 PENTAX K100D+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4
離島というと遠く離れた別世界と思いがちだけど、愛知から一番近い島・日間賀島へは名古屋駅から1時間半ちょっとで行くことができるお手軽な観光地だ。いつか行きたいと思っていて、今回ようやく実現することができた。 車で行く場合は、知多半島の先端の師崎まで行く方が早い。そこから高速船でわずか10分しかかからない。電車の場合は南知多の河和(こうわ)まで行って、そこから高速船に乗って20分だ。河和駅から高速船乗り場までは、無料の送迎バスが出ていて、それなら3分ほど、歩いても7、8分でいける。 上の写真は、河和駅に着いた名鉄電車の面々。左端が私たちが乗ってきたパノラマSuperの特急だ。先頭車両は見晴らしのいいパノラマ席になっている。私たちは普通に一般車両に乗車したので、パノラマ気分は味わえなかった。古い7000系のパノラマカーは2009年までに廃止が決まっているから、今後は鉄の人たちが遠くから乗りに来たり写真を撮ったりするのだろう。
 島まで運んでくれる船は高速船のイーグル号。1号から3号まであるようだ。 全長21メートル、45トンの船で、定員は86名。 海が穏やかなときならさほど揺れることはないけど、乗り物酔いする人はやや危険かもしれない。乗り物酔いはほとんどしたことがない私でも、酔いの初期症状である生あくびが出たくらいだから、普通の人でも海が荒れているときに出港するとアウトの可能性がある。窓ははめ殺しで開かないようになってるし、表のデッキにも出られないのが厳しい。 私もツレも、どうにか無事に日間賀島まで無事だった。帰りの船では疲れもあって途中から寝てしまって、酔いも何もなかったのだけど。 日間賀島と篠島の二島を回る場合は、二島めぐりチケットというのが500円くらい得になる。
 ようこそ日間賀島へ。はじめまして、日間賀島。 このとき一緒の船に乗っていたのは、20人弱くらいだったろうか。平日の昼前としては、まずまずの観光客だ。あとの便では団体さんも降り立っていたし、けっこうメジャーな観光地なんだと再認識する。週末はもっと賑わいを見せるのだろうし、夏になれば大勢の海水浴客が訪れるに違いない。 島の人口は約2,200人。男女比はほぼ半々で、世帯数は約630だから、お年寄りばかりの過疎の島とは違う。半数が漁業関係で、もう半分がサービス業というから、半漁半観光の島というのが数字からも分かる。 面積は約0.73平方キロで、周囲は約5.5キロ。一周をゆっくり歩いて2時間、スタコラ歩けば1時間ちょっとの島だ。 この規模の島に、観光ホテルと民宿をあわせて100軒近くもあるというから驚く。それがどこもそれほどひなびた感じがないからたいしたものだ。それだけ訪れる人が多いということだろう。 愛知県には日間賀島の他に篠島と佐久島という3つの有人島があって、日間賀島は一番面積は小さいものの、最も多くの観光客が訪れるところだそうだ。このあと篠島へ行って、両島の違いを目の当たりにして、なるほどと納得した。日間賀島は自分たちの生活を守りながらも、観光客の方をしっかり向いている。
 この島の売りはなんといってもタコだ。タコを全面的に押し出してきていて、島の至る所でいろいろなタコを目にする。歓迎のモニュメントも、タコがハチマキをして扇子を振っている。 もう一つの名物は、フグだ。下関で食べられているフグの一部は、この日間賀島で獲れたものだったりもするらしい。ここで獲れるものはそれだけ美味しいということだろう。トラフグのシーズンは10月から3月までなので、夏場に行っても食べることはできない。 タコ漁のシーズンはよく分からない。秋くらいに解禁になるんだろうか。風物詩である干しダコ風景は、12月のものだ。寒風に2週間さらして干しダコができあがる。それを縁起物として神棚に供えられたりするそうだ。普通のタコは一年中食べられるものなんだろうか。
 タイルでツボに入ったタコの絵が描かれている。日間賀島の島民がどの程度タコを好きなのはかよく分からないけど、島としてはタコをぜひよろしくお願いしますと強く推してきているのは感じられる。せっかくだからタコ関係のものを何か食べようかとも思ったのだけど、気軽に食べられるようなものは売ってなかった。タコせんべいのおみやげくらいだ。島で唯一のたこ焼き屋の店は閉まっていた。めったに開いてないらしい。 道ばたでおばちゃんがタコを売ったり、学校帰りの中学生がタコの足をかじっていたり、女子高生がタコのストラップをじゃらじゃら付けた携帯でメールをしているというような光景も目にしなかった。今はタコのシーズンオフなのかもしれない。 日間賀島の名前の由来は、日本の間ん中で貝が獲れる島、というところから来ているらしい。
