現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
姫路城訪問記最終回 ---ありがとさよなら姫路城、また会う日まで
2007年10月19日 (金) | 編集 |
姫路城番外編-1

Nikon D50+SIGMA 17-70mm F2.8-4



 姫路城訪問記第3回目は最終回で番外編。姫路城の中や周辺で心惹かれて撮ったスナップ写真をお届けします。まずは猫から。
 おそらくこのあたりを根城にしているノラだろう。人に慣れているというよりまったく物怖じしない堂々とした態度の猫だった。至近距離まで近づいてもまったく無視。しきりに体をなめまくっていた。触れる距離まで近づいてやっとこっちを見た。でもまた掃除再開。人を人と思っていないようなところのあるやつだった。きっと人にメシをもらっているのだろうけど、その人にも愛想なしなのか。
 猫に小判、猫にお城、猫に国宝。こいつなら世界遺産に指定されている城で爪研ぎでもしそうだ。

姫路城番外編-2

 三国濠にサギがいた。なるほど、白鷺城だけにシラサギが、と思ったら、アオサギだった。惜しい。
 でもなんで白くて美しい城が白鳥城ではなく白鷺城だったのだろう。コサギやダイサギだってきれいといえばきれいだけど、白くてきれいな鳥の代名詞といえばやっぱりハクチョウだろう。ドイツのノイシュヴァンシュタイン城も白鳥城と呼ばれている。日本では「しらとりじょう」というのがいくつかあったようだ。
 菱門から入ってすぐにどうしてこんなプールのような四角い濠があるんだろうと思ったら、攻め入ってきた敵の勢いをここで殺し、あるいはここに追い込んで水に落として身動きをとらせないようにする目的があったんだとか。
 姫路城のこういう仕掛けをたくさん見ていると、作ったときは大まじめで本気だったのだろうけど、この懲りようというか用意周到さは遊び心さえ感じられる。趣味的すぎると言ってもいい。実際に一度も攻城戦が行われていないから効果の程は定かではないのだけど、かなり効果があるような、机上の空論のような、はてどうだろうとちょっと考えてしまう。
 もちろん、簡単に攻略できるような城ではない。自分が数万の兵で取り囲んで落城させるにはどうしたらいいかと考えたとき、やっぱりこの城は攻めがたいと思う。まともにいったのでは、天守閣に至るまでで大きな犠牲を出してしまいそうだ。

姫路城番外編-3

 外の堀にいたハクチョウならぬコクチョウ。ハクチョウの黒版だ。なんでハクチョウではなくコクチョウだったのだろう。ここで泳がせておくためにわざわざ原産地のオーストラリアから連れてきたのだろうか。姫路城の中には小さな動物園があるから、そことも関係があるのかもしれない。
 黒い城というと豊臣方だから、徳川の城にコクチョウはちょっと似合わない。私が見てないだけでハクチョウもいたのだろうか。

姫路城番外編-4

 十月桜が天守の前で咲いていた。もうそんな季節になっていたか。狂い咲きではなく秋から冬にかけて咲く桜もある。八重咲きなら十月桜、一重なら冬桜と思っておいてだいたい間違いない。
 秋の桜は貧弱であまり美しくないようだけど、近づいて見るとけっこう可憐でこれはこれで悪くない。
 春の桜はもっときれいだろう。桜と城の組み合わせは王道だ。

姫路城番外編-5

 城内にあるおみやげ屋さんは昭和の風情そのままだった。店のたたずまいといい、売っているおみやげ物のラインナップといい、文句なしの正統派だった。
 古いおみやげ物やのおかしさというのは、たとえばかつてのトシちゃんやマッチの髪型とスタイルで現代の街を歩くようなものだ。それは古すぎるだろうと突っ込まずにはいられない。どんなにかわいい女の子でも今聖子ちゃんカットをされたら笑ってしまうのと同じだ。

姫路城番外編-6

 出た、金メッキお城シリーズ。今どきこれを本気で欲しがって買う人はあまりいないと思うけど、定番商品としては欠かせない。私も笑い話のネタとしては一つ欲しいと思ったから、冗談半分で買っていく人が実はけっこういるのかもしれない。自分の家に飾りたいというよりも、おみやげとして人にあげたい。もらった人はとっても困るだろうな。
 こうして写真を見てたら買ってくればよかったような気もしてきた。大きいのでも1,000円以下だし、小さいのは500円くらいとそんなに高いものじゃない。私へのおみやげはこれにしてください。

