現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
2007年の桜シーズンはふたりの東谷山フルーツパークで完結
2007年04月16日 (月) | 編集 |
東谷山フルーツパーク-1

OLYMPUS E-1+SIGMA 18-50mm(f3.5-5.6 DC), f6.3, 1/100s(絞り優先)



 去年の桜シーズン最後に、東谷山フルーツパークのしだれ桜を見に行った。そのときのことを書いた4月19日のブログの最後を、こうしめくくっていた。「また来年、きっと、桜の季節に戻ってこよう。再会を約束して、少しの間さよならだ。」
 その来年が巡ってきた。あれから一年、早かったような、長かったような、2007年の桜シーズンのしめくくり。約束通り、しだれ桜に会いに東谷山フルーツパークへ行ってきた。今回はひとりではなく、ツレとふたりで。

 午前中の10時半頃に到着したので、渋滞にはほとんど引っかからずに済んだ。行く前はかなり恐れもして、覚悟もしていたのに、すんなり入れたのは幸運だった。すでにほぼ満車状態だったものの、9時開園と同時に訪れた人がちょうど帰り始める時間に当たっていたのがよかったようだ。11時を過ぎた頃からは、駐車待ちの長い列が出来始めていた。
 桜のタイミングとしてはベストからは数日遅れという感じだろうか。今年はかなり低調で、去年と比べると全然花付きが悪い。フルーツパークの人も言っていたので、私の思い込みではない。去年の写真と見比べても、明らかに今年は花数が絶対的に少ないことが分かる。不順な気候が影響したのだろうか。同じ木でも散っている枝とまだつぼみの枝があって、全然足並みが揃っていない。葉が出始めてるのにつぼみのものもあるので、スカスカで見栄えが悪くなってしまっていた。
 それでも、しだれ桜特有の華やかさは訪れる人々を充分楽しませてくれる。ピンクの滝が両側から降りそそぐしだれのトンネルは、愛知ではここにしかない。これもまた、ひとつの桜の楽しみだ。ソメイヨシノとは違う桜を見る喜びがある。

東谷山フルーツパーク-2

 何やら黒山の人だかりができている。何事かとのぞいてみたら、大道芸だった。他の場所では猿回しもしていた。日曜日ということで、こういう催し物があちこちで行われていて、多くの人たちを寄せ付けていた。
 他には野菜や果物の即売、たこ焼きやソフトなどの食べ物屋などもいろいろ出ていて、完全にお祭り騒ぎ。入園無料(駐車料金だけこの時期限定300円)なので、こういうことで稼がないといけない。
 今年の桜もこの日曜日が最後の週末となる。シダレザクラまつり自体は、17日まで続く。もう、花としてはこのあたりが見頃の最後になるだろう。今年はしだれも早かった。暖かい冬のあとに春先に気温の上がらない日が続いて、桜も調子が狂ってしまったようだ。

東谷山フルーツパーク-3

 この場所が、一番今の時期の東谷山フルーツパークらしいポイントだと思う。果物ドームとそれを取り囲むように咲くしだれ桜の配置がいい。園内の華やいだ春模様が見渡せる。
 いろんな人が思いおもいに桜を楽しんでいた。カップルや友達同士、老夫婦や小さな子連れの家族、お年寄りの団体さん。同じ場所の同じ桜でも、年々自分は変わっていき、立場が変われば桜の見え方も違ってくる。独身が夫婦連れになり、子供が産まれて親になり、定年退職したり、学校を卒業したり、一年でがらりと変わってしまうこともある。
 誰と一緒に訪れて見るかによってもまた思いは違う。桜の思い出は二重奏、三重奏、四重奏となり、自分の中で積み重なっていく。10年後、30年後、50年後、一緒に見た桜の思い出話ができる人がいれば、それはとても幸せなことだ。

東谷山フルーツパーク-4

 客層の大部分は、年輩の団体さんと子連れ親子が占めている。平均年齢はかなり高い。しだれ桜の華やかさとは対照的に、なんというか、園内の様子は渋い。スピーカーから流れてくる音楽が浪曲だったりする。
 それから、ここの最も特徴的なのが、異常にビニールシート持参率が高いことだ。名古屋市内の全ビニールシートの半分がここに集まってしまったんではないかというほど、みんながみんなビニールシートを持っている。持っていないのはモグリと言われてしまいそう。ベンチが少なくて、人がやたら多くて、おあつらえ向きに芝生がたくさんあるから、必然的にそうなる。去年持ってこなかった人たちは、その様子を見て、来年はうちも持っていこうとなって、またまたビニールシートは増殖していくのだった。来年は私も持っていこうと思った。

東谷山フルーツパーク-5

 ここのしだれ桜は、大部分がヤエベニシダレ(八重紅枝垂)という種類のものだ。一重のものや、他の種類も少し混ざっている。ピンクの濃いしだれ桜で、なおかつ八重咲きなのでボリューム感があって豪華な印象になる。一重咲きのものが中心だったら、かなり違った感じになると思う。
 桜は集まって咲いていると華やかで、近くで個別に見ると可憐に見える。花のひとつひとつは意外と弱々しくもある。

東谷山フルーツパーク-6

 園内の奥にある、おそらく一番大きなしだれ桜の木。これがお気に入りで、今年も楽しみにしてきたら、残念なことにかなり花が落ちてしまっていた。けど、池に落ちた花びらとの対比が、それはそれで美しかった。水彩画の風情があって。

 2007年の桜もこれで終わりとなった。今年はもう、延長戦はない。まだまだ桜前線は北上中で、東北はまだ咲いてもいないけど、気持ちの中では終わりだ。まだ見たければ長野あたりへ行けば充分咲いているだろうけど、今年はもう満足した。また来年だ。
 桜の季節の終わりで思うことは、毎年変わらない。来年もこの季節の上に戻ってこよう、だ。去年はひとりでたくさんの桜を見て回って、あらためて桜の魅力を知った年だった。今年はツレとあちこち巡って、思い出を共有することの喜びに気づいた。来年はどうだろう。一年というのは過ぎてしまえばあっけないものだけど、一年後を思うと上手く想像できない。去年も今年の自分というのはまったく想像できなかった。来年の自分もやっぱり分からない。ただ、分かっていることは、桜をまた見たいということだ。その気持ちはとても強くある。
 2008年の桜シーズンへ向けて、もうあらたな一年は始まっている。毎日を大切に生き抜いて日々を重ねていくことでしか辿り着けない。休みやすみでも、ひとっ飛びにも行けない。季節が巡りさえすれば、桜は忘れずに咲いてくれる。
 桜よ、今年もありがとう。また来年会おう。それまでお互い元気に過ごそう。それじゃ、また2008年に。




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