 PENTAX K100D+SIGMA 400mm f5.6
どんな素性かよく分からなかったのだけど、とりあえず400mmで安かったからSIGMAの400mm TELEPHOTO F5.6というのを買ってみた。APOタイプの前のものなのか、同時期のものなのか、いずれにしてもかなり古いレンズのようだ。PENTAXのKマウントは昔から規格が変わってないから最新のデジカメにも使えるのが偉い。K100Dなら35mm1.5倍換算で600mmの手ぶれ補正レンズのできあがりとなる。 どの程度写るものか、試しにまたミコアイサを撮りに行ってきた。おお、いたいた。すっかりここでの生活が定着したようで、変わらずにいてくれて嬉しかった。ただ、オスメスの割合が変わっていて、前はオス主体だったのに今回はメスが多くなっていたのは何故だろう。どこか他の池と出入りがあるのだろうか。 それでも撮るのはやっぱりパンダガモと呼ばれる白黒のオスだ。なんとか近くから撮りたいと思ったのだけど。
 今回一番近かったのがこの一枚だ。これで何メートルくらいだろう。600mmでこの大きさだから肉眼ではかなり小さかったとは思う。目まで写れば上出来だったけど、そこまではいってない。そもそも目の周りが黒くてサングラスをしてるみたいだからよく見えないというのもある。 正面から見るとパンダというより白い頭巾をかぶって黒眼鏡をかけた怪しい人のようだ。月光仮面のおじちゃんのようでもある。月光仮面はおじちゃん呼ばわりされているけど実際はけっこう若かったんじゃないだろうかと今になって思う。 写りに関しては、悪くないんじゃないか。Takumarの300mm f4と比べて同等くらいな感じがする。APOタイプではないけど、色収差はあまり目立たない。絞り開放だとふぬけな写りになるけど、f8まで絞るとそこそこシャープになる。手ぶれ補正の効果も出ているのが分かって、条件次第では使えるレンズという印象を持った。さすがに単焦点といったところかもしれない。 ピントも絞りもマニュアルだけど、使い勝手も上々だ。ピントリングがスカスカなのも慣れればこれはこれで使いやすい。Takumarはトルク感がありすぎてとっさに合わせたいとき合わせきれないことがよくあるから、あれを思うと軽い方がかえっていい。飛びものなんかのときは特に有利に働きそうだ。 近くのものは絶望的に撮れない。マクロなんてまったく想定してないのだろう。最短のピント距離は2メートルくらいじゃないだろうか。3メートルかもしれない。 サイズは400mmの中ではコンパクトな方で、Takumar 300mmのミニバズーカより一回り小さくて軽い。これなら手持ちでも充分使える。
 今回も帰ってきて見てみたらメス写真がほとんどなかった。メスも一枚くらいちゃんと撮らなければと思っていたのに。 右がオスで、後ろの2羽がメスだ。ここは日陰ということもあって、どんな色や模様かこれではよく見えない。次こそしっかり撮っておきたい。
 鳥撮りと風はあまり関係ないと思いがちだけど、実は大いにある。風が強い日は水面が波立ってしまうから、鳥撮りには向かないのだ。まったく風がないと水面が鏡のようになって映り込みなどもあってきれいな写真になる。 ただ、この写真はなんとなく雰囲気があって気に入った。
 西日の当たる方に飛び去ったゴイサギを追いかけて撮ったら、なんとなく不思議な写真になった。古いフィルム写真のようだ。これもこのレンズの特色なのか、たまたまなのか、これだけは判断ができない。 ゴイサギがここにいるのは珍しい。ゴイサギそのものはあちこちで見てるけど、ここで見るのは初めてだ。
 この写真でSIGMA 400mmが一風変わった描写をすることがはっきりした。ソフトで特殊な加工をしたみたいになっているけど、通常と変わらない調整をしただけで特別なことはしていない。どうしてこんな写りになったのか不思議だ。もちろん、肉眼で見てもこんなふうな風景ではなかった。 光が当たると何か特殊な描写になるような特徴を持っているらしい。これはPENTAXの特色でもないし、Takumarとも違う。最近のSIGMAともまったく別ものだ。
 飛び去るアオサギの後ろ姿。 今度は油絵のような描写になった。つるっとした最近のレンズの写りとは違って、粒子感があるから、それでフィルムっぽく感じるのかもしれない。感度を上げているわけではなく、これもISO400で撮っているから、K100Dの高感度ノイズではない。 このレンズ、なかなか面白い。使い込んでみる価値がありそうだ。
 今度はまたがらりと雰囲気の違う写りになった。どれがこのレンズの特徴なのか、よく分からない。上の写真はノイジーなのに、これはつるりとしている。どちらも感度、絞りとも変更していない。 風は敵と書いたけど、味方してくれることもある。水紋を捉えれば平凡な写真にアクセントを与えてくれる。
 この池でコガモは珍しい。何羽か固まっていたから、どこか他から飛んできたのだろう。近くの矢田川にはたくさんいるから、そちらあたりからだろうか。 逆光で顔が黒くつぶれてしまった。ソフトで明るくすると、水の色が白飛びしてしまう。昔SIGMAは逆光に弱いと言われたけど、これも弱点ということになるかもしれない。
 太陽の光がまともに逆光だったから、f13くらいまで絞っている。コントラストが弱くてぼんやりしているのは、絞りすぎて回折現象が起きたか、レンズがやはり逆光に弱いからか。フードは伸び縮みするやつがレンズ本体に組み込まれている。
短時間使っただけではレンズの良し悪しや特徴を掴みきれるわけではない。ただ、ユニークなレンズのようだということは分かった。可もなく不可もない最近のデジタル用レンズとは違って、なかなか興味深い。 とびきり高性能ではないものの、400mmでこれくらい写れば必要充分と言える。これでようやく600mmの手ぶれ補正を手に入れた。500mmレンズで700mm換算となると、サイズも大きくなるし手持ちでは厳しくなるから、このあたりがお散歩望遠レンズとしては限界かもしれない。フォーサーズでSIGMAの135-400mmを使えば800mm換算になるから、E-510との組み合わせにはちょっと興味があるのだけど。 ミコアイサは3月のいつくらいまでいてくれるのだろう。最初にオスが渡って、遅れてメスがいく。撮りたいのはオスだから、少し焦る。もう一回取りに行けるだろうか。なんとか、画面の半分になるくらい大写しにしたいところだ。 彼らは警戒心が強いから、近づくと池の反対側に遠ざかり、そっちへ回り込むと逆に離れていく。なかなかに賢い。ツレに反対側に回ってもらって、こちらではカメラを構えず物陰に隠れていたら近くから撮れるかもしれない。トランシーバーで交信しながら(携帯では雰囲気が出ない)ミコアイサ至近距離激写作戦を決行したいところだ。レンズも迷彩色に塗るか。 もう3月はすぐそこまできている。人によっては卒業シーズンだろうけど、鳥の人にとってはカモなどの冬鳥たちの渡りのシーズンという思いの方が強いだろう。私も少しだけ感傷的な気持ちになる。
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