現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
野間灯台で願掛けして軟禁状態にされるのが嬉しわずらわし
2007年01月16日 (火) | 編集 |
野間灯台を遠くから

OLYMPUS E-1+SIGMA 18-50mm DC(f3.5-5.6), f8, 1/400s(絞り優先)



 南知多の海岸線を走っているとまず「灯台ラーメン」の店があって、そこからしばらく行くと白亜の野間灯台が見えてくる。たいてい灯台は白いので白亜とことわる必要もないのだけど。
 知多半島唯一の灯台は、伊吹降しで強風にもよく耐え、伊勢湾をゆく船の安全を見守り続けている。これほど海に近い場所に立っている灯台はちょっと珍しいかもしれない。灯台というと、海沿いの小高い場所から海を見下ろしているというイメージが強い。
 地上17.9メートルの野間灯台は、大正10年(1921年)に設置された。
 光度は1万5千カンデラ、光達距離は13.5海里(約25キロ)らしい。と言われても、灯台野郎でも何でもない私としては、はぁ、と気のない返事しかできない。その数値がすごいんだかすごくないんだか、さっぱり見当がつかない。おいら岬の〜灯台守は〜という歌は歌えるのだが。
 周囲は三河湾国定公園に指定されていて、ちょっとした観光スポットになっている。灯台の見学も自由にできる。ただし、中に入ったり、登ったりはできないので、周囲から見るだけだ。
 夏場はこのあたりも海水浴客で賑わうのだろうか。シーズン中に訪れたことがない私にはそのあたりの状況がよく分からない。駐車場は有料で1回1,000円というのだけど、私が行くようなシーズンオフは管理人らしき人の姿も見当たらず、ポツポツやってくるカップルなどは普通にとめていたので、私もそれに習った。トイレもある。
 灯台の前には「TERRACE NOANOA」というカフェがあるので、そこに入って海を眺めるというのもいい。お客になれば、少しくらいの間は車もとめさせてもらえるんじゃないだろうか。

野間灯台と南京錠

 灯台を囲むフェンスには数え切れないくらいの南京錠がかけられている。ここの灯台管理人が超用心深い人で南京錠を数百もかけておかないと夜も眠れないから、ではない。野間灯台は別名「恋人灯台」といい、ちょっとした都市伝説があるのだ。
 それをいつ誰が始めたのか、今となってはよく分からない。ひとつのブームのきっかけとなったのが1997年の「週間新潮」だった。1996年あたりからカップルが訪れて、このフェンスに願いを書いた南京錠をかけていく姿が目撃されるようになった、という記事が出て以来、大勢のカップルがやってくるようになったという。1996年といえば、まだ携帯メールもPCのメールも普及していない時代だ。誰がどうやってこのウワサを広めたのだろうか。昔からある言い伝えではない以上、最初のカップルがいたに違いない。おそらくブームを作ろうだなどという考えはなくて、たまたま思いついたことを実行して、それを見たカップルが真似て、といったように伝染していったのかもしれない。あるいは、他の灯台の同じような都市伝説を知って、この場所でもやってみたという可能性もある。湘南平や神戸のヴィーナスブリッジなどにも同様の都市伝説があるそうだ。
 町の観光協会が仕掛けたとかいうことではないらしい。後追いで近所の店が便乗して南京錠を売り出したということはあったようだけど。
 ピーク時は、あまりの南京錠の量に重みでフェンスが倒れたそうから、本格的なブームだったのだろう。現在のフェンスは南京錠の重みに耐えられるがっちりしたやつになっている。それまで南京錠を細々と売ってた鍵屋さんなどは突然の売れ行きに驚き戸惑ったに違いない。町の治安が悪くなってみんな突然用心深くなったんじゃろうか、などと最初は店のおじいちゃんも思ったかもしれない。
 南京錠ということに特別な意味合いがあるのかどうかは分からない。写真にも写ってるように、自転車の盗難防止用のチェーンなどもかかっていた。それはどうなんだろう。
 御利益というか効用としては、カップルで願いを書いてかけると叶うとか、いいことがあるとか、永遠の愛が約束されるとか、今ひとつはっきりしない。ウワサの出所がはっきりしない以上、これは仕方がないところだ。カップルになる前の段階で願掛けをして、叶ったら鍵をはずして、近くに設置されてる鍵塚に置くという説もある。
 ただ、いずれにしても鍵というのはあまり良くないイメージのような気がする。鍵をすることは外部から自分たちを遮断するということと同時に、自分たちが外へ飛び出せないということも意味するから。男は一般的に縛られることを嫌いがちだから(私がそうだというわけではない)、これを思いついて始めたのは女性だろうか。南京錠の語源が、中国の南京ではなく、軟禁から来ているのも象徴的だ。

野間灯台と夕陽

 灯台周辺の強風で人も木も斜めに傾きそうになる。台風中継でカッパを着て体が斜めになっていたレポーターを思い出させるほどに。灯台を眺めるにしても、灯台そのものに強い思い入れがなければそんなに長時間見ていられるものではない。ぐるりと一周すれば充分だ。それ以上は特にやることもない。写真を撮ることくらいだ。ここは西向きの夕焼けスポットなので、その時間帯が一番いい。夕焼け色の空を背景にした灯台のシルエットは絵になる。

 色気よりも眠気。今日の私は眠たい。眠たすぎる。
 記事も読み返さず、ここで撤収。お疲れっしたー。
 眠たい。



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