現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
ファルコンショーで知る猛禽類の魅力と飛ぶ鳥撮りの楽しさ ---花鳥園第二回
2007年10月28日 (日) | 編集 |
花鳥園ショー1

Nikon D100+VR Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6



 水族館にイルカやアシカのショーがあるように、掛川花鳥園にはファルコンショーがある。1日3回のうち2回は屋外で、午前中の1回目は屋内で行われる。残念ながらこの日は午後から雨で、3回目のショーは屋内に変更になってしまったのだけど、一度は外で見られてよかった。今日はそのときの様子を写真中心にお届けしたい。
 ファルコンショーに登場するのは、フクロウ、タカ、ハヤブサなどだ。以前はワシもいたようだけどこの日は出てこなかった。顔ぶれはその日によっても変わるのかもしれない。
 1回目は屋内でのフクロウショーだった。上の写真がそうだ。おじさんたちもいい顔をしている。フクロウといっても日本の森でホーホーと鳴いてるようなやつではなく、外国にいるミミズクだ。鳴き声もグエッグエッというような鳴き方だった。
 フクロウというと昼間は森の奥で半目を開けながら眠って過ごしているようなイメージがあるけど、あれは夜行性のネズミなどが活動する夜に行動するために昼寝てるだけで、別に昼間は体が動かないとかそういうことではない。だから、人間にエサがもらえるフクロウは昼間起きていて夜寝ている。昼間では目はしっかり見えているそうだ。
 フクロウたちはときに素直に、ときにやる気がないそぶりをみせなかがら、最終的にはエサ欲しさに飼育員さんの人の言うことを聞いて芸をすることになる。芸といっても呼ばれた方向に飛んでいくということだけなのだけど。

花鳥園ショー2

 止まっているときは置物のようなフクロウも、飛んでいる姿はまさに猛禽そのものだ。凶暴な野生の片鱗を見せる。
 人に飼われているとはいえ肉食であることに変わりはない。普段から冷凍ヒヨコなどを食べているそうだ。ショーのときは何かの生肉を食べていた。
 特に何か芸をするというわけではないものの、人が呼んだ方にちゃんと飛んでくるというのはたいしたものだ。普通、鳥はそんなに人の言うことを聞かない。ショーに出てるのは、野生のものを飼い慣らしたものではなく、花鳥園で生まれて人の手で育てられた鳥のようだ。
 ショーのあとはお触りタイムで、そのときもおとなしく人の手に乗って写真を撮られている。つながれているわけでもないのにどこかへ勝手に飛んでいったりもしない。かなり賢いやつだ。

花鳥園ショー3

 室内での撮影は厳しいものがある。この日は特に日差しがなくてシャッタースピードを稼げず、手ぶれや被写体ブレの失敗写真が多かった。フクロウの飛行も思っている以上に速い。
 室内の飛行ショーでは明るいレンズを使いたいところだ。手ぶれ補正もあった方がいいけど、それよりもシャッタースピード優先となる。距離が近いから、たとえば50mmのF1.4とかF1.8のような単焦点レンズでもいいかもしれない。もしくは、タムロン90mmのようなマクロレンズをポートレート用途の応用で使うという手もある。それはあとになって思いついた。

花鳥園ショー4

 屋外での飛行ショーでもフクロウが活躍する。飛行距離も伸びて、フクロウたちものびのびと飛んでいる。ここでも彼らはどこか遠くに飛んでいってしまうというようなことがない。思っている以上に知能が高いようだ。
 外では望遠レンズが欲しい距離となる。使った望遠側120mmのレンズではやや届かなかった。でも300mmが必要なほどでもない。200mmくらいがちょうどよさそうだ。天気のいい日ならF5.6のような暗いレンズでもシャッタースピードが稼げるからそこそこ捉えられそうだ。この日は曇天で苦しかった。ノイズが増えても感度をもっと積極的に上げていくべきだった。

