現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
手作りケーキの変遷を辿りながらハッピーバースデー、私
2007年01月24日 (水) | 編集 |
初めてのチョコレートケーキ

PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f20., 1/100s(絞り優先)



 去年のクリスマスから今日の自分の誕生日まで、あれこれとイベント事が続いて、その間4度、手作りケーキを焼いた。何作ってるんだよ、私。というツッコミを入れつつ、その変遷について今日は紹介したいと思う。そんなものは、だいたひかるの離婚よりど〜でもいいですよ、と思われる方もいるだろうけど、乗りかかった船ということでおつき合いください。
 生まれて初めて作ったケーキはチョコレートケーキだった。なーんじゃこりゃー。自分でも驚き、あきれ、笑えたこの一品。何もかもが手探りで、暗闇の中で手を前にしてよろめきながら歩いていたら買ってきたケーキに手を突っ込んでしまったような完成度。自分の才能のなさが怖い。
 お手軽ケーキということで、炊飯器ケーキに挑戦してみたのが無謀だったかもしれない。今振り返ってみると最初から最後まで間違いだらけだった。
 卵3個を黄身と白身に分けて、それぞれに砂糖を20グラムずつ加えながらかき混ぜる。ふわふわトロトロになるまで徹底的にかき混ぜる。のだけど、このときは途中でけんしょう炎になりそうになって適当なところで切り上げた。かき混ぜ方も弱すぎた。ボールを叩くように混ぜないといけないのに、かき回してただけなので永遠に固くならなかったのだった。
 黒豆ココアと薄力粉を半々で60グラムくらい、ふるいでふるって黄身の方に混ぜる。黒豆ココアを使ったのはいつも飲んでいて家にあったからで、特に深い意味はない。そこに白身から作ったメレンゲ半分を混ぜていくのだけど、ここにコツがあるらしい。どうもこのときはしつこいくらいに混ぜすぎたようだ。それで空気が抜けてしまって、結果的にまったく膨らまなかったのだと思う。
 カカオ85%チョコレート一枚を適当な大きさに砕いてレンジで温めて溶かす。バターも50グラムくらい溶かして、それを加えて混ぜる。
 最後に残りのメレンゲをざっくり混ぜて、あとは炊飯器で普通に炊くだけ。フタを開けたら、あらびっくり、ふかふかで美味しそうなチョコレートケーキが出来て……ない! どろっとしてペシャンコじゃん? ものの本によると、一度で焼けないときはひっくり返してもう一度焼けとある。そうか、それじゃあ、と炊飯器の釜をひっくり返してみると、あら? くっついて落ちてきませんよ。こいつめぇ〜、えい! えい! と降ったら、ボトッと落ちてきた! わー! ケーキが砕けたぁ〜。なんてこった。まさかの展開。そういえば釜にバターを塗るのを忘れてた。なんとうかつな。
 とりあえず残った破片をかき集めて、もう一度焼いて出てきたのがこいつというわけだ。なんとかごまかせないかと、ホワイトチョコを溶かして上に縫ってみたものの、よけいヘンテコリンになってしまって、もはや取り返しがつかなかった。材料もないし、作り直す時間もない。自分ひとりで食べるならまったく問題ないけど、作っていくと約束したやつだからまずかった。
 当日は笑い話で済んだからよかったものの、完全なる安請け合いだったと反省しきりの私であった。味は濃厚なチョコココア味で美味しかったのだけど。

セカンドチャンス・チョコケーキ

 恋も二度目なら少しは上手に愛のメッセージ伝えたい、と中森明菜ちゃんも歌っていた。私もセカンド・チョコの歌を歌いたい。チョコケーキも二度目なら、少しは上手に美味しく膨らませたい、と。
 もう一度チャンスを得て作ったチョコレートケーキ。微妙な出来ではあったのだけど、初回のに比べたらずいぶんましなものが出来た。
 炊飯器はもう懲りて、今度は電子レンジで焼いた。10年も使っている電子レンジをよくよく観察してみたら「ケーキ」というボタンが付いてるのを発見して驚く。おまえはケーキも焼けたのか!? と。今まで牛乳や弁当を温めるための「温め」ボタンしか押したことがなかったから、まさかケーキが焼けるなんて思いもよらなかった。
 材料は基本的に前回と同じで、今回は頑張ってメレンゲを作って、無闇にかき混ぜなかったのがよかったようだ。牛乳パックで作った型に流し込んでそのままレンジで40分ほど焼いたら、けっこう膨らんだ。ただ、やっぱりちょっと固くて、その点に不満が残った。よく言えばしっとりなのだけど、もう少しふんわりしてる方がいい。何かいい方法があるんだろうか。
 今回は笑いも起こらず、けっこう和やかな雰囲気となってよかった。二度続けて失敗したのを持ってきたら、ケーキ作り担当の座を取り上げられてしまうところだった。一応これで首がつながった。

