現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
カメラと人の縁 ---第一印象がすべてじゃないよE-510
2007年12月20日 (木) | 編集 |
明徳公園-1

OLYMPUS E-510+Super Takumar 300mm f4



 OLYMPUSのE-510は、どうにもしっくりこない。それがこのデジに対する私の最初の感想だった。
 何かにつけて使いづらい点が多く、こちらの言うことを聞いてくれない。手応えがないと言った方がいいかもしれない。感覚的に操作できず、なんとなくぎくしゃくしてしまう。操作が複雑だとか、ボタンの配置がおかしいとかそういうことではないのだけど。
 それは、私がTakumarのマニュアルレンズなんかを組み合わせて使っているからに他ならない。けど、いろんなデジやレンズを使ってきて、E-510とTakumarくらい相性の悪いものはないんじゃないかと思うくらい使い勝手が悪い。
 まず致命的な点として、ファインダーが見づらくてマニュアルでピントが合ってるかどうか分からないというのがある。合ってるような気がして撮ってみると全然合ってないのでずっこける。もらったと思ってスイングしたらバットとボールが15センチも離れていたときくらいずれている。特に暗いときが厳しい。
 マニュアルでの撮影は最初から考慮されてないのか、信号のやりとりがまったくなくて、ピピッという音もしなければ合焦マークさえ出ない。PENTAXは両方出るのに。それに、マニュアルレンズでは肝心の手ぶれ補正機能まで効かない始末だ。ダメだこりゃ。
 そもそもE-510に興味を持ったのは、フォーサーズシステムは35mm換算で2倍になるというのを望遠側で有利に働かせようという狙いがあってのことだった。それに手ぶれ補正が効けば最強の望遠デジになるはずだった。マニュアルレンズは手ぶれ補正が効かないというのは買う前から知っていたけど、それにしてもブレすぎる。軽量コンパクトが逆にあだとなった。E-1とTakumar 300mmでの組み合わせでは、もっとピシッと決まったし、ファインダーも見やすくてピント合わせも簡単だった。E-1の出来が良すぎただけに、あれと比較するのはかわいそうではあるのだけど。
 やはりE-510はフォーサーズ規格のオートフォーカスレンズと組み合わせて使うデジのようだ。この10月に出たED 70-300mmなら手ぶれ補正付きの600mmレンズとなるから魅力的だ。もしくは、シグマの135-400mmという選択肢もある。画質的にはあまり評判が良くないようだけど、手持ち撮影ができる800mmというのはそれだけで価値がある。高性能の手ぶれ補正をもってすれば、1/100秒でもブレずに撮れるかもしれない。
 どちらも高いからしばらくは手が出せないだろうけど、もう少し様子を見つつ、とりあえずはTakumarのマニュアル300mmでお茶を濁しておこう。
 それにしてもブレやがるな、こいつ。止まりゃしない。

明徳公園-2

 ファインダーはよく見えないし、日没前で池は暗いしで、ねらい撃ちは無理なんでとりあえずバチバチ撮ってみた。立っていてはブレブレになるので、しゃがんでヒザに両肘をついた姿勢になる。手持ちではこれが一番安定するから。ホントは腹ばいが最強だけど、私はそこまで達観できてない。
 中には何枚かまぐれ当たりでピントが合っていたのがあった。普通では当たり前のことがE-510では嬉しい。日頃悪いことばっかりやっている不良がちょっといいことをすると誉められるのと同じようなものだ。
 まあしかし、これはあくまでも望遠のマニュアルレンズを組み合わせたときの話で、E-510自体がじゃじゃ馬とかそういうことではない。たぶん、普通にオートフォーカスのズイコーレンズを使えば優等生なんだと思う。私は今、フォーサーズを持ってないので確認しようがない。
 連写機能は優秀だ。秒間3コマは特別速くはないけど、RAWでも連続8コマ連写できるのは偉い。3コマしか連写できずにその後しばらく固まってしまうK100Dとは大違いだ。8コマのあともすぐにバッファが解放されて撮れるようになるというのも使い勝手のよさにつながっている。

