現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
鳥のことは鳥の人に訊け、トラフズクと一年ぶりの再会叶う
2007年02月15日 (木) | 編集 |
今年もトラフズク

OLYMPUS E-1+Super Takumar 300mm(f4), f4, 1/100s(絞り優先)



 今年も庄内緑地にトラフズクがやって来たというウワサを聞いて、早速出向いてみることにした。去年初めて見たときの感動が忘れがたく、今回はツレを引き連れてだったので期待も大きかった。
 しかし、上を向いて歩こう涙がこぼれないようにと探すこと30分、いっこうに見つかる気配はない。去年いたポイントを重点的に探すものの、どうにもいる様子がない。そもそも誰ひとり木の上を見上げてる人がいないし、周りを見渡してもカメラを持っている人がひとりもいないというのは不自然すぎた。庄内のトラフといえばちょっとした名物だから、休みの日に誰も来ていないなんことはまずない。おかしい。一体どこにいるんだ。途方に暮れる我々。猫を撮ったり菜の花の前で記念写真を撮ったりしていても、どうにももどかしい。せっかく来たのだから、ひと目でも見てみたい。トラフズクやーい、どこにいるんですかぁ?
 もうあきらめて帰ろうとしたとき通りかかった緑地のグリーンプラザの人。思い切って訊いてみると(私はトイレ中でツレが)、池の向こう側にいるという情報をくれた。なんと、そんな方に!? 手掛かりを掴んだ我々一行は喜び勇んでそちらへと向かったのだった。
 現地に着いてみると、うほっ、望遠レンズをつけた人の群れがっ! ここに違いない。これで見られるぞと期待は膨らむ。んがっ、どうも様子が変だ。あたりに今ひとつ緊張感がなく、それ以前にカメラが上ではなく下や横を向いている。トラフは木の高いところにいるはずだから、それはおかしい。あ、あんなところに! と木の間から顔をのぞかせているやつがそうかと思ったら、それはササゴイの子供だった。なんだよ、紛らわしいやつめ。いや、ササゴイも初めて見たから嬉しくないことはなかったのだけど今はそれどころじゃない。
 鳥の人集団に紛れ込んでしまった私たちが次にしたのは、更に情報を求めて人に訊いてみるということだった。最初の人は自分も分からないというもので、次に訊いてみた人があっさり答えてくれた。トラフならあっちに一羽いるよ、と。指差した方向は私たちが最初に探して見つからなかった場所だった。ええー! グリーンプラザの人の情報って偽情報だったのか!?
 親切なおばさまが現場まで案内してくれるというのでありがたくあとをついていくことにした。肉眼では探せないよということで。結局、場所は去年とは少し離れた別の木だった。その場所は何の特徴も目印もないところで、私たちだけでは絶対に見つけられな場所だった。見上げてよくよく見てみてもなかなか見つからない。苦労の末ようやく見えたのは、トラフの腹だった。あ、いたっ。そうそう、あれは紛れもなくトラフだ。うわー、やっと会えたか。
 けど、シチュエーション、悪っ。右に左に移動してみるものの、どうやっても全身が見える位置がない。ようやく写真を撮ったこの角度がベストくらいだった。わずかに下を向いたときがあったけど、そのときの写真はブレブレで使い物にならず、三脚を車の中に置いてきたのが悔やまれた。
 それでもようやく再会がかなったトラフズクにまたもや感動。ツレも持参の双眼鏡(なんでそんなもの持ってるんだ)でしっかり見ることができて喜んでいた。普通の人が野生のフクロウを見る機会というのはめったにない。大多数が一生見ずに終わると言ってもいいだろう。だから、初めて見る生フクロウはけっこう感動なのだ。鳥の域を超えた小動物の存在感がある。
 トラフズクは中部以北では留鳥で、名古屋などは冬場の短い期間しか見ることができないから貴重だ。2月くらいにやってきて、一番寒い時期をここで過ごして、春になるとまた北日本に帰っていく。去年は庄内緑地に4羽来ていたのが、今年はここまで1羽しか来ていない。まだ増えることはあるんだろうか。去年は中日新聞に載ってかなりな騒ぎになってしまったから、今年は1羽で静かに過ごさせてやった方がいいのかもしれない。去年のメンバーはあのフィーバーが嫌になって場所を変えたのだろうか。戻ってきてくれるといいのだけど。

