現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
ソース作りサンデー料理は私に収穫と教訓を残した 2006年11月12日(日)
2006年11月13日 (月) | 編集 |
ソースありきのサンデー料理

PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f2.8, 1/30s(絞り優先)



 今日のサンデー料理のコンセプトは、ソース作り、だった。料理の味はソースで決まる。特に外国料理の場合はそうだ。逆に言えば、和食というのは食材で味が決まる世界でも非常に珍しい料理と言えるだろう。ソースといっても、コーミスースやキッコーマンのしょう油を一から作ろうというのではない。しょう油を最初から作ろうと思ったら、大豆と小麦で麹を作って3年もかかってしまうから、それは無理な話だ。そうではなく、洋食に合うようなソースをいろいろ作ってみようというのが今日のテーマだった。
 作ったのは写真の6種類。失敗あり、成功あり、まずまずもあり。というか、多すぎるだろう、ソース。どんだけソースかけるつもりなんだ、私。

 洋風ソースの基本はマヨネーズだ。渡辺徹もそれには異存がないだろう。というわけで、今回はマヨネーズ作りから始まった。
 マヨネーズって作れるの? と思った人もいるかもしれない。これが作れるんですよ、奥さん。しょう油のように3年もかからず、15分くらいで簡単に作れるのだなぁ。
 まず卵黄をひとつ、塩小さじ1、コショウ少々、マスタード小さじ1をよくかき混ぜる。かき混ぜ器があれば楽だけど、ここはひとつ手でかき混ぜたい。手の筋トレも兼ねて(兼ねるなよ)。お前はキントレスキーか、というツッコミをよそに、酢大さじ1を加えて、もっと混ぜる。そこへ、カップ1のサラダ油を少しずつ加えながら更に激しく混ぜていく。こんなに油を混ぜていいものだろうかと不安になりつつ、分量は間違ってない。マヨネーズを自分で作ると、いかにマヨネーズが体に悪いかということがよく分かる。手が疲れて動かなくなってきたあたりで、なんだかとろみがついてきていることに気づく。卵黄に含まれているレシチンが、酢と油を合体させるんだそうだ。最後に、大さじ1の酢をお玉などでひと煮立たせして、それを加えて混ぜ込めば出来上がりだ。
 さっそくひと口なめてみると、そこにいたのは……お前は誰だよ! 私の知ってるマヨネーズはこんな味じゃありませんよ。なんだかマヨネーズのニセモノのような味のマヨネーズもどきが、そこにいた。戦後の食糧難の時代にマヨネーズの代用品として給食に出てきそうな味だ(そんな時代に生まれてないけど)。何かが足りない。決定的に何かが。キューピーはこれに何を加えているんだろう。
 マヨネーズというのは、スペイン領だったミノルカ島の首府マオンで発明されたものだそうだ。ということは、これこそが原始マヨネーズと言えるのかもしれない。何にしても、これでベースはできたので、本格的にソース作りに入っていくことにする。

 まずは今回一番のヒットだった、コーンチーズマヨネーズ・ソースを紹介しよう。
 ベースのマヨネーズに缶のコーンをドバッと入れて、牛乳と白ワインで味をのばしつつ、チーズを砕いて入れて温めていく。右から2番目のやつがそうだ。これはとても美味しかった。コーンの甘みとチーズがよく合って、なんなら単独でスープとしても飲めそうだ。
 右上のは、カレーホワイトクリーム。
 小麦粉とバターを温めつつそこに牛乳を加えてホワイトクリームを作る。塩、コショウで味を付け、カレー粉をたっぷり入れたら完成だ。安心して食べられる味ではあるけど、あとになって思えば、もうひと工夫欲しかった。
 真ん中の赤いのはミートソース。
 タマネギのみじんをオリーブオイルで炒めて、トマト1個を湯で皮むきしたあと、種を取って粗みじんにしてタマネギに混ぜる。赤ワイン、トマトジュースを加え、コンソメの素、塩、コショウ、ケチャップで味付けしたら、じっくり煮込んでいく。パスタをするときなどでも、ミートソースは安くて簡単に作れるから、市販のものを買うのはもったいない。
 その左は、グリーンになりきらなかったグリーンソース。
 ベースのマヨネーズに、すりおろしたタマネギ、みじんにしたパセリと、すりおろした枝豆を混ぜてある。飲むヨーグルト、牛乳などでまろやかにしているので、野菜などのドレッシングとしても使えそうだ。
 左上のは、卵黄タルタルソース。
 マヨネーズに、炒めたタマネギのみじん、ゆで卵のみじん、卵黄、パセリ、塩、コショウ、牛乳、白ワインなどが入っている。これはフライなどにいいと思う。

 という6種類のソース作りにかかった総制作時間は2時間余り。やり遂げたという満足感と心地よい疲れが私を包む。しかし、まだ終わったわけではない。ソースが出来ただけだから。おかずはどうした、おかずは? しまった! 肝心のおかずのことまで頭が回らなかった! ソースのことしか考えてなくて、おかずのことをすっかり忘れていた。
 家にあるものをかき集めて、簡単に焼いたり、煮たりして、なんとか頭数だけ揃える。豚肉、白身のパン粉焼き、エリンギ、マイタケ、豆腐、エビ、ブロッコリー、アスパラ。ちょっと少ないかと思ったけど、どれにもたっぷりのソースをかけて食べたので、これで満腹だった。そもそも、ソース作りの段階で味見をしまくって、もう半分おなか一杯だったというのもある。
 しかし、これだけソースがあると、どれに何をつけていいものやら迷うな。というよりも、おかずとソースのマッチングがかなり悪いということに途中で気づいた。全然おかずのことを考えてなかったので、組み合わせはまるでなっちゃいないのだ。つけて食べて、わー、間違えたー、ということが3度ほどあった。ソースとおかずの組み合わせってやっぱり大事なのね、と気づく。でも、ソース作り自体は、とても楽しいものだった。

ソース作り本

 今回のソース作りで参考にしたのがこの本、『ドレッシング・ソース・たれ』(堀江ひろ子監修)だった。この本を見ると、世界には実にたくさんのソースが存在しているものなんだなとあらためて思う。去年まではソースといえば、しょう油とソースとマヨネーズとケチャップくらいしか頭になかった。悩むといっても、このコロッケにはソースをかけるべきかしょう油をかけるべきか、もしかしてケチャップもいけるかも、という程度のものだった。今の私は、瞬時に頭の中のソースレシピ帳がパラパラパラっとめくられて、10種類くらいから何を選択しようかというほどの生意気盛り。人は変われるもんなんだと、こんなところでも実感するのだった。
 今日の収穫は、ソースの世界は奥が深く果てしない広がりがあることを知ったことだ。そして、今日の教訓は、ソースは一度にたくさん作っても食べきれねぇし、使い切れねぇ! ということだった。明日からソースをなめて暮らさないといけないかもしれない。現在、私の家には売るほどソースがあるので、各自お好みのおかずを持参して遊びに来てください。今ならソースつけ放題です。




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