明徳公園-3

 まだ設定をどうしていいのか分かってないから、実力をどこまで引き出せているのかも判然としない。さすがに1000万画素だけに基本的な画質がいいのは間違いない。特に変わったクセもなく、パッと見の印象もいい。
 ただ、ちょっとねむたいような画質になりがちだ。どうやらそれはノイズフィルタのせいらしく、最初の設定では標準になっているのを、みんなOFFか弱に変更して使っているらしい。標準にすると強力なノイズフィルタがかかって、ノイズを消すだけでなく解像感まで消してしまうのだ。それでなんとなくぼや〜んとした画質になってしまうのだった。OFFにしてみたらシャキッとした。なんだよ、OLYMPUS。フォーサーズはノイズ面で不利で、これまでさんざんノイズが多いと言われ続けてきたから、これでどうだということなのか。OFFにすると解像感と共にノイズも戻ってくるから、弱にしてシャープネスを+1にするというのが妥協点のようだ。

明徳公園-4

 このあたりのボヤっとした感じは、手ぶれなのかピンぼけなのかノイズフィルタのせいなのか、よく分からない。その全部のような気もする。三重苦だ。ISOを上げるとザラザラになるから、なんとかISO400までにとどめたい。E-1に比べると400でのノイズは減っているから、なんとかここまでは実用範囲内だろう。800にするとかなり目立ってくるから使いたくない。
 画質のチューンはけっこう軟派な感じだ。一般受けする仕上げになっている。硬派だったE-1とは方向性が違う。ノーマルでもけっこう鮮やかだ。色乗り重視ならVIVIDでもよさそうだ。彩度を+1にしても破綻するようなことはない。

明徳公園-5

 このあたりの描写も納得はできない。ビシッと決まっていない。毛並みの質感が消えているのは、やはりノイズフィルタのせいに違いない。絞りは確かF5.6だったと思う。もう一段絞れば多少違ったかもしれない。

明徳公園-6

 4、5メートル先のスズメでもこの大きさで写るのが600mmだ。PENTAXの1.5倍換算なら同じ300mmレンズでも450mmにしかならない。この差はやっぱり大きい。
 600mmとなると動物園でも持て余す焦点距離となる。

明徳公園-7

 遠くのもを写せる反面、近くのものをまったく写せないという弱点もある。風景写真を撮ろうとすると、50メートルくらい向こうのものしか撮れない。70-300mmのような望遠ズームならまだしも、300mmの単焦点レンズは使いにくくしてしょうがない。いくら鳥撮りといっても、遠くのものだけしか撮らないわけじゃない。
 300mmでF4の明るさは魅力だけど、撮れないものがたくさんあっては結果的にはマイナスが大きすぎる。今日もいくつかのいいシーンを逃した。犬を散歩する二人組の後ろ姿を撮ったら、カップルの後頭部しか写ってなかった。いや、そういうことじゃなくて。

明徳公園-8

 なんとなく紅葉っぽいところを撮ってみるも、期せずして木のアップになってしまう。バックオーライ、バックオーライだけど、場所におってはオーライじゃないところも多々あるわけで、気をつけないと後ろ向きのまま山の斜面を転げ落ちてしまったりする。600mmレンズを振り回すときは周りに人がいないか確かめて、自分の後ろにも注意を払う必要がある。

明徳公園-9

 木立の向こうに夕陽が沈んでいくのが見えて撮ったら、なんだか訳の分からない写真になった。白く丸くなっている部分が夕陽だ。これまた近すぎた。過ぎたるは及ばざるがごとしだ。
 この組み合わせで思い通りの写真を撮れるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。高くてもオートフォーカスのレンズを買った方が早い。K100Dとの組み合わせではこんなに扱いづらくはなかったのだけど。

明徳公園-10

 月を撮ってもやっぱり大きい。
 こういう明るいシーンでシャッタースピードを稼げるときなら、この組み合わせでも難しさはない。鳥撮りでも昼間の条件のいいときなら、もっとしっかり撮れるのだろう。
 ただ、それならE-510ではなく、E-410でもE-300でもいいじゃないかと人は言うかもしれない。でも、それを言っちゃあ身も蓋もない。E-510にはE-510のいいところがある。私がまだそれに気づいてないだけだ。
 私の手元にいつまでいることになるか知れないE-510。あっさり手放すことになるか、あるいは長い付き合いになるか。第一印象は最悪でこいつ何者と思った二人がいつしか恋に落ちるなんてこともある。E-510と私がそうならないと決まったわけじゃない。あれほど仲良しになったE-1も、今は私の元にいない。カメラと人の縁というのも不思議なものだ。
 縁あって出会ったE-510だから、どんな形になるにしても、最後までしっかりつき合っていこうと思う。よろしくネ、E-510(ゆーとぴあのポーズでキメ)。




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