわけで、今後とも暇を見つけて遊びに来てくださいね。私はいつでもここにいますから。




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