姫路城番外編-7

 姫路という街は電車が発達してないから、バスがやたら走っている。パッと見渡すと、いつでもたいてい5台以上視界に入る。多いときは10台近くいるようなこともある。バスは観光で初めて行く街では分かりづらい。朝夕のラッシュはバスだけで乗り切れるものなんだろうか。
 姫路観光には写真の観光巡回バス「お姫様号」が便利だ。駅前のターミナルから姫路城の外周をぐるりと一周巡っている。1回100円で、直接大手門の前まで行ってもいいし、一周回って姫路の街を見てから庭園前で降りてもいい。私はそうした。
 観光地ではたいていこの手のバスが走っているから事前に調べておくと便利に回ることができる。名古屋もつい最近観光巡回バスが誕生した。その名も「メーグル」。名古屋らしいネーミングセンスが爆発している。バスは金シャチにちなんで金ピカに塗られているからちょっと恥ずかしい。名古屋港の金鯱号の二の舞にならないといいけど。

姫路城番外編-8

 城の前がおみやげ物屋街になっている。こちらは昭和ではなく平成だ。建物が全般的に新しかったけど、最近建て直したりしたのだろうか。
 しかし、姫路というのはおみやげ物がないところで、何を買おうか迷った。播州赤穂の塩味饅頭はこの地方の名物であって姫路城みやげとしては面白くない。いろいろと姫路城の名前のついたものはあるものの、どれもどこでも売っているお菓子でここでしか買えないようなものが見あたらなかった。姫路城をかたどった最中なんかがあれば買っただろうに。美味しかろうがおいしくなかろうが、ここならこれという定番が欲しい。名古屋ならういろう、京都なら生八つ橋、三重県なら赤福みたいなものが。
 結局、食べたいお菓子重視ということで姫路生チョコケーキというのを買ってみた。

姫路城番外編-9

 お昼はたこ焼き。質素倹約を旨とする私の基本的な観光スタイルはここでも踏襲された。食堂みたいなところは、ありふれた定食みたいなものしかなくてそそらなかったから、それならいっそ関西風のたこ焼きを食べてみようということになった。
 おみやげ物やの並びで誰も客が入ってなくてやや不安だったのだけど、これがびっくりするくらい美味しかった。大阪風と明石焼きの中間のようなふんわりやわらかたこ焼きで、名古屋では食べたことがない食感と味だった。大きいのが8個で300円は安い。家の近所にあればちょくちょく通って食べたいと思わせた。
 ソフトクリームも8種類くらいあって200円と格安で食べたたかったのだけど、たこ焼きだけでおなかいっぱいになってしまったのが残念だった。

姫路城番外編-10

 最後にもう一度姫路城を振り返って、名残を惜しむ。最初で最後になるかもしれない姫路城をしっかりと記憶に刻んだ。ありがとう、姫路城、そしていつまでもそこにそうして建っていておくれよ。これはまさしく、世界に誇っていい日本のお城だ。
 これで4つの国宝のうち、犬山城、彦根城、姫路城と3つまで行った。残りは松本城だ。あそこも必ず行きたい。
 江戸時代以前に建てられた城で天守が残っているのが12。これを現存十二天守という。弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、備中松山城、松江城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城。第二次大戦前までは名古屋城、岡山城、広島城、大垣城、福山城、水戸城、和歌山城、松前城などが残っていたのに焼けてしまった。それだけでもアメリカの罪は重い。
 2006年には日本100名城が選ばれて、今年2007年からスタンプラリーが始まった。知ってました? 普通は知らないと思うけど、城野郎、城お嬢にとって、これは燃える。夏休みのチビたちが山手線でポケモンのスタンプラリーをしてたけど、あれ以上の情熱を持って城を巡っている大人もいるのだ。100個集めて江戸城へ行くとドラゴンが降りてきて願い事をなんでも一つ聞いてくれるらしい(そうだといいな)。さすがに100は無理だと思うけど、現存十二天守は全部見てみたいという思いはある。
 こうしてゆるやかな私の城巡りはこれからも続くのであった。




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