現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
想像してない賑わいにたじろいだ3月の足助町 ---中馬のおひなさん第1回
2008年03月03日 (月) | 編集 |
足助の町並-1

Canon EOS 20D+EF-S 17-85mm f4-5.6 IS / EF 50mm f1.8 II



 紅葉やカタクリで有名な足助で、各家庭がひな人形を飾ってお披露目する「中馬のおひなさま」というイベントがあるというのを初めて知ったのは、おととしのことだった。その年は特に行きたいとも思わず、去年は行きたいと思って結局行けなかった。今年こそ行こうということで、ツレと一緒に今日出向いていった。そして、あまりの盛況ぶりにおののくこととなる。
 なんだこの賑わいは。完全に予想外の大混雑だった。渋滞こそなかったものの、駐車場といい人混みといい、秋の紅葉シーズンに匹敵するほどの人出だった。まさかこんなにメジャーなイベントとは思ってもみない。ちょこっと町を歩きながら写真でも撮ろうかくらいの軽い感覚だったのが、完全にお祭りムードの中に飲み込まれることとなる。いやはやびっくり。駐車場はどこも満車で車をとめるのにさえ苦労した。
 普段は人影もないほどの町並に人が溢れかえっていた。ちょうどひな祭り前日の日曜日ということで、期間中最高の見物客だったんじゃないだろうか。驚きはしたけど、考えようによってはいいときに行った。こんなに活気のある足助の町を見るのは、たぶんこれが最初で最後になるだろうから。

 ひな祭りは明日だからひな人形の写真は明日にして、今日のところは今日の足助の町並と賑わいの写真を並べて中馬のおひなさま紹介としたい。行った人から見ると、おまえは何を撮ってるんだよという写真ばかりが並ぶ。目的はひな人形を撮ることだけど、目につくものは別のものだったりする。古き良き足助の町の魅力が伝わればいいと思う。なかなかに被写体の多いところだ。

足助の町並-2

 いきなり昭和だ。ウサギの人形がおひなさんを展示していると案内してくれる。きみは昔、薬局の前にいたやつかい?
 個人宅で私設駐車場をやっている家の前に、「満車」と書かれたプレートを首からぶらさげられている犬もいてちょっと笑った。今日は犬も一日しっかり働いた。夕飯に何か美味しいものをもらえただろうか。

足助の町並-3

 今でも営業している玉田屋旅館。一泊二食付きで8,000円だそうだ。
 創業は江戸末期で、建物もかなり古そうで雰囲気がある。

足助の町並-4

 行く前は、各家庭が家の中に飾っているひな祭りを見物客が見せてもらうというものだと思っていたのだけど、実際に行ってみるとそこはお祭り会場と化していた。太鼓をどんどん打ち鳴らした一隊が登場するに至って、私は自分の思い違いを知ることとなる。これは町を挙げての一大イベントだったのだ。特設会場には食べ物屋も出店していて、見た目も匂いも祭りのものだった。

足助の町並-5

 足助名物シシコロッケときた。イノシシの肉で作ったコロッケが大人気のようで、常に行列ができていた。馬刺しとかイノシシベーコンなんていうマニアックな肉類も置かれている。
 この隣がイノシシ専門店で、店先にイノシシの皮が何枚も吊されていたのはちょっと厳しかった。あれは一気に現実に引き戻される。
 ツレはシシコロッケを食べようといったけど、残念ながら売り切れとなっていた。売り切れでよかったような気もする。

足助の町並-6

 こういう山の街道沿いの観光地で名物といえば、たいてい五平餅か鮎の塩焼きと相場が決まっている。豆腐田楽というパターンもある。ここでもしっかり五平餅と鮎の塩焼きを売っていた。
 別の場所ではスズメの丸焼きというのが売られているのを去年の紅葉のとき見た。あれは本当にスズメを丸焼きしたものなんだろうか。だとしたら恐すぎる。

足助の町並-7

 マンリン書店横の小径は写真スポットとして定番だ。ここは足助の中で一番趣のあるところと言ってもいい。写真を撮る人も多い。
 マンリン書店は今回初めて入った。こだわりの品揃えは分かるけど、この規模では営業していくのは大変だろうと思う。
 駄菓子のミニコーナーは懐かしいお菓子がいろいろあって、見ているだけで楽しめた。

足助の町並-8

 撮る人を撮るシリーズはいつでもどこでも忘れない。
 高級カメラセットで撮っている人は少ない中、赤ハチマキは目立った。いい写真は撮れただろうか。あまり撮ることに夢中になっていると、いつの間にか私に撮られてしまっているので油断してはいけない。
 今回は軽装で、17-85mmと50mm f1.8の二本体制でいった。広角でしか撮れないシーンもあったけど、ここは50mmの方が向いている。もしくはタムロン90mmあたりも案外いいかもしれない。

足助の町並-9

 いたるところに昭和が残っているのが嬉しい。こういう服屋さんを見るとやるなと思う。よく商売が成り立つもんだと感心したり。
 足助では今でもオシャレ割烹着みたいなエプロンが飛ぶように売れているのだろうか。

足助の町並-10

 この世界に重力があることは、リンゴが木から落ちるのを見るまでもなく古い家の曲がり具合が証明してくれている。
 こういうカーブはうちの田舎でもよく見かけるお馴染みの光景だ。広角レンズで歪んで写っているわけではない。

足助の町並-11

 ここはやけに美容院の多いところだ。こんな狭い町なのに6軒も7軒も理容の店がある。中には閉店したところもありそうだけど、それにしても数が多い。住人のみなさんは身だしなみに気を遣って一週間に一度くらい美容院へ行くんじゃないと思わせるほどだ。日ごとに頭を刈りたい人争奪戦が町の中で静かに繰り広げられているかもしれない。

足助の町並-12

 貝印灯油というホーロー看板に目をひかれて見上げてみると、ツバメの巣が鈴なりになっていた。
 毎年春になるとこの家は賑やかになるだろう。ツバメたちももうそろそろ渡ってくる頃だ。

 中馬のおひなさん第1回はこれくらいにしておく。もう眠たくて限界を超えている。
 明日はひな人形編をお届けする予定です。
 少し足助シリーズが続くかもしれない。




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