 FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D / SIGMA 17-35mm f2.8-4
昨日の香嵐渓第一弾は現地の状況説明的な写真が多かったから、今日の第二弾は紅葉そのものを撮った写真を集めてみた。 こういう写真は面白くないように感じてあまり好きではないのだけど、せっかくだから一応撮っておかなければ気が済まないようなところもある。好きじゃないというよりも苦手意識が強いと言った方がいいのかもしれない。私は人がいる風景の写真が好きだ。もしくは、撮った場所が分かる写真がいい。たとえば紅葉なら、モミジそのものを撮るために香嵐渓まで行く必要はない。近所の公園でも撮れる。それでは面白くないと思ってしまう。香嵐渓で撮るなら香嵐渓でしか撮れない写真を撮りたい。 まあそれはともかくとして、今日並べた写真を見てくれた人が自分も撮りに行きたいっと思ってくれたらいいと思う。写真は与え手と受け手の一方通行で完結するものではなく、伝達であり、共有であり、双方向のものだ。その先には大いなる広がりもある。自分のための写真が誰かのためになることがあれば、それはどちらにとっても幸せなことだ。
 賑やかな紅葉シーン。落ち着きや統一感はないけど、秋の山が歌っているようで楽しい。木々にしてみれば、寒くてつらい冬を前にして、半ばやけっぱちの宴会みたいなものかもしれない。そうでもなければ、こんなに派手に騒ぐ必要もなかろう。
 香嵐渓の面白さの一つに、紅葉の道が立体構造をしているという点がある。メインの道が上中下段と3本あって、通常の視点の他に、下から見上げる視点と、上から見下ろす視点がある。その分、見ていても飽きないし、写真に撮るときも変化が生まれる。更にその下には川が流れていて河原からの視点もある。整備された紅葉スポットでこれだけ変化があるところは珍しいんじゃないだろうか。 このときは上から撮っていたらちょうど郵便配達の赤い車が走ってきて、こりゃいただきと思って撮った一枚だ。ちょっとタイミングが早く、次のショットは遅かった。S2 proののんびりした連写機能では動きものは難しい。でもこのシーンはよかった。紅葉の赤に郵便局カラーの赤が彩りを添えた。
 紅葉トンネルを低い位置から撮ると、モコモコ感が強調されて、実際以上に豪華に見える。これは桜並木でも使える撮り方だ。 人がたくさん歩いている香嵐渓などでは道の真ん中でしゃがむのはためらわれるけど、川の方へ降りていく階段の途中にいい場所がある。ここは香積寺(こうじゃくじ)へ続く階段の少し手前(または奥)のところだ。
 多目的広場では出店が出たり、猿のショーが行われたりしていた。 この奥には昭和の農家の生活を再現した三州足助屋敷がある。農村の建物が建っていたり、いろいろな手工業を体験することができる。入るのに500円かかるから私はまだ入ったことがない。そのうち機会があれば一度くらいは入ってみよう。
 香積寺の参道や境内も紅葉があって、こちらも人気スポットとなっている。もともとはここのお寺の住職がモミジを植えたことから香嵐渓が紅葉の名所になったという歴史もある。 ただ、境内の紅葉はややとりとめがなく、まとまりに欠ける印象がある。参道だけでももう少しきっちりとしたモミジのトンネルにした方が見栄えはよさそうだ。
 モミジの赤にも木によって個体差が大きくて、ときどき燃えるように真っ赤に染まるやつがある。それがその木の特徴なのか、年によって違うのか、時期的なものなのかは分からないけど、確かに飛び抜けて赤いやつがいる。この木などがそうだった。光が当たっていたら更に赤色が増しただろう。 紅葉の赤は木の幹の褐色とのコントラストでより強調される。S2 proが持つ色表現能力と、Nikkor 35mm f2Dの色乗りのよさが相まってこの色になったということもある。SIGMA 17-35mm f2.8-4も悪いレンズじゃないけど、解像度もコントラストも色も単焦点には勝てない。
 レッド・オン・レッドも紅葉撮影ではよく使われる手法だ。あまり自分らしい写真とは思わないけど、たまにはこんなふうにも撮ってみる。 70mmの広角側でシャッタースピードが上がらずにちょっとブレた。ボディにもレンズにも手ぶれ補正がないとやっぱり厳しい。手ぶれ補正ばかり使っていると写真が下手になりそうだ。帰ってから思いついたけど、手ぶれ補正のVR 24-120mmを持っていけばよかったのだ。広角を確保することばかり考えていて、すっかりその存在を忘れていた。
 巴川と紅葉風景。 ここの河原は大きな丸っこい石がゴロゴロしていて、すごく歩きづらい。遊び心でヒールを履いた女の子を河原に誘って歩こうなどとしてはいけない。自分自身がすっころんでしまいそうになるから。
 山の中なので日暮れは早い。平野では4時40分くらいが日の入りのこの時期でも、4時過ぎには太陽が山の向こうに沈んで暗くなり始める。 でも、ここからが香嵐渓のもう一つの顔の始まりだ。ライトアップも香嵐渓名物となっている。日没前から夜紅葉見物だけに訪れる人も多い。私は少しだけ粘ってみることにした。それまでに2時間半も歩いて、写真を撮って、一人だし、もう帰りたかったんだけど。
 今年のライトアップは例年とは少し違うようだ。ネットなどの写真を見ると青白くこうこうと照らされている感じなのに、黄色というかオレンジ一色だった。このあともう一段ライトアップ度が増すのかと思ったけど、これで終わりだったみたいだ。ちょっと物足りなかった。せっかく5時半まで待ったのに。それとも、私が帰ったあとにもっと賑やかしくなったんだろうか。 とにもかくにも、ライトアップも撮ったし、いい加減帰ることにした。枚数もずいぶん撮ったし、紅葉はもうおなかいっぱいだ。
香嵐渓の紅葉シリーズはあと1回。人入り紅葉編を予定している。更にもう1回、番外編があるかもしれない。総括は最後でいいか。 香嵐渓の見頃は今週末までだと思う。ライトアップも日曜までなので、明日行ける方はぜひ。行ったら、私が撮った場所もたぶん分かると思う。ああ、撮っていたのはこの場所だな、と。そう、その場所に確かに私は立って写真を撮ったのでした。
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