花鳥園ショー6

 フクロウは翼にたくさん空気を包み込んで音もなく低空を飛行して獲物を捕らえる。バサバサっと音を立てそうに思うけど、実際はとても静かに飛ぶ。野生のネズミや小鳥たちにとっては恐ろしい暗殺者だ。夜に背後から無音で近づかれたら逃げようがない。太いモモと力の強い足で獲物をがっちり捕まえたらもう放さない。
 猛禽類はもはや鳥ではない。翼を持ったケモノだ。

花鳥園ショー7

 タカのショーを担当するのはイギリスからやって来た鷹匠のギャリーさん。ジョークを交えた日本語で解説をしながらタカの飛行を演出する。
 タカは、ハリスホーク(モモアカノスリ)という種類のものだ。人によく慣れるタカで、こういうショーには向いているのだとか。時々機嫌を損ねて言うことを聞かないようだけど、それでもタカがパフォーマンスショーをできるということに感心する。お客の頭の上すれすれに飛んでいくたびに驚きの声と歓声が上がる。
 飛行時の写真は一枚も成功がなかった。タカはフクロウの比じゃない速さだ。ファインダーの中に納めるのが精一杯で、シャッタースピードも上がらないから、写ってもブレブレだった。これは難しい。天気のいい日にもう一度挑戦したい。それがもう一度掛川花鳥園へ行く理由となるだろう。それを言い訳にして200mmの明るいレンズを買ってしまいそうで恐い。

花鳥園ショー8

 最後に登場したのがハヤブサ(セーカーハヤブサだったかな)だった。登場は目隠しをされていて何事かと思ったけど、ハヤブサは神経質なので周りを見て興奮しないようにともことだった。
 ハヤブサというのもこんなに至近距離で見る機会はめったにない。動物園でもあまり見かけないし、たとえ飼育展示されていたとしても檻の中ではハヤブサの魅力は感じられない。やはりハヤブサは飛んでいる姿を見てこその猛禽だ。飛行速度はタカをも上回り、飛行姿を写真に撮るのは更に難しくなる。

花鳥園ショー9

 ヒモの先に付けた疑似餌を振り回してそれをハヤブサがキャッチするというパフォーマンスが行われた。写真はなんとか捉えた一枚。これ以外は全滅だった。
 ちょっと面白かったのは、このショーのすぐ近くでカモたちがのんきに過ごしている姿だ。まるで猛禽たちの存在を意識してない。やつらの感覚は人に対しても猛禽に対しても麻痺してるらしい。タカたちもカモなんかは獲物にならないのだろうか。毎日メシをもらってるから襲う気にならないのか。
 飛行ショーのときにスズメなんかが飛んできたらどうなるんだろう。まかり間違ってインコたちがいる温室に飛び込んでしまったら、そこは阿鼻叫喚の世界となってしまうのだろうか。

花鳥園ショー10

 最後は屋内でのファルコンショーとなった。外はますます暗くなってシャッタースピードが上がらない。普通に撮ってもまともに写らないから、タカと共に移動するギャリーさんを流し撮りしてみた。完全には止まりきらなかったけど、一つの可能性を見た。流し撮りというのはありかもしれない。室内ではやや厳しそうだけど、屋外のときは試してみる価値がある。これも次の課題だ。

 ファルコンショーは面白い。特に撮影が燃える。見てるだけでも楽しめるけど、撮るのはもっと楽しい。飛ぶ鳥を撮るのはやっぱり楽しいものだと再認識した。自然界ではなかなかチャンスがないことでもあるし。
 花鳥園はプログラムとしてもなかなかに多彩で飽きさせない。鳥だけしかいないというと、ざっと2時間も見たら飽きてしまうだろうと思うかもしれないけどそうではない。ファルコンショーにエサやりに触れ合いにと、6時間以上過ごしてもまだ足りないくらいだった。ここを知ってしまうと、もう動物園では物足りないと感じるようになってしまう。動物園の理想型がここにあるという言い方もできる。飼育展示された動物を人間が観察するというのではなく、動物が暮らしている環境に人間がお邪魔するというスタイルこそ、生き物たちの魅力を知ることができるというものだ。
 花鳥園の写真はまだまだたくさんあるから、明日もこの続きになる。何回シリーズになるかは今のところ未定。




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