初ショートケーキ

 ケーキの王道といえばやはりなんといってもショートケーキだろう。一度作ってみたいと思っていたところへ、家族の誕生日という絶好の機会が巡ってきた。実験台にするならここしかない。スポンジが難しいことは作る前から分かっていた。多分失敗するだろうなという予感もあった。結果は、思った以上の大失敗でまたまた自分に驚くこととなる。いやはや、まったく。
 何しろスポンジが固い。文字通り食器を洗うスポンジが放置されてそのまま固まってしまったような固さ。総入れ歯のおじいちゃんなら歯が立たないほど頑丈なスポンジに匙を投げそうになる。なんだよその強情な態度は、とスポンジに向かって説教したくなったほどだ。なんでこんなことになってしまったんだろう。
 卵3個の全卵に砂糖やや控え目の60グラムを混ぜて、またひたすらかき混ぜる。もちろん、手動だ。しかし、今回もどうもトロトロ加減が弱いような気がする。やはり電動かき混ぜマシーンを買うべきか?
 ふるった薄力粉を混ぜ合わせて、溶かしたバター40グラムを加える。
 あとはレンジで30分焼いて、取り出してみると、がっちりと堅太りのスポンジがそこにいた。すごい筋肉質だ。ケビン山崎氏によって肉体改造されてしまったようなスポンジであった。
 ホイップクリームは、生クリーム200mlに対して砂糖20グラムを混ぜて、こいつもまたひたすらかき混ぜる。ただ、このときようやくかき混ぜのコツを掴んだ。泡立てるようにバシバシ叩けばいいのだ。ぐるぐる回していてもいっこうにラチが開かない。
 飾り付けもたどたどしく、なんとか完成した。この時期のイチゴは高いしケーキのイチゴは酸っぱくて好きじゃないので、家にあったフルーツの缶詰を使った。フルーツとの相性はよくて、生クリームが乗った上の部分だけは美味しかった。スポンジは冷蔵庫に入れたまま忘れてしまって一週間後に取り出したときのカステラみたいだった。

誕生日ショート

 自分の誕生日に自分で手作りケーキを焼いてる男というのもそうはいないと思うけど、そんなことを恥ずかしがってはいられない。私はもっと美味しいケーキが作りたいんだ。何かこんなイベントでもないとケーキ作りに気持ちが向かわないということもあって、2日がかりで自分のためにケーキを作った。
 そして今回の出来は、惜しい! 残念! あと一歩というものだった。
 やっぱりどうしてもスポンジがふわっとならずに固くなってしまう。今日は奥の手としてベーキングパウダーを使ってみたのだけど、それでも満足する膨らみにはならなかった。何がいけないんだろう。今回は黄身と白身を分けて作ったのに。メレンゲの混ぜ方なんだろうか。
 ただ、スポンジの固さは前回よりはずいぶんましになっていて、固いには固いにしてもびっくりするほどではなかった。これなら恋人になって間もない彼女が彼氏に作って持っていっても彼氏の顔が引きつることはないだろう。今回は生クリームの飾りつけがやや失敗だった。これは前回の方がよかった。クリームを先にしてフルーツは後にした方が上手くいくかもしれない。
 味に関してはオーソドックスな材料しか使ってないので、普通の味だった。これでスポンジさえもっと柔らかく出来たらかなり美味しくなると思う。
 買ってきたケーキの場合は、クリームの甘さや美味しさで味が決まると思っていたけど、実はスポンジがこんなにも大事なものだったのか。私はショートケーキのことが分かってなかった。

 以上が私のケーキ作りの変遷だ。まともなケーキを作れるようになるまでの道のりは長い。みんなもこんなに失敗を繰り返して大きくなっているのだろうか? 最初から上手に出来る人は出来るんだろうな。どうやら私は、料理以上にケーキ作りの才能に恵まれてないらしい。
 ただ、ケーキ作りの面白さには完全に目覚めた。下手の横好きとしてこれからも機会を見つけてケーキ作りに挑戦していきたいと思っている。自信作が出来たら、そのときはこの続きの変遷と共に紹介しよう。
 ケーキ作りは楽しいので、男の人にもぜひチャレンジして欲しいと思う。もちろん、女の人にも。子供と一緒に作れば尚楽しいはず。誕生日にお店で完璧に作られた美味しいケーキを買ってきて食べるのもいいけど、家族でわいわいやりながら分担して作って、台所がぐちゃぐちゃになって、スポンジが膨らまなくて誰が悪いとか言い合いになったりしても、それはきっと家族の思い出になるだろう。子供も学校で、うちのお父さんはケーキ作りが上手いだぜなんて自慢できたら素敵だ。
 私のように誕生日に自分のために自分で作ったケーキを食べるというのもオツなものです。シャンパングラスを片手にガウンなど羽織って、ハッピーバースデー、オレ、とか言いながら食べる手作りケーキはきっと一生忘れがたい思い出となるでしょう。




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