 PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f2.8, 1/50s(絞り優先)
久しぶりに地元のローカルネタとして、今日は初夏の森林公園で出会った生き物たちを紹介しようと思う。森林公園へ行ったのは何ヶ月ぶりだろう。 けどこの時期、残念なことに花が非常に少ない。花に興味がなかった頃は、春から秋まではまんべんなく何らかの花が咲いているんだと思っていた、自分の興味の外で。でも、実際は違う。野草は春早い3月に咲き始めて、4月、5月にはピークを迎えて、6月以降はもう少なくなる一方なのだ。秋になるとまた少し増えるものの、それも花期は短くて、紅葉になる頃にはすっかり花はなくなってしまう。南国や北海道はまた事情が違っているのだけど、本州はだいたいこういうサイクルで花の一年が回っている。中でも7月は特に少ない端境期で、花一つ見つけるのに苦労するほどだ。初夏の花は終わり、真夏の花もまだ咲いてこない。野草好きにとっての7月は、ぐっと我慢のひと月なのだった。 森林公園なんていう半植物園のようなところでさえそうだった。完全なるスター不在の目玉不足。この時期これだけは見逃せないという花はほとんどない。池に咲く蓮が一つあるけど、これは午前中しか咲かないし、森林公園には咲いてなかった。 そんなわけで、とりあえず目についたものを少しだけ撮ってきた。新たな出会いもなく、おなじみさんばかりでおもしろみに欠けたけど、行った時期が悪かったから仕方がない。サギソウにもまだ少し早かった。 飛びものの虫たちも今日はあまり出てこなかった。日がかげっていたからだろう。湿地帯の木道ではトカゲを追いかけて逃げられ、飛び回るキチョウには翻弄され、鳥の声を聞いて見上げても姿は見えず。一瞬通り過ぎたクロアゲハも次の瞬間には見失っていた。私の相手をしてくれたのは、動かずにじっとしていてくれたバッタかイナゴか何かとクモくらいのものだった。もっとたくさん友達になりたかった。
 クモの巣についた水滴を撮っていたら、宿主と思われるクモが帰ってきてジタバタしていた。うわー、水浸しでうちに入れないー、みたいな感じで。人間から見たら無責任にきれいだなと思うけど、クモにしてみたら床上浸水のようなものだ。壊れなかったのがまだましだったにしても、しばらくは家に戻れそうにない。クモの糸というのはあんなに細いのに重たい水滴をこれだけつなぎとめておけるというのはやっぱり性能がいいのだ。かかった虫は逃れられないし、歩いていて顔にかかるとホントに粘ついて嫌な感じがする。
 夏の池は渡りのカモたちの姿もなく、カワウに占拠されていて寂しい。他にいるメンバーといえば、サギたちとカイツブリくらいだ。カワウたちは我が物顔に集まって、グワァグワァ騒ぎ立てていた。こいつらはどうにもかわいげがない。エサの魚を文字通り鵜呑みしてしまうだけで、生態系の役にもあまり立っていような気がする。せめて体の色が白だったらもう少し人間に大事にされただろうに。
 夏の水路は、水が淀んで不気味な緑色になっていた。緑色の絵の具を流し込んだみたいだ。 これは藻か何かだろうか。水温が上がって繁殖してこうなったのかもしれない。
 この時期の数少ない彩りの一つ、シモツケソウ(下野草)。5月から咲いているシモツケよりも遅れて咲いてくる。シモツケが樹木なのに対してシモツケは草だ。昔、下野の国(今の栃木県)でたくさん咲いてるのが見つかったことから名前がつけられたといわれている。なので栃木県の県花は、このシモツケソウだ。 本州から四国、九州の山に咲く花で、高山では群生しているところもある。伊吹山では一面がピンクに染まるほどだそうだ。一度見てみたい。
 これも夏の花、オニユリ(鬼百合)。そこまで開かなくてもいいだろうというくらいに全開に開くのがこのユリの特徴だ。よく似たコオニユリというのもあって、区別するのは難しい。 道ばたなんかに咲いているから野生と思いきや、古い時代に食用として中国か朝鮮から入ってきたものが、人の手を介して増えていったと言われている。元々日本にあったものではないから、野生化していてもそれは誰かが最初にそこに植えたものということになる。日本古来のササユリなんかとは違う。
 こちらは日本に昔から咲いているノカンゾウ(野萱草)だ。よく似た八重咲きのヤブカンゾウもある。この花の名前は名古屋弁っぽい。破かんぞ、のかんぞ(避けないぞ)みたいで。 花は一日花で、朝咲いて夕方にはしぼむ。オレンジ色の花は野生らしくない感じもするけど、キツネノカミソリなんかもオレンジで、これらに山道とかでバッタリ出くわすとハッとする。あり得ないところであり得ない色に出会ったみたいで。
 鳥や魚や花なんかで「もどき」呼ばわりされてしまうかわいそうなやつらがいる。このウメモドキもそうだ。もどきはないだろうと思う。そもそも、これのどこがウメに似ているのかもよく分からない。小さな白い花はそれほど似てるわけでもなく、葉っぱが似てるとか枝が似てるとか言われても今ひとつ納得できない。 今は緑の実も、秋には真っ赤に色づく。鳥たちがこの実を食べて、タネがフンと一緒に地面に落ちて芽を出す。 それにしても、もどきじゃない自分だけのオリジナルの名前が欲しいよね。聖子ちゃんもどきとかエビちゃんもどきとか、もどきと呼ばれて大成した例はない。
 もうヤマハギ(山萩)が咲いていてちょっと驚いた。確かに気の早いやつは6月くらいから咲いてくるとはいえ、萩といえばやっぱり9月の花だ。7月なんかに咲いてこられたら調子が狂う。その年初めて萩を見て、ああ、もう夏も終わりなんだぁと感慨にふけりたいのに。 けど、もう次の季節も準備を始めているのだ。夏が来る頃には秋もすぐ次に控えて待っている。私たちが季節を追いかけているすぐ後ろで。
森林公園ではもうアブラゼミの合唱が始まっていた。梅雨はまだ明けないけど、もうすぐ学校も夏休みで、真夏は手の届くところまでやってきている。初夏の花たちも役割を終えて来年へ向かっていった。人間だけがいつだって季節の後追いをしている。 今年はメインどころの花に関してはまずまず寄り添えている。初春のカタクリから始まって、梅、桜、山桃、藤、バラ、カキツバタ、アジサイと、ほぼ逃さずここまで来ている。8月はヤマユリ、ヒマワリ畑、朝顔、蓮あたりをきっちり追いかけていきたい。秋のコスモス、紅葉まで。 東京観光と名古屋散策とあわせて自然にも触れ合って季節の細かな変化も感じていこう。カメラが巡り合わせてくれたこれらのものに報いるためにも、少しでもいい写真を撮りたいとも思っている。
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