現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
山崎川の桜後編は人がいない桜だけの写真
2008年03月29日 (土) | 編集 |
山崎川桜-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+TAMRON 17-35mm f2.8-4.5 / TAMRON 90mm f2.8 SP



 今日は昨日の山崎川の続きで、桜編をお届けします。今日の写真は、人入りではないのだ。ちょこっと入っているくらいでは人入り写真ではない。人以外のものが入ってたりもする。
 まずは鼎小橋付近から。このあたりは古木が残っていて、それが川面に向かってしだれるように枝を伸ばしているから風情がある。これが最初からの狙いだとしたら、なかなかのものだ。
 この日はまだ満開ではなかった。今日あたりはどうだっただろう。人出はすごいことになっていただろうけど、今日の名古屋は寒かったからまだ満開になってないんじゃないか。明日は午後から雨だから、見にいくなら午前中が勝負だ。
 桜も満開を過ぎるとだんだんよくなくなるから、8分咲きくらいのときが一番きれいでいい。

山崎川桜-2

 これはどのあたりだったろう。向こうに見えている橋は、向田橋か、石川大橋か。両方違うかもしれない。
 山崎川は、川に関しては魅力のとぼしいところだ。川幅の狭さは桜並木には有利にしても、すっかり牙を抜かれた街中の川で、生命力がない。これじゃあ、カモたちも来ない。桜の花びらが散ったときも絵にならない。
 川沿いの桜ということでは五条川の魅力にはかなわない。

山崎川桜-3

 これは鼎橋近くだったろうか。満開のときは、このあたりの桜もよさそうだ。
 護岸工事はもう少しどうにかならなかったんだろうか。せっかく日本の桜名所100選に選ばれて県外からも大勢の人がやって来るのに、こんな石垣のニセモノ風では残念すぎる。本当の石垣を組むくらいの予算は出なかったのか。もしくは、もう少し自然と調和するような外観にできたんじゃないかと惜しまれる。
 桜名所でそういうあたりまで気を配ってトータルデザインをしてるところはほとんどない。予算の関係があるにしても、デザインの専門家に頼めばもう少しなんとかできるに違いない。もったいない。

山崎川桜-4

 特に深く考えず、いいなと思えるところを撮っていると、だいたい似たような写真になっていることにあとから気づく。人の好みはたいて決まっているし、自分の中で安定感のある構図というのもパターンは限られる。
 文章のクセというのはネクタイの好みのようなものでなかなか変えることができないと三島由紀夫は言ったけど、その言葉は写真にも当てはまりそうだ。
 あるいは、映画『アジアンタム・ブルー』の中で松下奈緒が水たまりの写真ばかり撮っていたように、自分のスタイルに固執することで確立していく世界というのもあるのかもしれない。

山崎川桜-5

 ライトアップされるあたり。木の下にライトが見えている。ここのライトは真っ白で、暗闇の中に白い桜がくっくり浮かび上がるという趣向になっている。幽玄といえば幽玄だけど、白々として寒々しい感じもある。
 写真でしか見たことがないから、実物を見たらまた印象も変わるのかもしれない。今年はもうチャンスはないだろうから、来年の宿題としよう。

山崎川桜-6

 山崎川の鼎小橋は、香嵐渓の巴橋のようなもので、見る人も撮る人も、ここに引きつけられる。狙いなのか、結果的にか、桜もここが一番の見所となっているから、当然といえば当然だ。
 しかし、あんな小さな木の橋に人を満載しても大丈夫なんだろうか。100人乗っても大丈夫?

山崎川桜-7

 遊歩道の桜トンネル。鼎橋から南の左側は、車が入ってこられない遊歩道になっていて歩きやすい。
 このあたりはよく咲いていて、もう満開に近かった。今日行っていれば、人の頭がいっぱい入った写真を撮れただろうか。

山崎川桜-8

 見上げる桜。古木は川に向かっていて、空に大きく伸びた大木というのは少ない。このへんの木もまだ若い。
 今年は藤ヶ丘もずいぶん木や枝を切ってしまったようで、香流川の桜も歳を取ってきたからそろそろ危ない。若木に植え替えられると、それが成長するまで10年以上かかって、その間寂しいことになる。
 山崎川も、二度目のピークまではあと20年くらいは待たなければならないだろう。

山崎川桜-9

 瑞穂陸上競技場近く。夕陽に照らされた桜の花がピンクに染まって、木の影が長く伸びた。
 夕焼けと桜というのも、ありがちなようであまりない。今までにこれだっていうような決定的な写真を撮れたという記憶もない。意外と難しい組み合わせなんだろうか。

