現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
去年と同じ12月5日に再び訪れた浄源寺で出会えた一枚
2007年12月06日 (木) | 編集 |
岩屋堂1-1

PENTAX K100D+SIGMA 17-35mm f2.8-4 / TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 岩屋堂の入り口にある浄源寺の門をくぐったとき、やったと思った。なぜなら、この日、この時間が完璧とも言えるタイミングだったから。見た瞬間にこれはもらったと確信した。そうだ、撮りたかったのはこれだったんだと。お寺の奥さんらしき人がちょうどほうきで落ち葉を掃き出すタイミングも、まるで私を待ってくれていたかのようだった。こんな幸運はめったにあるものではない。
 思い返せば一年前の今日、12月5日、私は同じこの場所に立っている。東京行きを3日後に控えて、2006年の紅葉シーズン最後の締めくくりのつもりでここを訪れた。しかし、ブログにも書いたように3日遅かった。紅葉の葉は大部分が落ちて、積もった枯れ葉もまばらな様子で、あと一歩出遅れたことを悔やんだのだった。来年こそジャストタイミングで再訪しようと誓ったあの日からちょうど一年後の今日、自分との約束を果たすために行って、それを守ることができたのが嬉しい。日付は同じでも今年は暖かい日が続いて紅葉が遅れ気味だったからちょうどいい日になった。誰に感謝していいのかよく分からないけど、とりあえず感謝したい。いい日に呼んでくれてありがとうと浄源寺にお礼を言うべきか。
 岩屋堂は紅葉名所としてはマイナーで魅力としても弱いところなのだけど、このタイミングの浄源寺だけは香嵐渓の香積寺よりもはるかに素晴らしい。有名になって大勢が訪れたら落ち葉が踏み荒らされてあっという間に駄目になってしまうだろうから、今くらいマイナーでいいのかもしれない。この風情はちょっと得難いものがある。掃除してしまうのはもったいない。
 最初にここの写真を撮って、もうすっかり満足してしまったのだけど、せっかく来たんだからということで、岩屋堂の紅葉も少し撮っていくことにした。ただ、肝心のモミジはほぼ終わっていて見所は少なかった。こちらは一週間くらい出遅れという感じで、こりゃいけないと思う。香嵐渓よりもずっと早い。さすが、瀬戸の冷蔵庫と呼ばれるだけのことはある。今日も空気が冷たかった。

岩屋堂1-2

 別の角度から撮るとこんなふうになる。ちょっと舞台裏という感じだ。
 浄源寺のいい場所は門までの短い参道と、三蔵門の周辺に限られている。本堂の方は紅葉もなく、まったく普通のお寺さんだ。絵になる部分も限られていて、一枚目の写真のあの角度くらいしかない。ちょっとずれるだけでなんとなくしっくりこない。今年も去年と同じ場所から撮ったのだけど、あれこれ別のところから撮ってもいいポイントは見つけられなかった。
 よかったら去年のブログの12月6日か、または「浄源寺」でブログ内検索をして見比べてみてください。

岩屋堂1-3

 三蔵門をくぐって進んだ先から振り返って撮った一枚。
 ここをきれいに撮りたければもっと早い時期に行く必要がある。モミジの絨毯は落ちてすぐはいいのだけど、時間が経つと赤茶けて汚くなる。イチョウの黄色とモミジの赤が上手く両立するといいのだけど。

岩屋堂1-4

 岩屋堂の名前の由来となった洞窟の裏手にある暁明ヶ滝(ぎょうみょうがたき)。
 ここを訪れるのは久しぶりだ。以前に一度見たっきりで、いつも飛ばしていたから3年ぶりくらいだろうか。
 妙に水量が少なかったのは季節柄なのか、雨不足のせいなのか。高さは13メートルあるものの、まったくの迫力に欠けた。春から夏にかけてはもっと勢いがあるのだと思う。

岩屋堂1-5

 岩屋堂の紅葉ポイントは一応、島原川沿いということになる。このあたりもピーク時はきれいなところなのだけど、現在はこの通り。紅葉の葉っぱもあらかた落ちきってしまって、一足早い冬景色となっていた。岩屋堂自体の紅葉シーズンはすでに完全に終了している。今から行ってももう遅い。出だしは遅れていたのに、後半は冷え込んで駆け足になったようだ。
 今日は紅葉の他に鳥撮りも期待していったのだけど、残念ながら収穫はなかった。前にカワセミも見てるし、少なくともキセキレイくらいはいると思ったのに、ハクセキレイさえいなかった。ヤマセミやルリビタキなんてホントにいるのだろうか。いるんだろうなぁ、早朝なら。

岩屋堂1-6

 相変わらずの昭和枯れススキ風な元観光地風情。笑うところじゃないんだけど、毎回笑えてしまう。アゴをさすりながら、うーん、マンダムと言ってしまいそうだ。
 昭和の荒れ果てた観光地の名残と紅葉の枯れ葉がなんともマッチしてしまうのも悲しみを誘う。

