現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
横浜巡り王道コースは日本丸に始まり中華街に終わるのだの巻
2007年05月28日 (月) | 編集 |
日本丸

PENTAX istDS+smc PENTAX-DA 18-50mm(f3.5-5.6 AL), f9 1/25s(絞り優先)



 横浜観光を伊勢山皇大神宮から始めるのは我々くらいなもので、普通の人たちはみなとみらい21地区から出発すると思う。横浜駅周辺はショッピング街だから、観光となると一駅移動した桜木町が実質的な横浜の玄関口となる。
 動く歩道に乗って最初に辿り着くのが、写真の日本丸の前だ。写真やテレビなどでもお馴染みで、たいていの人が思わずこう言ってしまうに違いない。あ、日本丸だ、と。海のない街に住んでいる人が海を見て、あ、海だ、と言ってしまうように。当然私たちも我先にと口走ることになった、あ、日本丸だ、と。
 横浜観光に訪れた多くの人が目にする日本丸も、中まで入って見ようという人は稀だろう。600円はけっこういい値段だし、日本丸に対して常日頃から熱い想いを抱いている人間はそう多くないと思う。そもそも日本丸の名前は知っていても、これがどういう船かを知る人は少ないんじゃないだろうか。
 かつて太平洋の白鳥と呼ばれたこの船は、昭和5年(1930年)に航海練習船として誕生した。それから半世紀に渡って太平洋を行き来しながら航海士を育てることになる。太平洋戦争が激化した1943年には輸送任務に駆り出されたり、戦後は海外に取り残された日本人を日本まで運んだりもした。
 昭和59年(1984年)に現役を引退して、昭和60年(1985年)から横浜港で静かな余生を過ごしている。

ドックヤードガーデン

 古代の遺跡を思わせるドックヤードガーデン。明治に作られた商船用の石造りドックは、今も当時の面影を色濃く残している。ランドマークタワーが高々とそびえるその足もとで。これは横浜の特徴的なシーンの一つだ。古いものと新しいものが上手く融合されて同居している。
 明治29年(1896年)に、横浜船渠第2号ドックとして海軍技師恒川柳作の設計によって作られた。人力で16,720個の石を積み上げたというから、ほとんど戦国時代の城の石垣作りみたいなものだ。
 明治から大正、昭和にかけてドックとして活躍するも、時代の流れでだんだん使われなくなり、昭和48年に閉鎖された。
 これを再生して保存しよう決まったのが平成に入ってからで、平成5年(1993年)にランドマークの敷地内によみがえった。現存最も古い石造りのドックということで、国の重要文化財にもなっている。横浜船渠第1号ドックも、日本丸メモリアルパークに保存されて、こちらも重要文化財に指定されている。
 ドッグヤードガーデンは現在、見学だけでなくイベントスペースとしても活用されている。クリスマスシーズンはイルミネーションで飾られる。

グランモール公園

 ランドマークタワーとクイーンズスクエアの間のグランモール公園に、巨大な銀色のオブジェがある。ガイドブックで見て気になっていた。実物を見て、おお、これがあれか、とちょっと感慨にふける。もちろん、記念撮影もした。でも巨大すぎて全体が入らない。バックオーライ、バックオーライと下がっていくと、ランドマークタワーに後頭部をぶつけて気絶するので気をつけよう(そんなやつはいない)。こんなところで喜んで写真を撮っている人間は見渡す限り私だけだった。みんな見上げもせずにそしらぬ顔で歩いていく。もしかしたら、私の行為はよそから名古屋に遊びに来た人間がナナちゃん人形の記念写真を撮っているのと同じくらい恥ずかしい行為だったのか。
 ところでこいつの名前を知ってるだろうか。私は帰ってきてから知った。ワクワクモクモクヨコハマヨーヨーというんだそうだ。ミナトノヨーコヨコハマヨコスカみたいな名前だな(だいぶ違う)。なんでヨーヨーなのかは分からないけど、だからここはヨーヨー広場と呼ばれているんだね。
 高さ17メートルで、制作者の最上壽之によれば、たなびく雲をイメージしているんだとか。私にしてみたら、銀色の玉がチューブの中を永遠にグルグル回っているようなイメージだ。ヨーヨーって名前はあのヨーヨーなんだろうか。スケバンがよく持ってるあの。

