 PENTAX K100D+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4
日間賀島を南の島のリゾート地のように思っていくと、それは間違いだ。地図で見ても分かるように、知多半島からそれほど離れていない三河湾の中にある島だから、海の水も素晴らしくきれいといったようなことはない。内海海岸よりはきれいにしても、海だけなら伊良湖の恋路が浜の方が上だ。あちらは外海だから、きれいでもあり荒々しさもある。 ただ、まだ海のシーズンが始まっていないということで、海岸にはゴミ一つ落ちてなくて気持ちがいい。今の時期はイルカがやって来ているということもあって、海の中も海岸もきれいな状態を保っている。海水浴シーズンになればこうもいかないだろう。 この島にはもともと海水浴場があったのかどうか。西と東にそれぞれ西海水浴場と東海水浴場という二つの砂浜があるのだけど、これは人工っぽい感じがする。完全に作ったものではなくても、きれいな砂を運んできて、砂浜を広くしたのかもしれない。西はサンセットビーチ、東はサンライズビーチという愛称もある。吉良ワイキキビーチよりはおとなしめのネーミングだ。 西と東と海岸の近くに船着き場があって、高速船はどちらにも寄港する。西の方が民宿やみやげ物屋などが多くて賑わっているから、こちらが表玄関ということになるだろう。
 島の大雑把な配置としては、真ん中の高台に小中学校などがあって、西と東の海岸近くの低い場所に民家が密集した格好になっている。 この西と東というのも日間賀島のキーワードで、島の中でも対立とまではいかないにしても西の者と東の者という区別のようなものはあるのかもしれない。たとえば、西の端にある八幡社は西の集落の氏神で、東端には日間賀神社がある。小さな島で西も東もないだろうというのはよそ者の発想で、狭い中だからこそエリア間の違いみたいなものがあるような気がする。2,200人といえば大きな私立高校の生徒数よりも多いから、全員と知り合いになるということはないんじゃないだろうか。 島の外周をぐるぐる回っていても、素顔は見えてこない。神社仏閣を巡りながら、奥へ奥へと入っていってみよう。 道はとにかく狭くて、上り下りがあって、入り組んでいる。密集して家を建てるのは風よけの意味もあるそうだけど、この島は面積の割に人口が多いということもある。 案内マップには、ミコノス島みたい、と書いてあるけどそれはちょっと言い過ぎ。
 少し中に入っていくと、観光地から生活圏のエリアに変わる。民家があり、個人商店があり、店先では干物を作ったりしている。こういう島らしい光景が見たかった。 この干物作りは面白くて、横から扇風機の風を当ててカゴがクルクル回転する仕組みになっている。そうすることで均等に日が当たって、風にも吹かれていい感じに仕上がるのだろう。 それにしても、ひっきりなしにスクーターが通りすぎていく。ノーヘルでラフな格好をしてる人ばかりなので、何をしている人たちなのかよく分からない。
 島といえば猫がつきものだ。この日もあちこちで目にした。港でたくさんの猫が寝そべっているといった風景には出会えなかったけど、民家の近くで半ノラ半家猫としてのんびり暮らしている姿があった。 天敵のスクーターにさえ気をつければ、ここは住みやすいところだろう。余った魚とかもらえるだろうし、ときどきは干物とかタコとかを盗み食いしてそうだ。
 地図を見てもどこがどこにつながっているのかよく分からなくて、何度か道に迷った。ここはつながってないだろうというところがつながっていたり、うっかりしてると民家の庭に入り込みそうになる。なかなか手強い。島の道を把握するためには一日や二日ではとても足りない。 黒板の家が多いのは、潮風から守るためだろうか。スクーターも車も、サビがきているものが多かった。潮風はいろいろよくないこともあって大変だ。
 高いところに登ると、遠くに海が見える。これがいいところ。 左にはちょっとした畑が見えている。農業で生計を立てるのは難しいだろうから、個人で食べるものを何か栽培しているのだろう。田んぼができるような土地はなさそうだ。
 これか、島で唯一のたこ焼き屋というのは。めったに開いてないというから期待してなかったけど、やっぱり開いてなかった。やってたら買って食べようと思ったのに。 タコが名物の島なんだから、もっとたこ焼き屋があってもよさそうなのに、島でたこ焼き屋は流行らないか。 船着き場の近くのおみやげ屋でたこ焼きを売っていたから、それなりに需要はありそうだけど。
 ヘルメットかぶらんか〜! という看板が立っていた。やっぱりヘルメットをかぶらなければいけないとい自覚はあるようだ。 スクーターのヘルメット着用が義務づけられてから、かれこれ20年くらいになる。シートベルトもこの島では定着しそうにない。