 トラフズクについては去年書いた。特に書き足すことはない。
 去年はトトロに見えた。今年は猫とウサギのドッキングというのに気づいた。眠たそうな目は猫に似ていて、耳(羽角)と顔の形はウサギに似ている。猫がバニーガールの格好をしたらかわいいに決まっている。体の模様はトラフ(虎斑)、つまり虎模様ということで、完全にウォータービジネス系のおねえさんスタイルだ。だから人気があるのか?
 来年もまたきっと会いに行きたい。早春の風物詩として定着させよう。春一番のように。

庄内緑地撮影会

 庄内緑地は相変わらず、訪れた人それぞれが思い思いのことをして過ごしていた。走る人、歩く人、スポーツをする人、犬の散歩をする人、坐る人、写真を撮る人、釣りをする人、などなど。一様にのんびりしていて、ここでの時間を楽しんでいるというのが伝わってくる。この緑地のいいところは、場所を提供して、最小限の道具を揃えて、それ以上干渉したり無理強いしたりしないところだ。ああしろこうしろという押しつけがましさがないのがいい。だからみんな自由にやりたいことをやっている。
 アマチュア撮影会も行われていた。女の子とカメラ男たち。盛り上がっていて楽しそうだったけど、あの中に入る勇気は私にはない。クリスマスイブの花火大会でひとり三脚を立てて花火を撮影するのと同じくらいの難易度の高さを感じた。まだまだ修行が足りない。もっと頑張って煩悩を振り払いたいと思う。庄内緑地で鳥撮りのためにほふく前進ができるようになるまで。

マグノリア園

 あ、マグノリア! 個人的に受けたこのネーミング。
 マグノリアって何だろうと思って帰ってきて調べたら、モクレン、コブシ、タイサンボクなどのモクレン科の植物の総称だった。そうだったのか、全然知らなかった。映画『マグノリア』を観てるのに、そのときはどんな意味か考えなかった。映画の方は同時期にあった『アメリカンビューティー』とこんがらがっていて、どっちがどういう内容だったかあまり覚えてない。
 なにはともあれ、マグノリアに関する謎がひとつ解けてよかった。ちなみに、マグノリアという名前は17-18世紀のフランスの植物学者ピエール・マニョル(Pierre Magnol)から来ているらしい。
 マグノリアの花たちも、すぐそこまで迫った出番を待ち構えていることだろう。

庄内緑地の猫

 庄内緑地をのんきに歩き回っていた猫。首輪をつけてるから飼い猫だろうか。それにしても緑地内を勝手知った自分の庭のような顔でほっつき歩いていたから、首輪だけつけてもらって緑地内で野良生活を送っているのかもしれない。毛並みもきれいだったから、誰かのメシをもらっているのだろう。人に対する警戒心も弱めだった。口の周りの泥棒メイクに愛嬌があってよかった。

 庄内緑地はいいところだと思う。駐車場が有料じゃなければもっといい。季節の花があり、広い空間があり、何もないけど楽しめる。いろんな人が訪れていて、写真に撮るものもたくさんある。行けば何かしらの収穫があるというのも相性のよさだ。今後もちょくちょく行こうと思っている。
 春になれば桜も咲く。梅はぼちぼち咲き始めていた。5月にはバラ園のバラもある。野鳥もじっくり構えればいろいろ撮ることができそうだ。
 今回の一番の収穫というか教訓は、鳥のことは鳥の人に訊け、というものだった。恥ずかしがることはないし、訊けば親切にいろいろ教えてくれる。鳥撮り同士はライバル関係などではないのだから。トラフズクのことを教えてくれたおばさま、おじさまに感謝。




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