山崎川桜-10

 カラスを狙う猫。首輪がついてたから近所の飼い猫だろう。黒猫だけど、手足が白のホワイトソックスだ。
 この姿は、うちのアイを見るようだ。アイもこうやっていつも鳩を狙っている。鳩はおとぼけだから狙われてることに気づいてないのかもしれないけど、カラスは賢いから猫がいることなど当然分かっているに違いない。猫は隠れてるつもりでも、カラスからは丸わかりなのだ。

山崎川桜-11

 陸上競技場のヒトコマ。
 昔はトラック一周くらいなんでもなかったけど、今は走ったら死にそうな気がする。たぶんそれは、必ずしも気のせいじゃない。もう何年全力疾走をしてないだろう。
 見てると、ちょっと走りたいような気持ちもする。

山崎川桜-12

 沈む夕陽と桜の花アップ。
 これにて山崎川の桜編はおしまいとなる。もう少し変化に富んだ写真を撮りたかったのに、なかなか上手くいかなかった。アイディアもチャンスも不足だった。
 山崎川自体の変化の少なさというのもあったので、これを踏まえつつ、五条川の桜撮りに臨みたい。五条川の桜も、まだ満開にはなってないようだ。来週の中頃に行くつもりでいる。
 2008年の桜シーズンはここで折り返し。後半もしっかり回って、たくさん写真を撮ろう。


山崎川の桜並木を撮り歩きながらやっぱり人入り写真が好きだと思う
2008年03月29日 (土) | 編集 |
山崎川1-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+TAMRON 17-35mm f2.8-4.5 / TAMRON 90mm f2.8 SP



 春を求めて今日は東へ明日は西。東奔西走の3月終盤。燃え尽きる前に回れるだけ回れということで、今日は山崎川へ出向いた。
 名古屋を代表する桜名所で、全国の桜名所100選にも選ばれているこの場所は、意外と評価が分かれるところだったりする。一昔前を知っている人間にとっては、最近の山崎川は物足りなくなったというし、今の姿しか知らない人は美しい桜並木に感動する。
 個人的には山崎川はそんなにたいしたことはないと思っていた。桜並木というのなら香流川の方が上だろうし、市外では五条川がある。でもそれは、車で近くまで行ってちらっと見ただけで決めつけていた部分もある。だから、今回は一度ちゃんと歩いてみようと思った。

 山崎川は、平和公園の猫ヶ洞池を水源として、南西に進みながら名古屋港へと続く13.6キロの川だ。そのうちの桜ポイントは、石川橋から新瑞橋までの約2.8キロの区間で、630本ほどの桜が植えられている。その前後もあるので、あわせると700本以上になる。
 一番の見所は、木橋の鼎小橋付近で、このあたりは古木が川面にかかるように伸びていて、山崎川の桜のクライマックスとなっている。
 最初は、昭和3年(1928年)に、石川橋から左右田橋にかけて両岸に500本の桜を植えたのが始まりだった。それからすでに80年だから、初代の桜がほとんど残ってないのは仕方がないところだ。おそらく昭和の終わりくらいが一番よかったのだろう。大部分の古木は若木に植え替えられてしまった。ソメイヨシノの寿命は短い。

 今日は、石川橋付近から瑞穂陸上競技場がある左右田橋までの間を往復してみた。何をどう撮ろうかと迷いながらの歩き撮りになったのだけど、撮っているうちにだんだんテーマが見えてきた。やはり、人だろう、と。誰がどう撮っても桜はきれいで、それ以上ではない。自分が撮りたいものって何だろうと考えたとき、答ははっきりしていた。人のいる桜風景だ。
 ということで、今日は人がいる写真を集めてみることにした。思ったように撮れたものもあり、思い通りにならなかったのもあり、レンズの選択にもまだ迷いがあった。

山崎川1-2

 桜の咲き具合は、6分から7分くらいだろうか。木によってもバラつきがあって、ほとんど満開のところもあれば5分咲きにもなっていないのもある。
 今日はすごく寒かったし、明日以降も気温が上がらないようだから、この週末でも満開にはなりそうにない。来週の日曜までは持たないにしても、最近の気温なら来週の中頃あたりがピークということになるかもしれない。
 山崎川のさくらまつりは明日から始まる。今日ももう夜間のライトアップをするのかと待っていたらしなかった。どうやらライトアップも明日かららしい。場所は鼎小橋付近の100メートルの間で、一番きれいなところを選んでやるようだ。川の周囲は住宅地で宴会禁止なので、夜間でも静かに桜見物ができる。
 今日の見学者はぼちぼちだった。平日だから、大挙して押し寄せるというふうではないにしても、もう少しいると思ったらさほどでもなかった。日曜は天気が悪そうだから、人出としては明日が一番多くなるだろうか。