 昼食は例によって持ち込み。私が焼いたマカロンという焼き菓子と、ツレが買ってきたたまごプリンでランチとなった。 マカロンはまずまずの成功で、美味しく食べられた。1個しか持っていなかったわけではなくて、もう食べ終わって、次にたまごプリンにかかるところだ。 後ろに写っているは、島の外から遠足に来た小学生たちだ。民宿のおばさまたちに作ってもらったカレーを食べていた。あまりにも何杯もおかわりをする男子は、そんなに食べたらおなかこわしてまうでもうあかんてと止められていた。いくらかは島特有の言い回しもあるのだろうけど、基本は名古屋弁だ。それも、ちょっと古くて強めの名古屋弁だった。
 ランチのあと、イルカのタッチ体験というのをしたのだけど、それはまた別の機会に紹介したい。 午後からはレンタサイクルで島の散策に出た。喫茶いこいが1時間500円で自転車をレンタルできる。 ぐるりと一周するだけなら30分くらいだけど、島の内部にまで行こうとすると自転車はむしろ足手まといになる。歩きと自転車と、どっちで回った方がいいのかはなんとも言えない。私たちの散策は主に神社仏閣巡りだったから、時間に余裕があれば歩きでもよかったかもしれない。電動機付き自転車があれば最高だけど、そんなに気の利いたものはない。1時間1,000円でもいいから、ぜひ電動付き自転車を導入して欲しいところだ。あれがあれば散策はぐっと楽になる。
 島民の主な移動手段はスクーターだ。人口2,200に対してスクーター台数が1,200というから、島の人口の半数以上はスクーターを持っていることになる。子供やお年寄りは持ってないから、大人の大多数が所有しているということになるのだろう。 ノーヘル率は90パーセント以上。シートベルト率はほぼゼロ。後部座席のシートベルト着用義務など永久に定着しないであろう、ここは無法地帯だ。それでもめったに事故が起きないというからすごい。 道が狭いので、車は少ない。一家に一台までで3ナンバーは不可という制約もあるそうだ。 坂道が多いから自転車は流行らない。路線バスもなく、タクシー会社もないから、みんな自力で移動するしかない。
 狭い路地はアップダウンがあって入り組んでいる。それなりに詳しい地図も持っていったのに、神社仏閣探しの途中で道に迷ってしまった。狭い島だから迷ったところで迷子になる心配はないにしても、目的地にたどり着けないのは困る。それさえも楽しめる心と時間の余裕が欲しい。 私たちは二島を巡るための時間が6時間ほどだったので、ややゆとりが足りなかった。なかなか行けないところだから、どうせなら二島回りたいと思うのは人情だけど、日間賀島でゆっくり散策をして一泊して、翌日篠島へ行くというのが理想的だろう。実際、そういう人が多いんじゃないかと思う。島へ行って美味しい海の幸を食べないのももったいない。
 島には唯一のものがいくつもある。信号機、診療所、派出所、小中学校など。 公衆電話ボックスはどうだろう。私が回った範囲ではこれ一つしか見なかった。 携帯電話は圏内だ。ネットのLAN回線とかはどうなんだろう。光は来てないか。 電気はもちろん完全に来ていて、水道は愛知用水から海底の水道管によって送られてきている。 離島とはいっても、知多半島から近いところに位置しているから、沖合の島とはいろんな部分で感覚的な違いはあるだろう。いざとなればすぐ本州にも行けるし、向こうから人も来てくれる。
 港がいくつかあって、漁船がやたらめったらたくさんある。島には570隻からの漁船があるというから、この所有率もすごい。就労者の半数を超えている。漁師なら船を持っているのは当たり前と思うかもしれないけど、一人一隻というのは普通じゃない。 島の男はほとんどが船とスクーターを持っていて、ヘルメットを持っていないということになる。
 南の高台に小学校と中学校が並んでいる。生徒数はどれくらいなのだろう。校庭にいる生徒や下校の様子を見ると、それなりの人数はいそうだ。最近は少子化だから以前に比べたらずっと減っただろうけど、それでも子供が少ない島という印象ではない。 高校はないから、みんな船で本州に通っている。高速船でも何人か見かけた。1980年に内海高校の日間賀島分校ができたことがあったものの、生徒数が減って2001年に閉校となってしまった。
 小学校近くに見晴らしのいい場所がある。インドハマユウ越しに篠島を眺めた。 離島といっても南国ではなく年間平均気温も15.6度と名古屋よりもわずかに低いくらいだ。だから、基本的に咲く花は同じということだろう。ただ、海辺の潮風ということで咲く花の種類はある程度違うかもしれない。
日間賀島本編の第一回はこれくらいにしておこう。島の話だから、そんなに焦らず、ゆっくりといきたい。来週は梅雨の終盤ということで雨も多そうだし、ちょうどいい。 神社仏閣編は後回しにして、次回も本編の続きを紹介したいと思っている。明日はサンデーだから、また来週。
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