現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
夏の名残の吉良ツアーはうつむくヒマワリに夏の終わりを告げられた
2007年09月10日 (月) | 編集 |
夏の名残の吉良町-1

Canon EOS 20D+SIGMA 18-50mm f3.5-5.6



 ツレを伴い、夏の名残の吉良ツアーへ出かけた。
 お目当ての一つだった遅咲きのひまわり畑へ行ってみると、畑一面に全面降伏状態のひまわりが平身低頭して我々を出迎えてくれた。殿様の前の家来のように。5万本のひまわりがすべてこれ以上ないほどうつむいている姿は、壮観といえば壮観と言えなくもなかったのだけど、それにしてもまさかここまで出遅れているとは思ってなかった我々は、この光景を目の当たりにして、しばし呆然と立ち尽くしたのであった。くるしゅうない、顔をあげい、と言っても誰一人頭を上げるものはいなかった。
 吉良町のサイト情報によると、見頃は8月中旬から末頃までと出ていたから、9日なら半分は無理でも2分か3分くらいは花も残ってるんじゃないかと期待していた。完全に終わってるというのは想像してなかったので、やっぱり残念感は強かった。夏は終わっていたのだ。もはや名残さえもないほどに。

夏の名残の吉良町-2

 私たちはひまわり鑑賞の方法を変えることにした。ひまわり畑がダメなら個別に咲いてるひまわりを探せということだ。果敢にも畑の中に突っ込んでいき、枯れたひまわりをかき分けかき分け、ついに発見、チビひまわり。茎の途中からひょこっと顔を出した小さなひまわり。これはなんだろう。親玉ひまわりは人の顔くらいの大きさがあるのに、これは直径15センチにも満たない。普通のひまわりも人知れずこんなところに小さく咲くものなんだろうか。
 探しに探して、結局こんなチビひまわりの花を7つほど見つけた。そんなことをしてる人はなかなかいないだろうけど、私たちなりに頑張った方だと思う。少しだけ満足感も得た。かろうじてでも確かに我々はひまわりの最後の残り火を見届けたのだ。もう誰もがひまわりのことなど忘れてしまった9月の半ばに。

夏の名残の吉良町-3

 ほぼ全員が頭を垂れている中、2つ3つの顔がすくと前を見据えていた。自分だけは権威に屈しないぞを突っ張ってるやつのように。
 こいつなどはもはや花びらもなく種をびっしりつけながら顔を上げていた。髪型が金髪の頃の家田荘子みたいだ。

夏の名残の吉良町-4

 あと2週間早く訪れていれば、ここから見渡す限りのひまわりがこちらを向いていたはずなのだ。今は誰とも目が合わない。将軍気分を味わうなら今がチャンスだ。5万人が一斉に自分に向かって頭を下げるなんて経験はしたくてもできるものじゃないから。
 今年はもう、ひまわり畑を見に行くチャンスはなさそうだ。来年の課題として残してしまった。ひまわりというと真夏の8月というイメージがあるけど、実際は7月の方がよく咲いている。早めに気づいて出向いていかないといけない。いつか、山梨の明野のひまわり畑を見に行こう。

夏の名残の吉良町-5

 吉良町というと、忠臣蔵の敵役である吉良上野介が領主をしていた土地であり、中世は足利氏族の東条吉良氏の支配地だった。ただ、吉良上野介は江戸生まれでこちらにはほとんど帰ってきたことがないので、関係ないと言えばない。
 一番の有名出身者というと、尾崎士郎ということになるだろうか。けど、今どき誰も『人生劇場』なんて読みはしないから、吉良町といえば尾崎士郎なんてものではないのだろう。隣の吉良中学でもそんな話は出ないくらいかもしれない。

夏の名残の吉良町-6

 もう稲の刈り入れが始まっていた。私たちがのんきに夏の名残ツアーなんてしてるときに、農家はもう秋だった。そろそろ新米も出回り始めている。
 稲を刈ったあとに飛び出してくる虫たちを目当てに、ツバメやサギや鳩やカラスやケリたちが上空を乱れ飛ぶ。ものすごい賑やかだ。写真には撮りきれなかったけど、望遠レンズで飛ぶ鳥撮りの練習には今が最適の季節だ。どれを撮っていいものやら目移りしてしまうくらい被写体には事欠かない。

夏の名残の吉良町-7

 町では単線の名鉄西尾線がのんびりゴトゴト走っている。名鉄の赤い車両が田んぼ風景にはよく似合う。
 名古屋駅からも名鉄名古屋本線と西尾線を乗り継いで吉良まで行くことができるから、そんなゆったりした旅もよさそうだ。

夏の名残の吉良町-8

 ひまわり畑をあとにした私たちは、吉良のお寺回りを経て、海へとやってきた。その名も、吉良ワイキキビーチ。私は7、8年ぶりの再訪となる。懐かしのワイキキビーチは相変わらずのワイキキぶりだろうか。
 夏の名残吉良ツアーの最後は、海岸で花火となった。それはまた別の機会に話しをすることにして、今日はここまで。また明日。




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