山崎川1-3

 見物客は、カップル、近所の犬の散歩の人、年配の夫婦あたりが一番多くて、あとは家族で、自転車の通りすがりなど。カメラの人は少なかった。
 考えてみると、観光地ではない桜名所はカメラの人が案外少ない。撮るよりも見に来ている人が大部分だ。そういう部分でも、他の花と桜は違う。

山崎川1-4

 これが木の橋、鼎小橋だ。狭い橋で、満開のときは人で埋まる。
 ここは絵にもなるし、前後の桜がいい感じなので、一番人気の場所といっていい。記念撮影スポットでもあるので写真を撮ってる人も多いく、カメラのおじさんがカップルに写真を頼まれていた。

山崎川1-5

 左側が遊歩道になっていて、一部は車が入ってこられないようになっているので、のんびり歩くことができる。ところどころでこういうふうに下まで降りられるように整備されている。川自体に見所はない。黒い鯉が泳いでいたり、カルガモが数羽浮いてるだけだ。
 去年、護岸工事が終わって、無粋なクレーン車がいなくなったのはよかった。

山崎川1-6

 焼きいもカーが一台だけ出現していた。明日からのさくらまつりではもっと増えるんだろうか。ただ、ここはそういうスペースがあまりないから、お祭りムードというのはさほど強くなさそうだ。あれもよしあしだ。

山崎川1-7

 わっ、すごい犬、と思ってとっさに撮った一枚。立ち上がったら人間の体くらいある。銀魂のさだはるみたいだ。犬が苦手な人なら泣いて逃げ出しそうな大きさだった。ちょっとしたシロクマみたい。

山崎川1-8

 犬の散歩の人が多いところをみると、このあたりでは犬を飼っている家が多いのだろう。飼い猫が一匹、川岸に遊びに来ていた。
 自転車通りも多くて、ここが生活空間だということが分かる。近くに瑞穂陸上競技場があるから、ランニングをしている人もけっこういる。
 そういえば、中学のテニス大会のときに、瑞穂まで自転車で来たんだった。今、ふと思い出した。二人乗りをしていて、坂道でブレーキが効かなくて、ガードレールにぶつかった拍子に後ろに乗せていた友達が吹っ飛んでいったのも今ではいい思い出だ。

山崎川1-9

 ここも遊歩道にユキヤナギが植えられていた。ちょうど桜と同じ時期に咲くから、桜並木に彩りを添える。

山崎川1-10

 チビと桜の記念写真というのは意外と難しいのか。大人の背の高さならバックに桜が来るけど、チビの視線では後ろに花はない。親がしゃがんで下から撮らないと桜バックにならないこともありそうだ。
 このお母さんはユキヤナギをバックに写真を撮っていた。それもまた春の写真だ。

山崎川1-11

 何気なくふと撮ったカップルの写真は、足の形が同じだった。

山崎川1-12

 ちょっとお邪魔しますと心の中でつぶやいて撮らせてもらった記念撮影写真。
 たぶん、このスタンスが私と被写体の良好な関係で、この世界と自分との距離感なのだろうと思う。被写体と自分との一対一ではなく、撮られる側でもなく、人がいるこの世界を一歩引いた位置に立って眺めている感じ。
 でも、本当にいい写真を撮るためには、あと一歩も二歩も踏み込んでいかないといけないことも知っている。自分の撮りたい写真が見えそうで見えない。今日並べた写真は、良くも悪くも私らしい写真といえそうだ。

 桜のタイミングとしてはまたも少し早すぎてフライング気味になってしまったけど、今日行っておいたのは間違いじゃない。まだ次がたくさん控えてるから、一つずつクリアしていかないといけない。なんだかんだで来週いっぱい持ちそうだから、回れるだけ回ろうと思っている。ここまでは順調にきた。あとは五条川と岡崎城まで行けるかどうかだ。
 山崎川の桜写真はあと一回分あるので、明日以降のどこかで紹介したい。人ばかり撮ってるわけじゃないのだ。




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