ランドマークタワーと海辺

 ドッグ内の海でカヌーやボートをこいでいる人たちがいて少し驚いた。カヌーはよく分からないけど、ボートは一般客用のものだったようだ。手こぎと足こぎがあって、何艘か出ていた。前に来たときにはこんな光景はなかったと思ったら、やっぱり2004年から始まったんだそうだ。夕暮れどきに海目線で見る夕焼けのみなとみらいもよさそうだ。
 ランドマークタワーは、相変わらずどっしりと構えて居座っていた。高さ296メートルは、完成から15年近く経った今も日本一の座を譲っていない(世界では39位)。ただ、2010年には東京の新宿に高さ338メートルのビルが建つ予定になっている。
 ランドマークタワーも一度登ってみたいと思いつつ、展望台の1,000円はちと高い。同じ高いところへ登るなら、大観覧車コスモクロック21の700円の方が安いし楽しい。ランドマークに登ったらランドマークは見えないし。

コスモクロックから大さん橋方面

 コスモクロック21から見る、大さん橋方面の景色。その向こうの左側にはベイブリッジが架かっていて、右手の緑は山下公園だ。黒い氷川丸も見ている。
 国際客船ターミナルである大さん橋は、単に船の発着場というだけでなく、観光スポットとしてもしっかり機能している。海に突き出しているということで、障害物なく横浜の街を見渡すことができるのがいい。夜景や夕景はもちろん、昼間でも景色がよくて気持ちいい。
 最初にできたのは明治27年(1894年)のことで、現在の姿になったのは2002年だからまだ新しい。当初は石組みの波止場で、設計者がイギリス人技師パーマーということで、イギリス波止場と呼ばれていたそうだ。
 夜景がとにかく素晴らしいのだけど、海風が強くて寒いのが難点だ。もっと風よけを作ってくれーと言いたい。景色が見られる透明なやつ希望。なんならカプセルでもいいかもしれない。カップル用、ひとり用とか。カメラのレンズを出せる穴も欲しい(だんだん趣旨がずれていってる)。

汽車道

 玄関口の港エリアを楽しんだら、次は赤レンガと相場が決まっている。コスモワールドからも直接歩いていけるのだけど、ここはひとつ、少し戻って汽車道から行きたい。神社でいえば、裏からではなく表参道にまわって最初の鳥居をくぐって境内に入るようなものだ。その方が気分が出る。
 三つの橋(港一号橋梁、港二号橋梁、港三号橋梁)も明治に建設された歴史のあるものなので、これもそれなりに感慨を持って眺めるべし。
 ここも夜景が素晴らしいところなので、観光の最後をここで締めるのも悪くない。そこまで余力が残っていればの話だけど。

 この次は定石通り赤レンガということになる。横浜観光はだいたいコースの流れが決まっていて、分かりやすいといえば分かりやすいし、工夫の余地があまりないとも言える。このあとは人によっては関内地区でキング&クイーン&ジャックの古い建築物を見て、大さん橋から山下公園、山手の洋館巡りをして、最後に中華街で夕飯を食べる、というコース設定でほぼフルメニューとなる。ここまでは午前中から動いて一日かければ回りきれるコースだ。かなり体力的にしんどいけど。
 今日紹介したところでだいたい2時間から2時間半といったところだろうか。私たちの場合はしょっぱなに伊勢山皇大神宮へ行ってるから、赤レンガに着いたときはもうお昼を回っていた。でも、なかなか悪くないペース配分だ。計算ではないのに、横浜観光というのは一日の長さにぴったりと合っている。そのあたりも小粋で抜かりがないなぁと思う私であった。
 次回、赤レンガ編につづく。




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