岩屋堂1-7

 日没までもう少し時間があったので、久々に奥まで歩いてみることにした。その途中で鳥観察のおじさんと出会った。おおー、と思う。私も仲間に入れて欲しかったけど、マンツーマンだったのでお互いに照れて駄目だった。デジスコではなく観察だけだったので声を掛けづらかったというのもある。デジスコをしてたら、少しのぞかせてもらって話を聞きたかった。
 おじさんは何を見ていたのだろう。さかんに鳥の声はすれども姿は見えずだった。あらためて思い知るけど、デジスコ撮影以前の段階として、鳴き声から姿を見つけ出すという訓練をするのが先だ。いくら道具を揃えても、鳥の姿を見つけ出さないことには撮影も何もあったもんじゃない。肉眼や双眼鏡で見つけたとしても、それをスコープの中に捉えるのがまた困難を極める。考えている以上にデジスコへの道のりは遠い。ツレを伴って鳥発見のための訓練合宿をしないといけないかもしれない。迷彩のテントに入って自然と一体化して鳥を見つけるのだ。そして素早くスコープで捉えるという特訓をしなければなるまい。

岩屋堂1-8

 この日望遠レンズで唯一捉えることができたのは一羽のシジュウカラだけだった。写真中央に写ってるシルエットがそうだ。日没後で影しか写らなかった。距離にして50メートルくらいだったろうか。デジイチの1.5倍換算で450mmでもこの程度しか届かない。デジスコなら2000mmオーバーだから世界が違う。この距離のシジュウカラでも画面の半分くらいの大きさには捉えられるだろう。
 そんなことを想像してるとやっぱり買ってみたくなる。紅葉が終われば撮るものも少なくなるし、冬場になれば葉も落ちて鳥も撮りやすくなる。やっぱり時代はデジスコか!?

岩屋堂1-9

 奥にある瀬戸大滝のところまでやって来たら、いきなり桜が現れて驚いた。この時期にここまで来たことがなかったので、こんなものがあるとは知らなかった。一本だけ、ほぼ満開にきれいに咲いていた。冬桜か十月桜か、誰か人の手で植えられたものだろうか。
 里山に一本の冬桜というのはハッとさせる魅力がある。

岩屋堂1-10

 これが瀬戸大滝だ、って、ええ〜? こんなチョロチョロ? 締まりが悪くなった水道の蛇口から水が漏れるような水量しか落ちてきていない。ザァーっていうのではなく、ジョボジョボジョボって感じだ。前に見たときは9月だったけど、あのときはもっと勢いよく落ちてきていた。こんなに少ないとは何事だろう。水源の水量が極端に少なくなっているのだろうか。
 この秋の名古屋はとにかく雨が少なかった。秋の長雨なんて言葉も聞かないまま冬に入っってしまった。降水量は例年に比べて1割とか2割とかのようだから、その影響もありそうだ。もう少し迫力のある滝の写真を撮れると思っていたのに、これでは大滝とはとても言えない。高さは17メートルあって、勢いがあるときはなかなかいい滝なのだけど。

岩屋堂1-11

 滝の下の流れもかなり水量が少ない。ここも水が多いときはゴーゴーと音を立てて流れている。冬場は毎年こんなものなんだろうか。
 滝を見に行くならやっぱり5月とか梅雨の合間とかだろう。今の時期に行ってもがっかりしてしまう。

岩屋堂1-12

 今日は新しく買った軽量コンパクトの望遠ズームTAMRON 70-300mm f4-5.6 Diの試し撮りも兼ねていたのに、出番は少なかった。遠くのシジュウカラを撮っただけで終わりそうだったので、最後にマクロも試してみた。
 1:2の望遠マクロはなかなか使えそうだ。背景もきれいにぼける。ただ、暗いシーンでシャッタースピードが上がらないと、K100Dの手ぶれ補正を持ってしても望遠レンズは止まらない。上の写真は1/50秒くらいだったと思うけど、180mmだったので少しブレた。f値5.6は暗くて厳しい。

 今日の収穫はなんといっても浄源寺の三蔵門前の一枚だ。他はオマケみたいなもので、あの一枚が撮れたのは大収穫だった。それでよしとする。
 あと少し他の写真もあるので、もう一回岩屋堂編のつづきを書くつもりでいる。岩屋堂の魅力をもっと広く世間にお伝えしなければならない。昭和の観光地ブームを再び起こすために。
 岩屋堂自体の紅葉は終わったけど、浄源寺だけはあと数日チャンスがあると思うので、近くの方は明日、あさってにでもぜひ撮りに行ってみてください。タイミング次第ではわぁーという光景に出会えると思う。




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