 PENTAX K100D+TAMRON 28-200mm XR(f3.5-5.6), f6.3 1/15s(絞り優先)
羽田が国内線で、成田が国際線という、ぼんやりとした認識はあった。どっちがどっちか分からなくなったときは、成田離婚という言葉を思い出すことにしている。そうだ、そうだ、成田が外国行く方だ、と。 羽田空港は、東京23区の南東のはずれにある人工の埋め立て地だ。多摩川を挟んですぐ南は神奈川県川崎市になる。都心からはやや遠いものの、成田に比べればずっとましだ。成田は遠すぎる。あんなところしか土地がなかったのか。 基本的に国内線のみだけど、小さな国際線ターミナルもあって、近場の外国への路線はある。それと、政治家などのVIPが政府専用機などで公務で外国に行くときも羽田が使われる。こちらの方が近いのと、警備しやすいということがあって。 現在でも羽田は日本最大の空港として機能している。国内線がメインでも発着数、利用者数とも国内最大となっている。確かにターミナルは人でごった返しているし、滑走路の飛行機も混雑していた。いろいろ問題も山積みで、騒音問題という難問を抱えつつ、今後も拡張していく方向にあるようだ。
羽田空港は、1931年8月25日、日本初の国営民間航空機専用空港、東京飛行場として誕生した。当時はまだ戦前で民間の航空機も少なかったということで、利用数は少なかった。 戦中は軍事用として利用され、戦後は当然のごとくアメリカ軍のものとなった。日本人は立ち入り禁止となり、米軍が空港の拡張工事をする際は、近隣住民に48時間以内の立ち退きを命令する傍若無人さだったという。この地域の守り神だった穴守稲荷も移され、あとには穴守稲荷の大鳥居だけがぽつんと残った。これだけは撤去しようとするたびに工事中の事故が起きて、結局そのまま残されることとなったのだった。 日本に一部が返還されたのが1952年で、そのとき東京国際空港と名前が改められた。全面返還は1958年のことだった。 1955年に新しくできた旅客ターミナルは、たちまち東京の新観光名所になったそうだ。新しい空港ができると旅行もしないのに大勢の人が観光目的で押し寄せるというのは昔も今も変わらない。愛知にセントレアができたときは旅行者が入れないくらい観光客で大混雑した。 1978年、あまりにも発着数が増えすぎてさばきれなくなったため、新東京国際空港開(成田国際空港)を作って、海外便はほぼそちらに移っていった。 その後も何度も増改築を繰り返して現在に至っている。ビッグバードという愛称は、1993年に国内線のターミナルが第1旅客ターミナルビルに移転したとき以来で、2004年12月には第2旅客ターミナルビルが新たに完成した。 と、軽く歴史を振り返ったところで、そろそろターミナル内をうろついてみることにしよう。これから羽田空港へ行こうと考えているお上りさんに贈る、これがビッグバードだ。
 飛行機に乗るときは北ウイングか南ウイングかは大切になるけど、観光の場合はどちらから行っても違いはない。店舗の顔ぶれが違うくらいだ。ただし、ターミナル内は相当広いので、どこへ行っていいものやら見当がつかないことがある。困ったような顔で上を見上げてキョロキョロしていると、どこからともなくお姉さんが近寄ってきて、何かお困りですかと声をかけてくれる。私たちのように。いや、大丈夫ですと強がってみたものの、完全にお上りさんと思われたな。迷ったときは、とりあえず恥ずかしがらずにターミナルマップを入手して見てみた方がいい。あるいは、素直にお姉さんに救いを求めるか。空港の中心で、誰か助けてくださいと大声で叫んでみるという手もある。 ビルは地下1階から6階の展望デッキまであって、各フロアーにはそれぞれ店舗などが入っている。衣食住なんでも取りそろえられているので、その気になれば空港から一歩も出ずに生活することは可能だ。銀行も郵便局もある。お金は持ってるけど家はないという場合は空港に住むのが快適でよさそうだ。羽田は24時間運用可能空港なので、頑張ればできるかもしれない(たぶん無理)。
 6階展望デッキと、更にもう一段上の屋外にまで出ることができる。暑い日は暑く、風も強いし、飛行機臭いけど、備え付けの椅子があったり、見学者に対する受け入れ態勢は整っているので、気兼ねなく近くで飛行機を眺められる。見学者も思ったよりも多かった。デートコースとしても定着してるらしい。子供を連れて行けばきっと喜ぶだろう。親にとってこんな安上がりな行楽地はなかなかない。 撮影は金網に空けられた穴にレンズを入れて行うことになる。しかし、建物の前に出っ張っている部分も邪魔になって、思い通りのポジションは取れない。夢中になってレンズを左右に振ってると、マウントの根本からバキッと折れたりするかもしれないので、くれぐれも気をつけない。ここから右へ行った方は視界が開けているので、止まっている機体を撮るには問題ない。ただ、離陸はここからずっと左に行ったところで、そちらで撮ろうとするとやっぱりままならない。