 島でただ一つの警察機関は、交番ではなく駐在所。交番が2人以上の交代制なのに対して、駐在所は警官が一人という点に違いがある。家族単位で赴任してきて、住居は兼用になっている。一般的に、お巡りさんというより駐在さんと呼ばれることが多い。 地域への密着度が高く、巡査長や巡査部長が勤める。日間賀島の駐在さんも、一人で2,200人の島民を把握して、安全を守っている。なかなか大変そうだけど、事件や事故の少ないところというから、平和な島ではある。 駐在さんの悩みの種は、道が入り組んでいて観光客に口頭で道案内するのが難しいこと、だとか。 灯台風のモニュメントには、「めざせ 無事故 無違反 夢の島」というスローガンが書かれている。 ここから少し入ったところには、島で唯一の診療所がある。島での暮らしはいろいろ不便な点も多いだろうけど、こういう基本的なところに関しては揃っている安心感はある。歯医者まで望むのは贅沢だろうか。 郵便局は、島の東と西に一つずつある。銀行は見なかったけど、どこかにはあったのだろう。
 東港近くまで降りてきたところ。 左に積み上げられているのがタコ壺だと思う。いろいろな形のものがあるようだ。 日間賀島やタコ漁などについて知りたい場合は、日間賀島資料館へ行くのが手っ取り早い。今回は時間の関係もあって省略してしまったけど、一見の価値はありそうだ。
 東港前の交差点には、島でただ一つの信号機がある。港に出入りする車と、島の外周を走る車が交差するところだから、ここくらいは信号機が必要だろうという判断だったようだ。 直進は黄色の点滅で、横は赤の点滅になっているけど、誰も徐行したり一時停止したりしてない。ここは見晴らしのいい場所だから、それほど危険ではないか。 西港の前にあったタコのモニュメントがここにもある。同じものかと思ったら、こちらは左手を挙げている。あっちは右手だった。芸が細かい。
<追記> 実はこの信号機、実用本位に設置したものではなく、小学生が信号機というものを学習するために作られたものだったということが分かった。膝を打つとはこのこと、なるほどそういうことだったのかと深く納得した。 島で育った子供たちが大人になって島を出て行ったとき、信号というものを初めて見るというのではかわいそうという親心だったのだ。けど、本土の信号機は点滅などしてなくて、赤から青に変わり、青から黄色、そして赤に変わるんだということをしっかり教えてあげないといけない。それから、スクーターに乗るときはヘルメットをかぶって、車に乗るときは運転者だけでなく助手席も後部座席もシートベルトをしなくてはいけないということも教えてあげる必要がある。高齢者はもみじマークを貼らないといけないんだぞ。
 島で唯一ではないだろうけどガソリンスタンド。ここでの商売は基本的に独占企業だから、言い値になる。ガソリンの値段などはどうなっているんだろう。本島よりも割高なんだろうか。もし高くても、遠くまで入れに行くということはできない。カーフェリーで知多半島までガソリンを入れにいったら、えらい高くついてしまう。 がめつく儲けるつもりはなくても、最近はスタンド経営も厳しい。勝手につぶれるわけにはいかないからつらいところだ。誰か一人はスタンドを経営しないと、島のスクーターが動かなくなる。競争がないからいいというわけでもない。 明日からはガソリンも史上初の180円時代に突入する。ハイオクはそろそろ200円が見えてきた。
 最後は、日間賀島を象徴する一枚で、本編の締めくくりとしよう。 島の魅力をまだ伝え切れてないのが心残りなのだけど、本編として紹介できるのはこれくらいだ。あとは神社仏閣とイルカ編が残るのみとなった。 昼間数時間の滞在では、撮りどころの少ないところではある。せめて夕焼け時間までいられれば、もう少しドラマチックなシーンも撮れたんだろうに。高速船の最終が6時前ということでは今の時期はまだ日が高い。写真重視ということで訪れるなら、冬場の12月くらいがよさそうだ。そのときなら干しダコ風景も見られるし、船の最終前に夕焼けを撮ることもできる。集落の中を散策するときは、自転車よりも歩きの方がよさそうだ。 3月にはジョギング大会、5月には自転車大会、夏の祭りや、9月の奉納相撲、潮干狩りに底引網漁体験などのイベントものに合わせて行ってもいいかもしれない。 思っているよりも手軽な離島体験ができるという一点だけでもおすすめできるところなので、愛知近隣の方はぜひ一度行ってみてください。
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