現身日和【うつせみびより】
この世界にはたくさんの美しいものや面白いものがあることを知るための毎日であれば、それは楽しくて幸せなこと。
生きた年の分だけ桜の思い出ができる <五条川桜・第2回>
2008年04月05日 (土) | 編集 |
五条川桜2-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor VR 24-120mm f3.5-5.6 / SIGMA 17-70mm f2.8-4 他



 桜の写真がたくさんあるから、桜が咲いているうちに載せてしまいたい。今日は五条川の続きをいっておこう。
 桜前線は今、北関東と信州の手前あたりだろうか。中部、関東まではもう満開を過ぎた。東北、北海道はまだひと月先だ。明日は松本へ行くのだけど、ようやくつぼみがふくらんだところだそうだ。毎年のことながら、日本列島は季節の歩みにずいぶん差があるのだと思い知らされる。太陽から見て、ほんのわずかの差でしかないのに。

五条川桜2-2

 豊臣秀吉の家臣だった17歳の堀尾金助は、小田原征伐のとき病気で命を落とした。その出征のとき、熱田まで見送りに行った母と息子の別れの場所に架かっていのが裁断橋で、後年老朽した橋を母親が架け直し、更に古くなって取り壊されることになった橋を、屋敷のあった大口町のこの場所に再築したのが現在の裁断橋だ。
 そんな歴史のある橋のわりには新しくて、コンクリート部分が多いのが残念だ。橋そのものは木造で雰囲気があるのでもったいない。

五条川桜2-3

 桜を見るというのは、桜の下を歩くということだ。毎年見る桜は同じでも、あの年は誰とどこへ行ったという記憶はそれぞれだ。

五条川桜2-4

 撮りたいと思うシーンは、毎年同じ場所だということに気づく。カメラやレンズが変わり、写真の技術は上がっても、感受性というのはそんなに変わるものではない。過去2回もこの場所から撮っている。来年行っても、やっぱりここから撮ってしまうことだろう。

五条川桜2-5

 太い枝が折れ、中がむき出しになっても桜は咲き続ける。
 五条川沿いも木に札がかかっているし、当然管理もしてるのだろうけど、ここはあまり人の手が入ってないのがいい。無闇に剪定してるところもあって、あれはあまりいい気分じゃないから。

五条川桜2-6

 桜のアップというのはほとんど撮らないから、どう撮っていいのかよく分からない。これは来年以降の課題として残った。

五条川桜2-7

 寺の名前はよく分からないけど、毎回寄っている。山号が秋葉山というのは知っているものの、地図にも名前が出ていない。
 ここの桜もかなり立派。

五条川桜2-8

 落ちた花びらが水面を流れていく中、赤と白の鯉が流れに逆らって泳いでいた。桜吹雪に紅白の鯉のぼりとはめでたい。
 もう少しすると、花びらは鯉の姿を隠してしまうほど川面を覆う。そのシーンを撮りたいと思いつつ、もう4年になってしまった。撮るなら雨のあとや風の強い日を狙っていかないと。

五条川桜2-9

 植物季節観測用標本と書かれた札が立っていた。もしかすると、これが岩倉市の標準木だろうか。
 名古屋の標準木は、千種区の名古屋地方気象台にあるらしい。どこにあるんだろう。気象台の敷地内なら一般人は立ち入り禁止だろうか。

五条川桜2-10

 老夫婦の桜見物も素敵だ。50年前一緒に見た桜の思い出話なんてのができるのも、長生きすればこそだ。

五条川桜2-11

 屋台が立ち並ぶお祭りムードということで、学生や子供たちも多い。
 女の子集団も、何年かあとには彼と訪れるか、訪れなくなるかだろう。
 自分が子供の頃は、友達と桜見物なんてした記憶はない。そんなものにまるで興味はなかったから、見たのは家族旅行のときくらいだった。
 私がちゃんと桜を見るようになったのは、ここ数年のことだ。

五条川桜2-12

 一つの花で国民全体が気持ちを一つにするなんてことは、世界中を探しても日本以外にないんじゃないだろうか。
 日本の風土に桜が合ったというのもあるけど、日本人のメンタリティが長い歳月をかけて育ててきたという方が大きい。桜のもとで日本人は一つになれる。これをもっと他にも活用できないもんだろうか。今更国花を変えることはできないにしても、桜を合い言葉に日本人は新しい日本人性といったようなものを作り上げていけるような気がする。
 美しさと潔さと儚さと。桜は私たちに、一年に一度、忘れかけている大切なことを思い出させてくれる。そして、また来年も桜を見るために生きようと思わせてくれる。


五条川まで行けたから2008年桜シーズンは満足納得 <五条川桜1回>
2008年04月05日 (土) | 編集 |
五条川桜1-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor VR 24-120mm f3.5-5.6 / SIGMA 17-70mm f2.8-4 他



 五条川の桜を見に行くのは今年で三度目になる。最初に見たのが2005年で、翌年も行って、去年は休んだ。今年は早い段階からここで締めくくろうと決めていた。
 4日というのはタイミングとしてはちょっと遅かった。満開を過ぎて、かなり散り始めていた。最盛期は4月1日くらいだったろうか。ここは桜吹雪と散った花びらが川面を流れる様子もいいから、むしろもう少し遅らせた方がよかったかもしれない。
 いつも行くのは大口町で、今回は初めて岩倉市の方にも行ってみた。長々と続く五条川の桜並木だけど、この二つのポイントが一応メインどころと言っていいと思う。
 例によって写真が一回や二回では収まりそうにないので、今日はプロローグとして写真を並べることにする。五条川については2006年のとき、このブログで書いたので、あまり付け足すことはない。二回目以降も写真中心になりそうだ。
 それでは、五条川の桜風景をいってみよう。