 ある程度写真を撮ったところで満足することにして、次に第2ターミナルに移動した。昨日も書いたように、無料巡回バスが出ている。 新しくできた方ということで、何か目新しいものがあるのかと思ったけど、第1とそれほど変わらない印象だった。 ちなみに、第1はJALメインということでシンボルカラーが赤で、第2はANAメインでイメージカラーは青になっている。 第2の方が店が閉まるのが早かったと思う。夕飯を食べようとしたら、どこも早々に閉店していて見つけられなかった。それ以前に、どこで何を食べればいいものやら、さっぱりイメージがなくて、探すにも探せなかったと言った方がいいかもしれない。空港へ行くときはある程度予習が必要かもしれない。おみやげ屋も早々に店じまいしていて、結局もう一度第1まで戻る羽目になった。
 第2ターミナルの展望デッキはこんな感じになっている。こちらの方がより見学者を意識した作りになっていて、椅子だけでなく、テーブル付きのオープンデッキや、軽食店なども完備している。暑さ寒さよけの室内通路も用意されているのは嬉しい心遣いだ。 デートにはこちらがオススメだ。遠くに観覧車や打ち上げ花火なんかも見えたりして、雰囲気もいい。 昼間の撮影は第1と第2とどっちが向いているのかはよく分からなかった。第2の方が少し近いけど、障害物は多い気もした。
 第2は早じまいだったので、第1で夕飯を食べることにした。最初、2階の「チャオ」というカレー専門店で食べるつもりでいたら、20時で閉まってしまっていた。失敗した。 あちこち探し回ってようやく「ブルースカイ カフェレストラン」というのが開いてるのを見つけて、なんとかここに入った。軽食屋のような感じで、夜の22時30分まで開いている。半分セルフサービスで、テイクアウトもできる。
 私はシンプルにカレーを、ツレはオムハヤシライスを食べた。どちらも平均点くらいには美味しかった。値段もそこそこだし、軽く食べるならここは悪くない。 空港だから本格的な食事というわけにもいかないけど、各種食事は揃っている。あらかじめ何を食べるか決めておくか、調べてくるかした方がよさそうだ。その場で急に何か食べようとなったとき、どの店に行っていいのかとまどってしまうから。
 おみやげは、羽田空港限定「空とぶでかドラ」だ(東京ばな奈)。標準レンズと比べてもこの大きさ(20センチ)。1個400円で、ふわふわで味も美味しいので、おみやげに最適だ。話のネタとしてもインパクトがある。小さめの子ドラもあるけど、やっぱりでかドラで決まりだ。学校や会社の昼ご飯のとき、これをおもむろに取り出して食べ始めればたちまち人気者になるだろう。
 行きも帰りも結局、京浜急行に乗った。小松未歩の「東京日和」に出てくるように、天空橋からモノレールに乗りたかったのだけど、ロマンチックな名前とは裏腹に、単なる地下駅だったのであえて行くこともないかと思ってしまって。特に行きはしながら水族館からの流れだったので、京浜急行でそのまま行けたから。 電車賃は妙に高い。品川から天空橋までは230円と普通なのに、次の羽田空港駅まで行くと400円になってしまう。工事費がそれだけかかっているということなのか。天空橋でいったん外に出て、そこから羽田空港までの切符を買うと150円なので、20円浮かすためにそうするというせこいテクニックもある。 羽田空港まで歩いていけるか、というのがときどき話題になる。かつて「水曜どうでしょう」で、歩いて外に出られるかというのがあって、そのときは出られないということだったけど、実際に実験した人がいて、結論としては徒歩でも出入りできるというのが正しいようだ。天空橋から途中車用のトンネルの歩道などを歩きつつ、1時間半くらいかかるそうだけど。 羽田空港は、行ったことがないという人は充分観光地として楽しめるので、ぜひオススメしたい。飛行機に詳しくなくても、飛行機撮影は思いのほか楽しいし、ターミナルの中は見所もけっこうある。デートなら夕景から夜景にかけてがいい。 私は富士山が見える時期にもう一度行きたいと思っている。旅行で羽田から飛行機に乗る予定は、ない。
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