 Canon EOS 20D+TAMRON SP 90mm f2.8
今年は季節の花にずっと遅刻続きで、バラから建て直そうと思ったのに、バラにさえ置いていかれてしまった。よもやの出遅れ。花期が長いバラとはいえ、10日以上も遅れたら致命的だ。なんとか大丈夫でありますようにと願いながら行った春日井の王子バラ園は、遅刻常習犯の私を待っていてはくれなかった。バラよ、おまえもか。 今年は特に早かったようで、ピークは5月15日くらいだったそうだ。27日ではいかにも遅すぎる。去年は25日に行って、それでも遅れ気味だったから、今年は少なくとも20日は行っていなければいけなかったのだ。おととしは12日で、それはさすがに早すぎたけど、バラは5月の中旬と思い知るべしだ。5月の終わりじゃない。 花の状態はかなり悪くなっていて、蕾もあまり残っていなかった。王子バラ園はどんどん剪定していくから、旬を過ぎると花の数が少なくなる。写真を撮るにしても、花が開ききってしまうと美しさが半減してしまうから、7分咲き、8分咲きくらいが一番いい。そのときは恥じらいがある。開ききると品がなくなる。 普通に撮れる花が少なかったので、今回は方針を切り替えて、バラが持つ色と造形の美しさに迫ってみることにした。バラも撮るのが難しい花だけど、下手に小細工せず素直に写すのがいい。きれいに撮ろうとしなくても、バラはそのままで美しいのだから、足し引きしなくてもいい。 今回は名前にこだわらず、目についたものをあれこれ考えずにパチパチ撮っていった。構図も考えず、距離感だけ決めて適当に撮った。名前から解放されると、一気にお気楽撮影になっていい。
 一重咲きというのはあまりバラらしくないけど、よく見るとけっこう上品だ。ピンクの濃淡も情緒的で、繊細でもある。
 私が好きな黄色いバラ2つ、寺西菊雄作の荒城の月も、天津乙女も咲いていなかった。残念。もう終わってしまっていたんだろうか。最近、あそこで見ていないのは時期を外しているだけなのか、もう枯れてしまったのか。 代わりに黄色いバラはこれを選んだ。荒城の月や天津乙女と比べるとずいぶん色が濃い黄色だけど、これはこれで悪くない。花もまだ開ききっていなくて、いい状態だ。写真写りとしても、これくらいのときがいい。
 バラのピンクはとても多様で、様々なピンクバラが存在する。淡いピンクからショッキングピンクのような色まで、いろいろな色が作り出せるのだろう。ローズピンクという色の名前があるように、ピンク色もバラを象徴する色の一つだ。
 カップ咲きとピンク色は相性がいい。ゴージャスさと品をあわせ持つカップ咲きのピンクバラがけっこうある。人気の高いピエール・ド・ロンサールなどがその代表だろう。
 私が好きなマダム・ヴィオレもこの通り。すっかり開ききってしまっていて、こうなってしまうとマダムの上品さはない。マダム・ヴィオレも、秋バラの方が姿がいいから、そのときもう一度会いに行こう。 紫色のバラは、たくさんありそうで意外と少ない。ブルー・ライトや、マダム・ヴィオレを親に持つブルー・シャトーなどが思いつくくらいだ。青いバラを作ろうとして青くなりきらなかった青灰色みたいなバラもいくつかある。
 これは黄色ともいえるけど、見た目の印象ではオレンジ色だった。オレンジ色のバラもバリエーションが多くて、それぞれ印象が違う。色が濃いほど華やかで、淡いものには気品を感じる。 バラの花色の主成分は、赤色とオレンジ色と青色の色素で、その組み合わせによって色が決まるのだそうだ。だから、オレンジというのはバラでは基本色の一つで、黄色なんかの方が特殊な色ということになる。 青色のバラが存在しないのは、青色色素と呼ばれるデルフィニジンが花弁にないからで、交配によって青いバラを作り出すのは不可能とされている。人工的に作り出すには、遺伝子組み換えをするしかない。サントリーが作った青いバラは、そうやって作られた。 花フェスタで、岐阜県が作った青いバラ、ブルーヘブンというのを見たけど、あれは紫がかった灰色のバラだった。サントリーのものも一度見てみたい。
 濃厚なピンク。あるいは赤。ここまで派手でどぎつくなってしまうと、私の好みからは外れる。非常に強い色だとは思うけど。
 深紅というにはちょっと明るすぎる。 バラというと赤いバラを思い浮かべるのが一般的な感覚だろうか。バラの花束を贈ったり受け取ったりする人生は、遠い世界に思えるけど、実際にどれくらいの赤いバラの花束が行き来しているのだろう。私は切り花は好きじゃないから、贈るにしても鉢植えにしたい。鉢植えの赤いバラになると、とたんにロマンチックじゃなくなってしまうけど。
 少しだけ普通にも撮った。このバラは撮り頃だった。 まだ開ききってない状態で、花を中心に蕾が取り囲んでいるというのが、被写体として理想的なバラの姿だ。 ミニバラもなかなかいいものだ。離れて見ると印象が弱いけど、そばに近寄ると普通サイズのバラに負けてない。
 これもミニバラで、しだれ咲きのように咲いているから、しだれバラと呼びたい。蕾の可憐さといい、他のバラとはちょっと違った魅力を持ったバラだ。
 淡い色のバラを逆光で撮ると、ソフトフィルターをかけたような写りになる。たまたまこれがそうなったというわけではなく、絞りを開放気味で撮るとその傾向が強くなる。 バラと光の関係というのもなかなか難しいもので、強すぎると色が飛ぶし、弱いとのっぺりしてしまう。夕方の光は花の色が濁るからあまり向かない。となると、やや弱めの日差しがあるときがベストということになるだろうか。 レフ板を使うと、また違った写りになるだろうから、そのあたりも試してみたいところだ。簡易レフ板は買わなくても、厚手の紙にくしゃくしゃにしたアルミホイルを貼り付ければ簡単に作れる。昔は私も持ち歩いていたけど、最近はそんなこともすっかり忘れていた。
 最後は私らしい写真で締めくくろう。
今回は遅刻したことで怪我の功名として、いつもとは違った撮り方になった。いろんな撮り方をしようとせず、アップ写真に特化させたことでバラとの一つの距離感を掴んだ。この距離もありだ。あとはもう少し構図を工夫して、色と造形とバランスをイメージしながら撮れるともっといい。 今年の春バラはこれで終わりになってしまうかどうか、今のところまだ未定だ。岐阜の花フェスタは今年は休みにしよう。2005年から去年まで3年連続で行ったから。近場では、鶴舞公園、庄内緑地、東山植物園あたりだろうけど、どれも行ったことがあって新鮮味がない。秋バラを見るために花フェスタへ行くというのはいいかもしれない。 これからバラを見ようという人は、王子バラ園はもう終わりだからやめておいた方がよさそうだ。花フェスタは、これからがちょうどいい時期だと思う。5月の終わりから6月の始めにかけてが毎年ベストシーズンだから。あそこは世界一のバラ園を自称するだけのことはあるから、行ったことがない方はぜひ一度行ってみることをおすすめします。
|