五条川桜1-2

 大口町の裁断橋南にある八剣社の前に車をとめ、神社でお参りをしつつ裁断橋から桜見物を始める。ここから東に少し歩いてお寺さんの桜を見てから引き返すというのがいつものパターンになっている。こちら側は見物客も少なく、のんびり散策できる。
 桜はやや雑然としているものの、川に向かって両岸から枝を伸ばして咲いているので、ぎっしり詰まっているように見えて華やかだ。川幅が狭いのがいい。

五条川桜1-3

 堀尾跡公園近くには屋台も並んでいる。このあたりは数も少なく、それほどうるさくない。
 近くの芝生広場ではシートを敷いた花見客などいるものの、全体としてはのんびりした空気が漂う。あとから行った岩倉市内の過剰なお祭りムードとは対照的だ。

五条川桜1-4

 花は今のところ9分から8分くらいは残っている。まだ地面を埋めるほど散ってはいない。おととし訪れたときは12日だったから、このあたりはピンクの絨毯になっていた。今日はときおり吹く強い風に花びらがはらはらと舞っていた。
 少し日差しが弱かったのが残念だった。

五条川桜1-5

 ここの木は多くが60歳くらいになっているので、見るからに老木という木も少なくない。枝が折れたような木の幹からはあらたな枝や花が出てきて、強い生命力を感じさせる。短命なソメイヨシノも、歳を取ると貫禄が出てくる。
 こういう桜並木はまだ寿命が残っていても、ある程度の年代になると若木と植え替えてしまうものだけど、ここはどうするつもりだろう。まだしばらくは大丈夫にしても、100年は生きられない。
 ただ、五条川の場合、桜が植えられているところと歩道が分けられているから、根っこをあまり人に踏まれていない分、助かっているというのがある。ソメイヨシノ60年寿命説に異議を唱える人も多く、枯れる原因は根を人に踏まれるからだというのが彼らの主張だ。実際、弘前城の桜など、100年以上生きているソメイヨシノもけっこうあるという。

五条川桜1-6

 大口町周辺は見慣れた光景だったので短めに切り上げて、岩倉市の方に移動した。駅周辺は人も車も多くて、とめるところもなかなか見つかりそうもないので、明治橋の北にとめて歩くことにした。
 観光スポットから外れたところの桜並木は素朴でいい。このあたりは地元の人くらいしか歩いてないのに、見応えは充分だ。こういう場所は他にもありそうだから、自転車で川沿いをずっと走ってみるといいところが見つかると思う。折りたたみ自転車を車に積んで、もっと上流から散策するなんてのもよさそうだ。

五条川桜1-7

 五条川沿いはどこをとってもビューポイントだ。川幅の狭さが有利に働いている。これで水量がもっと豊かなら言うことなしだけど、岸が緑なのはいい。ここが土むき出しだと印象が悪くなる。

五条川桜1-8

 岩倉駅近くになると、屋台も人も一気に増えて賑やかになる。こういうお祭りが好きな人はいいだろうけど、けっこううるさい感じもする。屋台は片側に並んでいるから、避けたい人は対岸を歩くといい。

五条川桜1-9

 緩やかな流れの川面が桜を映し、散った花びらがゆっくりと流れていく。
 見づらいけど、右の方にはカルガモが写っている。渡りのカモたちはさすがに残っていなかった。せっかくだから桜を見てから戻っていけばいいのにと思うけど、カモにはカモの事情がある。北に渡って子育てをしないといけないから、のんきに桜見物なんてしてられない。カルガモは一年中日本で暮らして、四季をどう感じているんだろう。

五条川桜1-10

 水辺近くまで降りられる階段がある。このあたりが五条川名物「のんぼり洗い」をするところだろうか。見られれば見たいと思っていたけど、夕方なんかにやるもんじゃないか。たぶん、昼間やってるのだろう。
 のんぼり洗いというのは、鯉のぼりののりを川の中で洗い落とす伝統行事で、春を告げる風物詩ともなっている。今では半ば観光客向けのようになっているようで、テレビの中継などでもよく見る。

五条川桜1-11

 桜を撮るお仲間。私もいつどこで写真に入ってしまってるか分からないから、油断せずカッコつけて撮らないといけない。あまり必死でも恥ずかしいけど。

五条川桜1-12

 おあつらえ向きの場所に、一家がフレームインした。演出したみたいだ。

五条川桜1-13

 ライトアップは6時からで、始まったところを見てから帰ってきた。あまり派手にはやってないようだけど、夜桜を見るならしっかり日が暮れる7時以降だろう。

 五条川の桜写真は明日以降も出していくつもりだけど、私の桜紀行はここで一区切りとなる。ここまではほぼ予定通り回った。この先はまだ未定だ。2008年桜シーズンの総括はもう少し先にしよう。
 五条川はまだぎりぎり今週いっぱい持ちそうだから、行ける方はぜひ。岩倉市の五条川しか見たことがないのなら、大口町の静かな五条川をオススメします。




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