現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
誰ですか、バナナの天ぷらが美味しいって言ったのは 2006年11月5日(日)
2006年11月06日 (月) | 編集 |
メイン食材はバナナサンデー

PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f3.5, 1/30s(絞り優先)



 今日のサンデー料理のメイン食材は、バナナだった。いや、ホントに。これが今日のすべてといってもよかった。
 オレはバナナの天ぷらを食うんだという固い決意の元、始まったサンデー料理。その結論は、やっぱり、バナナの天ぷらはダメだこりゃ、だった。とにかく恐ろしく甘い。火を入れたバナナは、火を入れないバナナに比べて当社比3倍となってしまうのだった。おやつとしてはいけるかもしれないけど、おかずとして食べるには他のものとのバランスがあまりにも悪すぎる。一部ちまたではバナナの天ぷらは美味しいという説があったのだけど、あれは風説の流布に抵触すると思う。それとも、使ったバナナが間違いだったのだろうか。外国には食用バナナがあるから、あれを使えばバナナの天ぷらも美味なのかもしれない。
 とはいうものの、貴重な体験ができたという満足感は残った。今思い返してみると、あの甘みもあれはあれでいいのかもしれないと思えてきた。予想を超える甘みに面食らってしまって冷静な判断を欠いたきらいがある。その答えは、ぜひ各自で確かめて欲しい。もしくは、だまって家族に出してみるという手もある。テレビに気を取られながら何気なく天ぷらを口に運んだら予想しない味の広がりにダンナさんは思わず叫び声を上げるだろうか。なんじゃこりゃぁ! と。
 調理法はいたって簡単。皮をむいて薄めの輪切りにして、小麦粉をつけて揚げるだけだ。特に工夫の余地もない。ソースはお好みなのだけど、私はカレー味のタルタルソースでいってみた。が、少々のカレー味など吹き飛ばしてしまうほどのパワーは、日米野球の日本人ピッチャーの球をいともたやすく弾き返すメジャーのバッター並み。カレールーでも太刀打ちできないだろう。本来甘さは美味しさに直結するはずなのに、なんとかこの甘みを打ち消そうとする無駄な努力。太宰治は、「甲斐なき努力の美しさ」と言ったけど、太宰さん、これはいけませんよ。あらゆる食べ物に味の素を振りかけていた太宰治でさえバナナの天ぷらからは逃げ出すに違いない。

 天ぷらというか素揚げというか、他の具材はジャガイモとカボチャ。
 少し下茹でをしたあと、レンジで水分を飛ばして、小麦粉をつけて揚げた。ソースは、マヨネーズベースに、タマネギ、パセリ、からししょう油、ヨーグルト、黒コショウ、牛乳、カレー粉などを混ぜたもの。
 手前のは、ナスとトマトとタマネギの挟みチーズがけ。
 オリーブオイル、バター、コンソメの素で、ナスとトマトを焼いて、重ねた後とろけるチーズを乗せてトースターで5分ほど焼きを入れれば出来上がり。
 右奥は、白身とエビの和風ハンバーグ風。
 白身魚、エビ、タマネギを刻んで、卵黄とカタクリ粉、パン粉で混ぜたら、あとはフライパンで焼くだけ。
 ブロッコリーはゆがいて、たれは和風だれ(しょう油、酒、みりん)にカタクリ粉でとろみをつける。

 今回ちょっとバナナに気持ちの比重がかかりすぎていたのだけど、完成したものを見たら、中途半端ながら図画工作的になっていることに気づいた。実は魚ハンバーグも、星形の型で焼いたのだった。そんな風には見えてないけど。これをもっと追求していけば顔とかアニメくらいなら描けそうだ。更に彩りも増やして。
 天ぷらの方にも今後のヒントがあった。色とりどりの野菜を様々な形に切って、モザイク画みたいにできるんじゃないか。調理すると型くずれするから細かいものは無理にしても、デザインさえちゃんと考えれば何かが描けるはずだ。できれば来週やってみたい。来週、私は山下清にな、なるんだな。そのときはちょっと寒くてもランニングシャツと半ズボンに着替えなくてはなるまいな。お、お、おむすびも欲しいんだな。
 味の方はバナナさえ除外すれば申し分なかった。充分日常の食卓において不満のないレベルだ。気づけば私の料理も学食や社員食堂は追い越した。先週でちょっと味にも目覚めて自信も出てきたから、もういつでも人に食べてもらえると思う。オオタさん、料理するんですか? うん、するよ。けっこう美味しいよ。とさりげなく答えられる私になった。ホントかなぁなどとイジワルなことを言う人にはバナナの天ぷらを出す。そして黙らせる。ぜひ一度食べてみたいですぅー、などと優しいことを言ってくれる人には、これなら大丈夫と思える5品くらいの中から3品を作って出してあげたい。
 今後もまだまだレパートリーを増やしていきつつ、あらたな食材にも挑戦していこうと思っている。バナナがダメだったからといって甘いものや果物が全部使えないと決まったわけではない。とりあえずいろんなものを天ぷらにしてみるというのもいいかもしれない。果物総天ぷら化作戦。中には意表をつく美味しさをかもしだすフルーツがあるかもしれない。キウイとかはどうだろう。マスカットの天ぷらなんかは形が面白そうだし、リンゴの酸味がどうなるかにも興味がある。同時につけるたれの研究もしないといけないだろう。料理は味の追求だけじゃない。
 誰のために私が料理を作るかと訊ねることはない。それはあなたのためなのだから。




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